無垢の時代

  • 荒地出版社 (1995年10月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784752100911

作品紹介・あらすじ

19世紀末の旧社会の価値の崩壊を描く、アメリカ文学を代表する名作。ピューリッツァ賞受賞作品。

みんなの感想まとめ

19世紀末のアメリカ社会における価値観の崩壊を描いた物語は、主人公ニューランド・アーチャーの内面的葛藤と周囲との微妙な関係性を通じて、当時の社交界の複雑さを浮き彫りにしています。婚約者との結婚を控えた...

感想・レビュー・書評

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  • せっかくのウォートンブーム、って言って
    こちらの本を手に取ったのに、
    「小公子」やら「おだまり、ローズ」やらに
    妨げられてなかなか捗らなかったなー。

    とは言え、全ての采配はわたくし。
    ようは、つまり、ま、そういうことだ!

    主人公ニューランド・アーチャーは
    婚約者との結婚を間近に控えたある夜、
    婚約者の従姉妹と再会する…。

    って、大体の人物が「こう言う人」って
    説明はたくさんあるんだけど、
    「へー」とは思いながら
    感情移入できる人がいないまま、読了だ!

    なんか、全体として、
    鼻にかけたり、蔑んだり、
    気を使ったり、わざと使わなかったり、
    グズグズして、モヤモヤして、

    「あーもう、面倒くさい!、
    そんな社交界なんてやめてしまえ!」と
    超傍観者の私は思いました。

    でもこの頃のこの世界に属する人たちにしてみれば
    「あるある!」って嬉しいのかなー。

    ただ、誰かからの愛情が、
    状況がかわったとたん、疎ましく変わる、
    と言う描写はすごくリアルで心に響いた。

    主人公の婚約者メイちゃんのような、
    健康的で明るく無邪気なタイプの美人さんって、
    (実際はそれだけではなく、
    無邪気とは言えない部分も色々あったけれど)
    赤毛のアンで言う「精神的」な魅力をもった人と
    くらべられると、急につまらなく、
    なんだか面倒くさい存在になりはてますね。

  • ニューヨークの社交界を舞台にした作品。
    題にあるイノセンスは「作られた無垢」を指すと言われているそう。

    登場人物がたくさん出てくるうえに、同じ人でも、~夫人と呼ばれたり、ファーストネームで呼ばれたりと違う呼ばれ方をするので、物語を知っていてもはじめはちょっと混乱するかもだけれど、そこは少しの辛抱。
    家系図を書いていると、どこかしらでみんな繋がっていることが分かってくる。

    金髪のメイと褐色の髪をもつエレン。
    どちらも憎めない女性。

    メイが妊娠を告げるときには女って怖いな…と思う。

  • 本書と同様に在りし日のNYにおけるほぼ貴族階級と言える人々を描くドラマ『ギルデッド・エイジ』を視聴していたため、振る舞いやものの考え方についてはそれなりに理解した状態で読むことができ、情景もありありと想像できたのが良かった。
    評判(それを保つためには暗黙のルールを守ることが何よりも重んじられる)が命ともいえる世代の人たちにより、すべてが沈黙裏に行われる「醜聞」の処理が見事に描かれており、読み応えがある。一瞬の目配せ、顔の伏せ方、ちょっとした言い回しの違い、そうしたものから人々は敏感に込められた暗号を解き明かし、何一つ明確な言葉は交わされぬまま、粛々と舞台を整え、一族の名を守っていく。このような社会のあり方によって主人公のニュートンと妻のメイはそれぞれがある種自分自身の人生を奪われているが、その見方は人によって分かれるかもしれない。
    そしてメイについて語りたい。ニュートンは彼女の生来の知性を認めつつ、社会の保守的な価値観という枷によって能力が失われた、物足りない話し相手として評価している。しかし私はそう思わない。彼女の鋭い観察眼は人生を通じて発揮され、内面の精神性は豊かであり続けたはずだと思う。ただ彼女は躾によりそれを吐露することが難しかっただけだ。とはいえ随所でその思慮深さは示されているのに(彼女のささやかな行動の一つ一つと「沈黙」の適切さと来たら)、それがわからないニュートンにイライラもさせられたが、結末で彼が取った行動に、私は彼なりの誇りを見出し、好ましく感じた。

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著者プロフィール

(Edith Wharton)1862~1937。ニューヨークの富豪の家に生まれる。1905年、ニューヨークの上流社会を批判的に描いた『歓楽の家』がベストセラーとなる。21年『無垢の時代』でピュリッツァー賞受賞。本作はマーティン・スコセッシ監督で93年に『エイジ・オブ・イノセンス』として映画化された。他の作品に『イーサン・フロム』、『夏』など。

「2025年 『幽霊 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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