兄の名は、ジェシカ (アニノナハジェシカ)

  • あすなろ書房
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本棚登録 : 143
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751529478

作品紹介・あらすじ

4歳年上のジェイソンは、ぼくの自慢の兄。だけどこのごろ……。
生物学的な性、社会的な性、そして本人が自覚する性の問題を、家族4人の立場から、わかりやすく、誠実に、時にコミカルに描く。
『縞模様のパジャマの少年』のジョン・ボイン、最新刊!

感想・レビュー・書評

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  • トランスジェンダーがテーマの本が増えてきた。
    思春期の子どもにとって性は誰にとっても大問題だ。その上、自分はまわりと違うと意識したときの悩みは大きい。告げられた家族の反応は?

    主人公サムには、尊敬する大好きな兄ジェイソンがいる。ジェイソンが16歳の時「ぼくは姉さんなんだと思う」と家族に告げた。
    政治家で次期首相を目指している母親も、妻の私設秘書をしている父親も、社会的立場を守るため受け入れない。話をきちんと聞こうともしない。二人の言動に差別主義が見え隠れする。
    サムも理解できずに受け入れなられない。その事でいじめられ、兄の告白に腹をたてる。
    理解するのが一番困難なのが家族なのかもしれない。それまで愛していたゆえに、変わる姿に拒否反応を示してしまうのか。

    トランスジェンダーの問題は「誰もがほんとうの自分らしく生きる」ために悩み苦しむ人たち、性別だけでなく、国、民族、宗教など様々な問題で理解されずに苦しむ人たちと通じる問題なのだろう。

    最後にサムが「ぼくの姉さんのジェシカです」と
    満面の笑みで言えて、ほんとうに良かった。

  • 兄さんは僕のヒーローだ。
    学校でも1番の人気者だ。
    生まれる前から僕の事を心待ちにしていて、小さな頃から病気のときも本を読むときも、音楽を聴くときもずっと一緒だった。

    でも兄さんは家族の前で、トランスジェンダーであることをカミングアウトする。

    政治家の両親と「兄さん」が大好きな僕はどうしても受け入れられなかった。

    ☆カミングアウトを受けた家族が主人公の話。
    受け入れられる人もすぐに受け入れられない人もいる。愛だけでは解決出来ない。
    ☆隣の部屋でずっと泣いている兄さんの声に耳を塞いでしまった主人公。
    ☆家族はいっしょに作り上げていくものなのだなと思った。
    ☆主人公が“いい子”ではないのが、良かった。読み手が同じスピードで変わっていける。

  • 最初は、なかなかジェシカの(自分は女である)ということを僕は受け入れられなかったけど、最後でジェシカが男っぽくしてお母さんが首相になれたことで、僕も受け入れられたところが感動した

  • ■2021全国課題図書高校■
    トランスジェンダーがどうこう同性愛がどうこう以前に他者と会話を成立させる気が登場する誰からも感じられなくてイライラした。
    トランスジェンダー当事者ではなく周りのカミングアウトされた人の視点で苦しみを描いたというが、終始自己中心的でそれほど葛藤しているようにも見られず、そのくせ終盤にきて突然理解がある家族に変異したような展開。
    最後の最後で良い親ぶられてもねえ…
    当事者が身を置く、周囲の差別感情から形成されるひどい環境はよく理解できた気もする。
    ただ、今の煩いポリコレ世界においてこの描写はオーバーすぎるような気もするが、身近に例のない私にはわからない。実際こういうもんなのかな。

  •  大切な家族から「これまでの性別は偽りのものだった」と告白されたら、みなさんはその言葉をすぐに受け止めることができるでしょうか?
     この物語の語り手であるサムには、学校で人気者の自慢の兄さんがいました。そんな兄さんが、ある日家族を前に「自分は男ではなく女」だという告白をしました。サムは大好きな兄さんを失うかもしれないという不安から、兄さんを避けるようになります。イギリスの次期首相を目指す母親と、それを支える父親は、2人の目標達成を最優先にし、息子の悩みに真剣に耳を傾けませんでした。しかし、ある出来事をきっかけに家族はぎりぎりの選択を迫られます。
     大切な家族だからこそ受け入れがたい現実と、家族だからこそ守りたい互いの存在。最後に下した両親の決断には心があつくなります。また、いつも守られる立場だった弟が、大勢を前に発した力強い言葉は涙ものです。

  •  識字障がいのサムは、誰よりも頼りになる兄のジェイソンのことを尊敬している。サッカーが上手くて学校一の人気者のジェイソンだが、ある日突然家族にカミングアウトしてきた。自分は本当はサムの兄ではなく、姉なんだと。
     両親もサムも寝耳に水で、受け入れられない。それ以来、ジェイソンは家族と会話することが減っていった。

     やがて学校でジェイソンのうわさが流れ始め、サムにも嫌がらせが始まった。ジェイソンの気持ちを考える余裕もないサムは、ジェイソンにひどい言葉を言ってしまう。

     ジェイソン、サムのヒリヒリした気持ちが伝わって来る。

  • 13歳のサムにとって4歳上のジェイソンは自慢の兄だった。閣僚で次期首相候補の母やその秘書の父は忙しく、ジェイソンだけがサムを支えてくれていた。しかし、ある時、ジェイソンが、「自分はずっと女の子だと思っていた」と家族に告白する。サムも両親も混乱し、ジェイソンを傷つけてしまう…。
    トランスジェンダーについて、弟の視点から語る物語。互いを尊重することの大切さが伝わってきて、泣けてくる。

  • ヒット。
    この作品はとりあえず読もう皆さん。

    特に「オカマ」「ホモ」「女らしく」とか
    すぐ言っちゃう方々。
    それを何とも思わず聞いてる方々。

    トランスジェンダーに理解がある、なんて
    上から目線でいたくはない。
    でも、理解したいって思ってるよって
    伝わる優しい世の中になればいい。

  • 性的マイノリティの方本人だけではなく、周りの家族の葛藤がよく描かれていて、読みやすく参考になる一冊だった。

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