ナニュークたちの星座

著者 :
  • アリス館
3.94
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本棚登録 : 215
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752008521

感想・レビュー・書評

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  • 文章とイラストとマンガが混在していて、それぞれの表現方法のいいところをうまく活かした作品だった。
    子供にしか見つけられない鉱石を採掘するクローン人間が友達を探すために街へ出るという童話のようなかわいい話で、突飛な展開があるわけではないが、それらの表現方法のおかげで頭に残る。
    著者はBLモノをよく書いているようで、本作でも多少BL色が出ているが、普段なじみのない私にも受け入れられるようなかわいい感じだった。

  • 不思議だけどとても暖かい本だった。「パン」を「麵麭」と書いているのに、「卒業後」は「卒業ご」など簡単な漢字をひらがなで表現しているのが、より不思議で優しい雰囲気に感じた。ナニューク達はみんな同じようで、少しずつ違っている。あれから22号と23号は自由気ままな人生を過ごしたんだろうなと思う。96ページしかない本なのに、宝物のような素敵な世界が詰め込まれていた。

  • すこし切ない雰囲気は漂っているんだけど、決して絶望的ではない。不自由に思える設定なのに人間よりずっと自由に見えるナニュークがすこし悲しいようで、でもしっかりと生きていて、よかった。全ページ色合いや絵がふんわりキラキラして綺麗。装丁で手に取りました。

  • 人間を一括りにしたら皆んな同じだけど、外側と内側全てが同じじゃない。きちんと個性があって自分を持っている。社会や世の中で生きる中で息が詰まる事があるけど、私たちはその中に囚われてるのではなく、自由な身なんだよ。と教えてくれた気がする。自分の人生は自分のもの。ふと夜空を見上げたくなる、そんな作品。

  • カシワイ先生の挿絵による相乗効果か、とっても近現代的SFティック。
    爽やかだけどあまやかなチューイングガムみたいな、ジェンダーレスで壮大で個人的な愛のおはなし。
    詩的なんだけど、ちゃんと読み物としても楽しめました。

  • ナニュークたちはみんな隠児石を採掘するために作られたクローン。
    精密機械の部品に使われたり、薬に用いられたり、照明にも欠かせない隠児石。でも、この隠児石は限られた子どもにしか見つけることができないために、ある少年を原型にして、隠児石採掘用のクローンが作られた。そのクローンをナニュークと呼んでいる。

    私はナニューク37925号。午後の学習が終わると、他のナニュークたちと鉱山に向かう。隠児石を採掘するためだ。闇の中にじわっと浮かびあがる青い光を見つけて掘り出していく。この光を見つける力は、14、5歳になると失われてしまう。
    そして、ある朝、ここで私のできることはもうない、終わったという気持ちが止められなくなった。
    もう身のふりかたは決まっている。
    ここを卒業をしたら、23号を見つけに行こう。

    クローンが主人公という設定だが、そこに悲壮感は感じなかった。むしろ人間より人間らしい感じ。21号、24号、25号…同じ少年を原型にしたクローンではあるが、子供っぽかったり皮肉屋だったり甘ったれだったり…。
    そして何より主人公25号はとても魅力的だった。
    卒業したあと、紅茶街へ行き、初めての部屋で一人ですごす25号。
    お湯を沸かして、自分のために一杯のお茶を入れる。

    「私はお茶を飲み、目をとじて、耳にとびこんでくる街の音や舌の上を流れる味、床板のかたさ、皮膚に感じる空気の温度や湿度、カップをもつ手に伝わる熱などを味わった。ほんのけさまでいたばしょとは、いまはぜんぜんちがうところにいるのだと感じていた。」

    このシーンは好きなところ。 
    一人になってみて、感じている、自由や孤独みたいなものが伝わってくる。

    23号が見る世界は、風が吹き、夜空には星がまたたき、あたたかく日がさして、冷たい水に満ちている。地球のようだけれど、地球より美しくて、いいなと思った。

    カシワイさんの描く絵がより世界観を作り出している。
    気持ちが和らぐ、ステキなお話。



     

  • ★ペンネーム:サムさんからのおすすめコメント★
    隠児石(かくれごいし)を採掘するために作られたクローン・ナニューク。
    採掘場を卒業した主人公、37922号は街へと旅立つ。
    行方不明となった37923号を探すために―
    かわいいイラストと共に描かれる新感覚SF!
    武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000153052

  • クローンのおはなし。ファンタジックですこしせつない。装丁がきれい。

  • 全ページ凝った作りでおもしろい。
    特別な役割のために作られた持つクローンたちは、
    人間とは違う自覚があって。
    それぞれに個性があって。それぞれに人生がある。
    ジェンダーレス?プラトニックな関係性が心地よい。

  • 短時間で一気に読めます。
    短い物語の割に、設定、世界観、ストーリー、きちんと描かれていて読後感もスッキリ。

    本の虫の娘から「可愛い本だよ、読んでみたら?」と勧められて。

    表紙も挿絵も素敵です。
    22のたまごクリームが気になります。おいしそ。

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著者プロフィール

雪舟えま(ゆきふね・えま)
1974年札幌市生まれ。作家、歌人。著書に歌集『たんぽるぽる』『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』、小説『タラチネ・ドリーム・マイン』『プラトニック・プラネッツ』『恋シタイヨウ系』『パラダイスィー8』ほか。2017年より男性カップル「緑と楯」シリーズの執筆をメインの活動としている。

「2018年 『BL古典セレクション① 竹取物語 伊勢物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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