- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751529423
作品紹介・あらすじ
イタリア、トスカーナの小さな町に暮らす少年、ユージ。
フルートとの電撃的な出会いから5年、
ユージは岐路に立たされていた。
本気でめざしても、プロになれるのはひと握り。
クラシック音楽界のきびしさを目の当たりにした、
15歳のユージの決断とは……?
感想・レビュー・書評
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第60回日本児童文学者協会賞受賞
ライバルや仲間達と夢に向かって切磋琢磨する、イタリアが舞台の青春音楽小説♫
ハッと目を引く色鮮やかなカバーデザインがとても綺麗
トスカーナ州に住むユージ10歳
フィレンツェでオーケストラのコンサートを聴いて、フルートの音色に魅力され、次第にプロのフルーティストを目指す様になる
だが、道は甘くなかった
後期中等教育の勉強と音楽院との二重生活、厳しい経済面
そして自分との葛藤
プロのフルーティストになれると思っていたが、自分の才能を信じる事ができない、そんな覚悟はない
悩んでいるユージに先生は言う
『今やっていることは君の人生で必ず役に立つだろう。自分の限界を知る。そしてそれを乗り越える。その繰り返しだからだ』
確かにね。。。
私もたまには何かに思いっ切りチャレンジするのもいいかもしれない、とほ
ーんの少しだけ思った
作中に出てくる演奏曲名をYouTubeで探して、フルート演奏を流しながら読んでみた
イメージ、イメージ。。。
ストーリーとしては王道で、青少年向けなので、物足りなさを感じてしまう所はあるが、単純な私はラストはやっぱり感動してしまった笑
親子で楽しめる作品です♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
5年前クラシックコンサートで聴いたフルートの音色に魅せられたユージは、未経験ながらフランキジャーナ音楽院の入学試験に合格し、普通の学校との二重生活をしながら練習に励んでいた。しかし、常に、このままで本当にプロのフルーティストになれるのかという不安、より良い楽器の購入やより良い指導者の合宿参加という経済的な問題、どんどん難しくなる学校の勉強とフルート練習との時間配分に悩まされていた彼は、念願の第一オーケストラに選ばれてもあまり喜べず、音楽学校の課題を「こなす」自分に気づく。なんのために音楽をやっているのかわからなくなってしまった彼は、先輩の厚意から参加できることになった有名奏者の合宿で、音楽の楽しみを再発見する。
競争とプレッシャーの世界に身を置きながら、音楽の楽しさに気づき、本気で立ち向かう覚悟を得る少年と、温かく支える周囲の人たちの姿を描いた物語。
*******ここからはネタバレ*******
最初は大好きなフルートで演奏することがただ喜びだったのに、厳しい世界に長く身を置きすぎて、本当の望みがわからなくなってしまう、芸術の世界「あるある」です。
もっとお金があれば、良い楽器を手に入れることも、良い先生に師事することも、失敗したときの将来の心配なんかせずに音楽の道を追求することもできるのに、と思う気持ちも痛いほど伝わる中、学友たちが、貧富の差や音楽への向かい方の違いがあって、それぞれいい味を出していますね。
こんな胃が痛くなるような世界にあって、良い大人に囲まれているのは救いです。彼の指導者サンティーニ先生は、指導力も人間的にも素晴らしいし、合宿の先生マエストロ・ビーニもとても魅力的。
お母さんも、経済的にはしんどいけれど、人間的には普通の良いお母さんだし、職場の方々もとても温かい。
音楽をやっていて人生で役に立つことは、単にその道で成功することだけじゃない。「自分の限界を知る。そして、それを超える。そのくりかえしだから」というサンティーニ先生の言葉が、この物語の要でしょう。
お店のパーティのために準備するユージは、内輪のパーティだからとおろそかにせず、きちんと準備して感動させていた。これが彼が「超えた」ところなんでしょうね。
文章は平易ですし、刺激的な表現も出てきません。高学年から読めるます。音楽が好きな子なら、更に楽しめると思います。 -
イタリア国立音楽院。フルートをゼロから始めたユージにとって,音楽の世界は厳しい。経済的苦境や厳しい現実を乗越え,成長する姿が頼もしい。競い合うライバルの存在も大切(サンドロ)。
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初めての作家さん。
音楽は楽しんでこそなのだが、それまでに苦労がある。それが良くわかる物語でした。
フルートを吹こうと思ったユージが音楽院で色々悩みながら自分の道を見つけていく。
音楽院の情景などがリアルだと思いましたが、あとがきでイタリアに住んでいる佐藤さんの娘さんがまさしくフルートを学んでいるとあったので、納得。
若い人、それも高校前の人たちに特におすすめしたいです。
佐藤さんの他の物語も読んでみたくなりました。 -
フルートと共に生きていこうとする、少年の話。
音楽を志すひとって、とても大変だよね。
音楽だけでなく、
自分が心から打ち込める、
何かに出会えるといいな、と思える1冊でした。
児童書の分量なので、
さらっと終わってしまった感じが否めないのが、もったいなかった。 -
イタリタの、とある音楽の盛んな田舎町。10歳のユージはフルートと出逢う。音楽を続ける悦びと厳しさに向き合う、少年の成長の物語。バッハ、プロコフィエフ、ラヴェルのフルート曲を片っ端から聴きたくなる。そして、フルートを吹いてみたくなる。とても素敵なお話。
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逆境の中でも自分の心を揺さぶられたフルートの音楽院を初めは頑張っていたが、経済的な問題もあり、続けられないと諦めそうになった時が沢山あったが、周りの人たちの援助などもあり、最後では、プロの奏者になったことがとても感動した
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イタリアの音楽学校物語。ものすごい天才が出てくるわけではないけど、生徒たちのリアルな描写が面白い。