あるヘラジカの物語

著者 :
制作 : 星野 道夫 
  • あすなろ書房
4.21
  • (20)
  • (23)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 233
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751529676

作品紹介・あらすじ

写真家・星野道夫は、ある日、アラスカの川でふしぎな頭蓋骨を見つけました。2頭の大きなヘラジカの角が、からみあったまま骨になっています。角ははずそうとしてもはずれません。多くの野生動物の姿を写真におさめた星野道夫は、1996年、不幸な事故によって世を去りました。同じ動物好きとして星野道夫と親交のあった鈴木まもるは、ある夜、突然このふしぎな写真を夢に見ます。彼は思い立ち、アラスカに飛びました。そしてできあがったのがこの絵本です。1枚の写真が語る、大自然のドラマと生命のつながりの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 星野道夫さんの原案を鈴木まもるさんが本にして著す。
    鈴木さんと言えば「鳥の巣」で有名で、確かアトリエにも鳥の巣をオブジェとして飾っていらしたような。。
    果たしてどんな経緯があったのだろう。

    後書きですぐに解明した。
    生前からおふたりは親交があり、星野さん亡き後「ヘラジカ」の写真の夢を見た鈴木さんは思い立ってアラスカに飛ぶ。
    そして描かれたのがこの絵本であるという。

    その「ヘラジカ」の写真が裏表紙だ。
    二頭の頭蓋骨がからみあった、どきっとする写真だ。
    「アラスカ 風のような物語」でこのヘラジカのことを語った星野さんは、96年8月に不幸な事故で世を去った。
    アラスカの光と風を鈴木さんが追体験して語る本作は、大自然の壮大な生命のドラマだ。読み終えてしばらくは声も出なかった。

    重さ800キロもあるという雄のヘラジカ。
    二頭は何度も何度も体当たりをして角をぶつけあう。
    やがて偶然にも角がからみあい、取れなくなる。
    闘いの疲れで動けなくなったヘラジカをオオカミが襲う。
    それを追い払ってヘラジカにありつくヒグマ。
    そして小さな生き物たち。
    最後は骨になった角の片隅にアメリカタヒバリの巣とヒナが。。

    生きるために闘って死んだあと、他の生き物たちの命の糧になる。
    星野さんも鈴木さんも、ヘラジカのからみあった骨から同じように生命の営みを感じ取ったのだろう。
    一枚の写真がもつ、圧倒的な説得力。
    この写真あってのこの絵本で、生きることはこんなにも真剣勝負だ。

    ちょうど小6の国語教材で星野さんの「森へ」が出てくる。
    「旅をする木」は中3で、どちらも「光村」だったかな。
    読むなら高学年以上に。
    その際星野さんのことにもふれて、作品への誘いになると良いよね。
    きっと私のように声も出なくなるかもしれない。

    鈴木まもるさんは「かこさとしさん」の最後のお仕事も引き受けられた。
    作家さんどおしの繋がりのおかげで、亡くなられても絵本が届く。
    ありがたいことだ。

    • 夜型さん
      2019年の頃のレビューと比較したらいいね!反応率がグングンと上がってますね。
      「本にまつわる本」活動がフェローズを呼び寄せたのかもしれませ...
      2019年の頃のレビューと比較したらいいね!反応率がグングンと上がってますね。
      「本にまつわる本」活動がフェローズを呼び寄せたのかもしれませんね。
      2021/01/19
    • nejidonさん
      地球っこさん、もしやコメントを下さるかしらと思っておりました(*'▽')
      星野さんの本を読まれた方は思い出されるかと。
      私だったら眼を背...
      地球っこさん、もしやコメントを下さるかしらと思っておりました(*'▽')
      星野さんの本を読まれた方は思い出されるかと。
      私だったら眼を背けてしまいます。
      眼をそらさずにそこから思考を重ねていく。だからこの本もあり、心の糧となって次の人に伝わっていく。
      地球っこさん、私たちなんだか大変なことをしていますね。。
      2021/01/19
    • nejidonさん
      夜型さん♪
      ああ、そうですね。そのように考えれば良いのですね!
      ありがとうございます♪
      スタートした頃から比してフォロワーさんが倍以上...
      夜型さん♪
      ああ、そうですね。そのように考えれば良いのですね!
      ありがとうございます♪
      スタートした頃から比してフォロワーさんが倍以上です。
      その影響も大いにありかと思います。
      感謝して継続するのみです。
      今ぼちぼちと「物語創生」を読んでいます。
      とんでもなく面白いです。レビューはまだ先ですが。
      2021/01/19
  • 裏表紙の二頭のヘラジカの頭蓋骨の写真。『二頭のヘラジカはなぜ角がからまったまま、骨になったのか…。』

