「心の力」の鍛え方―精神科医が武道から学んだ人生のコツ

著者 :
  • 岩崎学術出版社
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本棚登録 : 31
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753311651

作品紹介・あらすじ

本書は、月刊「武道」に、二〇一八年一月から二〇一九年十二月にかけて二年間、「人生に生かす武道力」と題して連載した原稿に加筆訂正したものです。月刊「武道」に連載することになったのは、日本経済新聞に毎週連載しているコラムに書いた大学時代の体育会空手部仲間との経験が編集担当の方の目にとまったからです。まず、「武道の可能性」と題して、私が専門にする精神医学やストレス学の立場から武道を人生に生かすコツについて書いたところ、それをきっかけに連載の提案をいただきました。私が空手を始めたのは高校生のときです。肉体的にも精神的にも自信がなく精神的に不安定だった私は、ある日、思い立って町道場に通い始めました。その後、慶應義塾大学医学部時代には、幸いなことに、空手術を空手道にまで高めた船越義珍先生の高弟、小幡功師範の指導を受けることができました。だからといって、私が武道家として空手の道をいくらかでも究めることができたかというと、じつに心もとないかぎりです。そのため、連載の話をいただいたときに、引き受けるかどうか結構迷いました。しかし、私のこれまでの人生を考えると、空手に接したことが私のその後の生き方に大きく影響したことはたしかです。個人的にはもちろんのこと、精神科医としてもずいぶん助けられました。その私の体験を伝えることが役に立つのであればと考えて、最終的に連載の執筆を引き受けることにしました。人間力で最も大事なもののひとつが、人とつながる力だと私は考えています。私たち人間は一人では生きていけません。一人でいると孤独感が強まり、心の力が弱くなってきます。逆に、お互いに助け合うことができれば、最大限に自分の力を発揮できるようになる。武道の稽古は、それぞれが極限まで自分を追いつめていくだけに、そうした行動を一緒にした仲間とのつながりは強くなります。その体験が、その後の人間関係の基礎になるのです。そのことを、私は空手を実践する中で体験的に理解をすることができました。(中略)このように考えると、時代を問わず武道が大切にされてきた理由が見えてきます。武道には、私たちが生きていく中で大切な人間的手がかりが限りなく含まれています。私たちの社会は、短期的な目標に向けての競争がますます激しくなっています。その中で自分を見失うことなく、他の人にも気配りができる人間力が、今まで以上に重要になってきています。その人間力を武道の心から学ぶことができます。武道の可能性は、私たち一人一人の心が持っている可能性でもあり、武道の実践を通してそれをしっかりと自分のものにしていくことができるのです。

感想・レビュー・書評

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  • 型の重要性と身に染みこますこと 型に因われないこと 残心 「間を生かすということ」色々と参考になる部分が多かった。 

  • 雅子皇后の主治医である著者が、これだけ挫折を経験した方だったことを知るだけでも読む価値がある。武道からの引用は疑問な点も多いが、元々月刊武道への連載であったことを差し引く必要はありそう。著者の武道や精神科医、研究者としてのさまざまな経験から導かれた人生への対処法が平明に記されている好著。

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著者プロフィール

精神科医。認知行動療法研修開発センター理事長。 1950年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。
コーネル大学医学部、ペンシルバニア大学医学部留学などを経て、慶應義塾大学教授、国立精神・
神経医療研究センター認知行動療法センター所長を歴任。日本認知療法学会理事長。日本ストレス学会副理事長。
うつ病などの治療法である認知行動療法の権威。2015年より認知行動療研修開発センター理事長を務め、
こころの健康支援のスキル向上を目指して認知行動療法を企業などの研修に活かす取り組みを進めている。

「2021年 『アイスクリームが教えてくれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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