レイシズム・スタディーズ序説

  • 以文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753103041

作品紹介・あらすじ

人種主義(レイシズム)が立ち現われる現場は、ある社会的な関係が人体の特徴などを通して反照し、私と他者の自己画定(アイデンティティ)を同時に限定するときである。この投射されたアイデンティティ・ポリティックスは現代のあらゆる社会関係に随伴する。本書は、この視点から、近代化とグローバル化で不透明化された現代を読み解く壮大な試みである。

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  • 『レイシズム・スタディーズ序説』

    【書誌情報と内容紹介】
    著者:鵜飼 哲、酒井 直樹、テッサ・モーリス=スズキ、李 孝徳
    版型:四六判 上製カバー装 320頁
    定価:本体2,800円+税
    ISBN 978-4-7531-0304-1 C0010

       レイシズムが立ち現れる現場
    人種主義(レイシズム)が立ち現れる現場は、ある社会的な関係が人体の特徴などを通して反照し、私と他者の自己画定(アイデンティティ)を同時に限定するときである。この投射されたアイデンティティ・ポリティックスは現代のあらゆる社会関係に随伴する。本書は、この視点から、近代化とグローバル化で不透明化された現代を読み解く壮大な試みである。
    http://www.ibunsha.co.jp/0304-1.html

    【簡易目次】
    レイシズム・スタディーズへの視座 [酒井直樹]
    移民を拒否するアイデンティティ・ポリティックス
    科学的人種主義から文化主義的人種主義へ
    近代国際世界の成立と「西洋」
    東アジア国際世界における主権国家と国体
    「一視同仁」:全体化と個人化の総合
    平等と人種主義
    人種主義と植民地主義
    人種主義と知識
    帝国の喪失以降の日本の状況
    西洋と文明論的転移(トランスフェランス)
    人種主義には実定的な外部は存在しない

    グローバル化されるレイシズム [テッサ・モーリス=スズキ]
    レイシズムの定義
    グローバル化の背景
    典型的なフレーズ
    オランダ極右のメディア利用
    オーストラリアの人種差別的暴動とラジオ
    在特会の映像詐術
    レイシズムへの対抗策

    移民/先住民の世界史――イギリス、オーストラリアを中心に [テッサ・モーリス=スズキ(聞き手:李孝徳)] 
    イギリスからオランダ、ソ連、日本、韓国、オーストラリアへ
    イギリスの移民問題
    労働運動における人種問題の不可視化
    イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、オーストラリアの白豪主義と移民問題
    アポリジニとオーストラリア社会
    アイヌと日本
    多文化主義、教育とメディア
    差別と政治
    ヨーロッパの普遍主義と人種差別

    共和主義とレイシズム――フランスと中東問題を中心に [鵜飼哲(聞き手:李孝徳)] 
    アラブ・ナショナリズムから「イスラム原理主義」へ
    フランスの異邦人
    アフリカとイスラム
    移民と郊外
    「ブールの行進」とSOSラシスム
    ユダヤ系知識人の変貌
    ルナンの国民概念の陥穽
    「人間」主義とレイシズム
    人間性の尊重・平等・同化
    イスラムと近代
    西洋にとってのユダヤ・イスラムと、日本にとっての朝鮮、中国
    日本のレイシズムと学術人類館

    近代化とレイシズム――イギリス、合衆国を中心に [酒井直樹(聞き手:李孝徳)]
    人種差別の現場に立ち会う
    差別の不可視化
    マルクス主義と人種問題
    移民法と対日戦争
    地域研究のまなざしの構造
    地域研究と比較文学の新しい流れ
    被害者を加害者に追い込む暴力
    ルサンチマンによる政治の再構成
    反面教師としての日本
    田辺元の人種主義批判と帝国的国民主義

    新しいレイシズムと日本 [鵜飼哲 X 酒井直樹 X テッサ・モーリス=スズキ X 李孝徳] 
    レイシズム分析の射程
    日本のポストコロニアル
    血統主義と生地主義
    血統主義と生物的レイシズム
    戦前日本の人種主義体制
    国民の資格
    日本の移民政策の現状
    国民意識と人種主義
    戦後世界の移民政策
    国籍と戸籍、日英比較
    帝国の喪失と忘却
    レイシズムの多様性
    多文化主義の難しさ
    「市民運動」としての在特会
    被害者意識と差別
    中国へのルサンチマン
    「歴史による権利」「労働による権利」
    反レイシズムと法律
    国民国家論以後の学問状況
    辺境から眺める

    レイシズムの構築 [エティエンヌ・バリバール (佐藤嘉幸 訳)]

    用語解説

  • 反ユダヤ主義と反イスラム主義は明らかに通底している。反ユダヤ主義と闘うと自称する知識人たちが、いまや声高に反イスラムを叫んでいる。

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著者プロフィール

鵜飼 哲(うかい・さとし):1955年、東京都生まれ。京都大学大学院文学研究科修了後、パリ第8大学に留学し社会科学高等研究院のジャック・デリダのセミネールに通う。一橋大学名誉教授。著書に『いくつもの砂漠、いくつもの夜』ほか。デリダ、ジュネなどの翻訳も多く手掛ける。

「2023年 『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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