    生きるために戦った証でもある。

    命が繋がっている。自然の摂理を想像させるこの写真と、そこから生まれた絵本。
    自然ってすごい。

    原案の星野道夫さんの本を読んでみたい。

  • アラスカに残された角がからみ合ったオスのヘラジカの頭蓋骨から想像を逞しくして書き下ろした物語。ヘラジカは一夫多妻なんですね。群れを守ろうとしたオスと群れを奪おうとしたオスの戦いは文字どおり死闘になりました。あとがきが衝撃です。ところで、あのメスの群れはあれからどうなったのでしょうねぇ。

    • nejidonさん
      myjstyleさん、こんにちは(^^♪
      こちらのレビューできっかけをいただき、おかげで読むことが出来ました。
      静かで大変力強い作品でし...
      myjstyleさん、こんにちは(^^♪
      こちらのレビューできっかけをいただき、おかげで読むことが出来ました。
      静かで大変力強い作品でした。
      雌の群れは、新たな雄が率いているのでしょうか。心に残りますね。
      ありがとうございました♪
      2021/01/18
    • myjstyleさん
      nejidonさん こんにちは。

      お役に立ててなによりです。
      絵本は年に数冊読みます。小説とは全く違う世界ですね。私は散文派なので、...
      nejidonさん こんにちは。

      お役に立ててなによりです。
      絵本は年に数冊読みます。小説とは全く違う世界ですね。私は散文派なので、ときどきよくわかりません。

      この物語も命を繋ぐお話にしていますが、季節を超えて戦い、雪に埋もれるという話にすると大鹿らしい孤高な感じがすると思いました。
      2021/01/18
  • 「第2回親子で読んでほしい絵本大賞」贈賞式開催|日販通信note|note
    https://note.com/nippan_tsushin/n/n27980cefe300

    あすなろ書房【あるヘラジカの物語】
    http://www.asunaroshobo.co.jp/home/search/info.php?isbn=9784751529676

  • 自然の厳しさ、たくましさ、力強さが描かれた絵本。生存競争の中で生じた「死」が自然の営みの中で「命」を繋ぐために生かされていく物語。

    背表紙にこの物語の原案となった一枚の写真が載っています。

    アラスカで撮影されたこの写真は、ヒグマに襲われて命を絶った星野道夫さんが撮影したもの。

    自然はとても厳しい。

    しかし、無駄なものが何一つ生じないようにできている。
    全てを受け入れ、全てが生かされる、自然の偉大さを感じます。

  • 「第2回親子で読んでほしい絵本大賞」
    を受賞されたとフォロワーさんのゆうママさんに教えていただきました。

    迫力があり命の厳しさ、尊さが胸に迫ります。
    裏表紙の写真
    アラスカの清流に残された絡まったままのヘラジカの角

    亡くなってしまわれた写真家の星野道夫さんと親交のあった著者が着想を得て、この絵本を世に出しました。

    何一つ無駄のない生命のつながり
    それがひしひしと伝わってきます。

    ラストのヒバリのヒナたちのなんと愛しいことでしょう

    ≪ アラスカの 命をつなぐ 風・光 ≫

    • ゆうママさん
      かよこさんは、何故こんなに素敵な句を、いつもいつも思いつくのですか!・・・・角が絡まるなんてこと、あるのですね。自然界って厳しい・・・・
      かよこさんは、何故こんなに素敵な句を、いつもいつも思いつくのですか!・・・・角が絡まるなんてこと、あるのですね。自然界って厳しい・・・・
      2021/04/12
    • はまだかよこさん
      心に残る本を教えてくださってありがとうございました。
      勝手気ままな人間以外はすべて自然の摂理で生きているんですよね。

      ブクログには五...
      心に残る本を教えてくださってありがとうございました。
      勝手気ままな人間以外はすべて自然の摂理で生きているんですよね。

