ここで土になる

著者 :
  • アリス館
4.14
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本棚登録 : 93
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752007340

作品紹介・あらすじ

小さな村の大イチョウ。ダム建設にゆれた村で、変わらず、動かず、そこに暮らし、土を耕し続けた夫婦がいる。

感想・レビュー・書評

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  • 感動の一冊です!

    この本の事を知ったのは佐久間順平さんがFacebookで紹介されていたが目にとまったから。 そしてわたしは本書作者の大西暢夫さんとは知り合い・・・のつもりでございます。 昨年11月岐阜県北方ワタルカフェで開催された「高田渡メモリアル・コンサート」のロビー展示をいっしょにお手伝いなどさせて頂いた。
    愛犬ジローの墓が大イチョウの下に戻ってくるところ写真と共に必読!
    しばしの安らぎタイムが欲しい方は是非読んでくださいまし。

  • 2016年読書感想文の課題図書のため、小学生の子供用で購入。文字が少ないので読むのが苦手な子にはいいかもしれませんが、しっかりとした感想文を書こうと思うと、難しいテーマかもしれません。写真がとても美しいです。

    ダムの建設のため、村人は村を去り・・・残ったのは老夫婦2人。お墓まで移動させ、逸話の残る大きな銀杏の移植の準備も始まりましたが、ダムの建設はとん挫します。

    ダムが出来なくても、もう元の村には戻らない・・・そして大きな銀杏の木は、艶を失い実も付けなくなりました。この現実に胸が痛みます。

    時々、空港や高速道路の建設の立ち退きを拒否されている人の映像をニュースで見たりします。それを見て、様々な事を思うと思います。(時にそこに様々なものが絡んでいるという事も分かります。)

    でも、ただただこうして生まれ育った場所で命を全うしたいという強い気持ちの方もたくさんいらっしゃるんだと思うと、私たちの暮らしというのは、いくつもの犠牲の上になりたっているのだなと改めて感じました。

    変わってゆくもの、変わらずにそこにあるもの。

    老夫婦の変わらない覚悟がひしひしと伝わってきました。

  • 熊本は五木村がダムに沈むことは、大分前に野田知佑さんの本で読んでいました。牧歌的でとてもとても素敵な村が不必要なダムに沈むことを憂いていました。
    が!この本読むまで、ダムが中止になって水没を免れたと始めて知りました。
    この本読まなかったら僕の中で、五木村は消滅していたと固く信じていたと思います。
    老夫婦が2人で無人の村で生きてる事を、さみしいと見るか幸せと見るかは分かれると思います。

  • ダムの建設中止でたった二人で残った夫婦,村の守り神のような大イチョウの木,美しく雄大な自然とありふれた日常に感動した.

  • 小さな村の大イチョウ。

    ダム建設にゆれた村で、村人が全員ひっこしていっても、変わらず、動かず、そこに暮らし、土を耕し続けた夫婦がいる。

    大イチョウの木も移転することとなり、枝が払われ根も切られた。尾方さん夫婦も移動を決意・・・ところが、ダム建設は中止。

    残ったのは尾方さんたちしかいない壊された村と、人間に切られ、銀杏も実らなくなった老いた木。

    でも、尾形さんは大イチョウの復活を信じて、たくさんの肥料を根元に入れてやった。

    数年後に少しだけ実がなった。
    尾方さん夫婦の暮しの根っこは、大イチョウのように深くしっかりしたものなのだなぁ。。。

  • [墨田区図書館]

    同著者の「ぶた にく」で知った大西暢夫さん。その作風に触れて他の本も見てみたいと検索して片っ端から借りてきてみたうちの一冊。2年前の課題図書だったんだ、しかも登録していたのに、高学年だったからか?読んでいなかったんだろう、今回登録しようとするまで、タグつき登録済みであることすら記憶になかった。

    この本は、この著者の代表作「おばあちゃんは木になった」「徳山村に生きる―季節の記憶」同様、ダム建設の計画に振り回された村の記録だ。ただ、熊本県五木村は、実際にダムが作られて水没した徳山村とは異なり、結局ダム建設の計画は中座し、残されたのは人がいなくなった村だけだった。一緒に読んだ「徳山村に生きる~」同様、この本も尾方さんというある一夫婦、そして樹齢数百年と伝えられる集落の象徴、田口の大イチョウに焦点をあててその時間の営みを綴ったもの。

    ただ、本の出来としては「徳山村に生きる~」のほうが評価できた。こちらの田口の大イチョウの移設計画と頓挫後の復活の流れは内容として印象的だったが、「春」「夏」と各季節ごとを色鮮やかに紹介した前著の方が、その野放図に書かれた各季節名と語り口のことを差っ引いても魅力的だった。

  • この本では、ある夫婦がある町を愛していて、「何があってもこの町にいて、ここで土となっていきたい」と思う話です。夫婦の気持ちを考えながら読むと、とても感動します。

  • 何とも言えない味のある写真たち。

  • 大きな銀杏のある村で暮らす夫婦のドキュメント。
    いろいろなことを考えさせられた。
    二人の穏やかな生活が続いてほしい。

  • 写真に写る人の笑顔が温かい。それだけにイチョウの姿が無惨。自然に甘えるのもいい加減にしたらどうか。

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著者プロフィール

おおにし・のぶお
1968年、岐阜県揖斐郡池田町育ち。
東京綜合写真専門学校卒業後、本橋成一氏に師事。
1998年にフリーカメラマンとして独立。
ダムに沈む村、職人、精神科病棟、障がい者など
社会的なテーマに多く取り組む。
2010年より故郷の岐阜県に拠点を移す。
映画監督作品に、
『水になった村』、
『家族の軌跡 3.11の記憶から』、
『オキナワへいこう』などがあり
著書等に、
『僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村山村生活記』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、1998年)、
『分校の子供たち』
(大西暢夫 著、カタログハウス、2000年)、
『山里にダムがくる』
(菅聖子 文、大西暢夫 写真、山と溪谷社、2000年)、
『おばあちゃんは木になった シリーズ自然いのちひと4』
(大西暢夫 写真・文、ポプラ社、2002年、
 第8回日本絵本賞)、
『ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟』
(大西暢夫 写真・文、精神看護出版、2004年)、
『花はどこから 花・花びん・水をめぐる3つのものがたり』
(大西暢夫 写真、一澤ひらり 文、福音館書店、2005.年)、
『水になった村 ダムに沈む村に生き続けたジジババたちの物語』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、2008年)、
『徳山村に生きる 季節の記憶』
(大西暢夫 写真・文、農山漁村文化協会、2009年)、
『ぶた にく』
(大西暢夫 写真・文、幻冬舎エデュケーション、2010年、
 第58回小学館児童出版文化賞、第59回産経児童出版文化賞大賞)、
『糸に染まる季節 ちしきのぽけっと13』
(大西暢夫 写真・文、岩崎書店、2010年)、
『ミツバチとともに 養蜂家角田公次
 農家になろう2』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2012年)、
『津波の夜に ~3.11の記憶~』
(大西暢夫 著、小学館、2013年)、
『ここで土になる』
(大西暢夫 著、アリス館、2015年)、
『シイタケとともに きのこ農家中本清治 
 農家になろう8』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2015年)、
『お蚕さんから糸と綿と』
(大西暢夫 著、アリス館、2020年)他がある。

「2020年 『ホハレ峠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大西暢夫の作品

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