ここで土になる

著者 :
  • アリス館
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本棚登録 : 171
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752007340

作品紹介・あらすじ

小さな村の大イチョウ。ダム建設にゆれた村で、変わらず、動かず、そこに暮らし、土を耕し続けた夫婦がいる。

感想・レビュー・書評

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  • 熊本県五木村田口の大イチョウをずっと見守ってきた尾方さん夫婦。ダム建設で皆が村を去っても二人のみが残った。移植のために枝を落とされてしまう大イチョウ。後にダム建設が中止になって、大イチョウは再び若葉を芽吹く。白黒の写真が渋くて素晴らしい。最後の大イチョウのカラー写真が活きている。

  • 熊本県五木村の田口という地域に樹齢5〜600年の大イチョウ。村を見守ってきたイチョウだが、ダム建設の計画とともに村人は転地を余儀なくされる。結婚して60年の尾方さん夫婦だけが残った。イチョウも引っ越しのために足場で囲われたが、ダム建設は白紙になった。傷つき弱ったイチョウを手入れする夫婦。イロイロ考えさせられた。

  • 2016年読書感想文の課題図書のため、小学生の子供用で購入。文字が少ないので読むのが苦手な子にはいいかもしれませんが、しっかりとした感想文を書こうと思うと、難しいテーマかもしれません。写真がとても美しいです。

    ブログにて詳しいレビューしています*
    https://happybooks.fun/entry/2021/03/16/170000

  • 感動の一冊です!

    この本の事を知ったのは佐久間順平さんがFacebookで紹介されていたが目にとまったから。 そしてわたしは本書作者の大西暢夫さんとは知り合い・・・のつもりでございます。 昨年11月岐阜県北方ワタルカフェで開催された「高田渡メモリアル・コンサート」のロビー展示をいっしょにお手伝いなどさせて頂いた。
    愛犬ジローの墓が大イチョウの下に戻ってくるところ写真と共に必読!
    しばしの安らぎタイムが欲しい方は是非読んでくださいまし。

  • 薄い絵本コーナーにある写真と短い文のほんだがらその内容は非常に重い。
    村をずっと見守ってきたイチョウの木。
    イチョウは和尚。
    ダムの計画をたて、頓挫して、村の人々を翻弄。
    ばらばらにしてしまった。

  • 熊本は五木村がダムに沈むことは、大分前に野田知佑さんの本で読んでいました。牧歌的でとてもとても素敵な村が不必要なダムに沈むことを憂いていました。
    が!この本読むまで、ダムが中止になって水没を免れたと始めて知りました。
    この本読まなかったら僕の中で、五木村は消滅していたと固く信じていたと思います。
    老夫婦が2人で無人の村で生きてる事を、さみしいと見るか幸せと見るかは分かれると思います。

  • ダムの建設中止でたった二人で残った夫婦,村の守り神のような大イチョウの木,美しく雄大な自然とありふれた日常に感動した.

  •  ここで土になるは、熊本県の五木村頭地区田口に、大きな大木があり、500〜600年経っていてその木を「田口の大イチュウ」と言われている。その木を、作ったのは、尾形茂さんと妻のチヨコさんが大事に育てていて感動しました。いいことや楽しい事が書いてあってよかったです。また、みたいです。

  • 《図書館》【再読】ダムは、必要だが。これは、ひどい。計画を綿密にしてほしかった。元に、戻れないなら!

  • 小さな村の大イチョウ。

    ダム建設にゆれた村で、村人が全員ひっこしていっても、変わらず、動かず、そこに暮らし、土を耕し続けた夫婦がいる。

    大イチョウの木も移転することとなり、枝が払われ根も切られた。尾方さん夫婦も移動を決意・・・ところが、ダム建設は中止。

    残ったのは尾方さんたちしかいない壊された村と、人間に切られ、銀杏も実らなくなった老いた木。

    でも、尾形さんは大イチョウの復活を信じて、たくさんの肥料を根元に入れてやった。

    数年後に少しだけ実がなった。
    尾方さん夫婦の暮しの根っこは、大イチョウのように深くしっかりしたものなのだなぁ。。。

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著者プロフィール

おおにし・のぶお
1968年、岐阜県揖斐郡池田町育ち。
東京綜合写真専門学校卒業後、本橋成一氏に師事。
1998年にフリーカメラマンとして独立。
ダムに沈む村、職人、精神科病棟、障がい者など
社会的なテーマに多く取り組む。
2010年より故郷の岐阜県に拠点を移す。
映画監督作品に、
『水になった村』、
『家族の軌跡 3.11の記憶から』、
『オキナワへいこう』などがあり
著書等に、
『僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村山村生活記』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、1998年)、
『分校の子供たち』
(大西暢夫 著、カタログハウス、2000年)、
『山里にダムがくる』
(菅聖子 文、大西暢夫 写真、山と溪谷社、2000年)、
『おばあちゃんは木になった シリーズ自然いのちひと4』
(大西暢夫 写真・文、ポプラ社、2002年、
 第8回日本絵本賞)、
『ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟』
(大西暢夫 写真・文、精神看護出版、2004年)、
『花はどこから 花・花びん・水をめぐる3つのものがたり』
(大西暢夫 写真、一澤ひらり 文、福音館書店、2005.年)、
『水になった村 ダムに沈む村に生き続けたジジババたちの物語』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、2008年)、
『徳山村に生きる 季節の記憶』
(大西暢夫 写真・文、農山漁村文化協会、2009年)、
『ぶた にく』
(大西暢夫 写真・文、幻冬舎エデュケーション、2010年、
 第58回小学館児童出版文化賞、第59回産経児童出版文化賞大賞)、
『糸に染まる季節 ちしきのぽけっと13』
(大西暢夫 写真・文、岩崎書店、2010年)、
『ミツバチとともに 養蜂家角田公次
 農家になろう2』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2012年)、
『津波の夜に ~3.11の記憶~』
(大西暢夫 著、小学館、2013年)、
『ここで土になる』
(大西暢夫 著、アリス館、2015年)、
『シイタケとともに きのこ農家中本清治 
 農家になろう8』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2015年)、
『お蚕さんから糸と綿と』
(大西暢夫 著、アリス館、2020年)他がある。

「2020年 『ホハレ峠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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