      ブクログには五分以上の時間は駆けていないんです。
      句も、本の中から言葉を頂いているだけです。
      2021/04/13
    • はまだかよこさん
      駆けるの字変換間違えてますね
      ハズカシイナ(*ノωノ)
      駆けるの字変換間違えてますね
      ハズカシイナ(*ノωノ)
      2021/04/13
  • ダイナミックな作品にふさわしく、大きめSIZE。
    星野道夫さんと鈴木まもるさん…どちらも大好きな作家さんです。お二人のコラボ作品…夢のような気持ちで手にしました。

    挿画を眺めて、ジーンと…。
    表紙いっぱいに描かれたヘラジカ…あたたかく、遠くを見つめる目。
    その目が、星野さんの目に似ている気がしたのです。

    「2頭のヘラジカは、なぜ角をからませたまま骨になったのか?1枚の写真が語る、大自然のドラマと生命のつながりの物語」(表紙カバー袖の文章より)。
    星野さんの一枚の写真にインスピレーションを感じた鈴木さんが、写真をもとに、このお話を作られて…。
    もしかしたら?アラスカの広大な自然の中で、こんなことがあったのかもしれない…。
    あとがきから…お二人が同学年だったと知り、また接点があったことも知りました。
    (このお二人が繋がりがあるとは、知らなかったです)。
    本当に星野さんがここにいらっしゃらないこと…残念でなりません。

    アメリカタヒバリ、オオカミ、ヒグマ、コヨーテ、アカギツネ、クズリ、カナダカケス、ワタリガラス、カンジキウサギ、アメリカタヒバリ…
    鈴木さんらしく?鳥で始まり、鳥で終わります。
    個人的には、あこがれの?カンジキウサギを登場させてくれたことに感動!
    鈴木さん…素敵な一冊を作ってくださって、ありがとうございました♡


    [表紙カバー裏に、実際の星野さんの写真]

    http://blog.livedoor.jp/nestlabo4848/archives/54960204.html

  • ヘラジカがたたかっていて、角がからまってはずれなくなって、ずっとたたかいつづけなくてはいけなくなったのが、さびしい。ヒグマはオオカミよりもうんと大きくて、すごい強いなと思った。
    ヘラジカはみんなに食べられて、ほねだけになってしまった。ほねだけになった後も、食べられて、さいごにはひばりのすになった。さみしいけど、からまってそのまま死ぬだけじゃなくて、みんなに食べられてえいようになって、ヘラジカもよろこんでいるかな。お父さんが「人間もしぜんの一部だよ」と言っています。
    あとがきに、写真をとっていた星野さんがヒグマにおそわれて死んでしまったということが書いてあった。さびしいなと思った。(小3)

  • ある1枚の写真から厳しい自然の摂理を学ぶ絵本。

  • 朝日新聞書評で知り、角がからまったまま死ぬとはなんてこと、と驚き、図書館で借りました。

    星野道夫さんの1枚の写真が圧巻。
    そこから私が感じるのは、今なお続く二頭の困惑。
    絵本は出来すぎたお話のような気が。

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著者プロフィール

東京生まれ、東京藝術大学中退。「ぼくの鳥の巣絵日記」(偕成社)で講談社出版文化賞、「ニワシドリのひみつ」(岩崎書店)で産経児童出版文化賞、「あるヘラジカの物語」(あすなろ書房)で親子で読んでほし絵本大賞」を受賞。主な絵本に「せんろはつづく」「てをつなぐ」「どこからきたの?おべんとう」(金の星社)、「ウミガメものがたり」「わたり鳥」(童心社)「みんなあかちゃんだった」「みずとはなんじゃ?」(小峰書店)、「ピン・ポン・バス」「ツバメのたび」「鳥の巣いろいろ」日本の鳥の巣図鑑全259」(偕成社)、「世界の鳥の巣の本」「鳥の巣の本」(岩崎書店)、「巣箱のなかで」(あかね書房)、「だんろのまえで」(教育画劇)、「あなたがだいすき」(ポプラ社)など。絵本を描きながら、鳥の巣の研究、収集、鳥の巣の展覧会を続ける。ホームページ「鳥の巣研究所」→https://mamorusuzuki.wixsite.com/nestlabo

「2021年 『としょかんのきょうりゅう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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