- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784753399062
作品紹介・あらすじ
本書は、著者の臨床実践と指導経験を基にしながらも、極力だれにでも通用する心理療法の基本を提示しようと試みた。初めてのクライエントに出会う前に、一通り頭に入れておいてほしいことを書いた。
感想・レビュー・書評
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再読。以前読んだときには、馬場先生がセラピーで言ってらっしゃる言葉を吸収しようと必死だったことを思い出した。
今回はいろんなクライエントの顔を浮かべながら読んでいる自分がいて、いろんな連想に繋がった。通読というよりも、またふと思い出したときに、その章ごとに返ってきたいなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分析状況のセッティングに始まり、治療のプロセスから困った時の対処法まで、丁寧に解説されている本。初学者にはもちろん、中堅になっても学びになる一冊。
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どの学派をオリエンテーションにするかに関わらず、共通している大切なことが多く書かれていると思いました。まだ経験が浅く、これから心理の世界に入っていくぞという私にとっては、こういう理由でこういうことが大切になってくるのだな、こういうことが起こってくるかもな、など前意識に入れておくにはいい内容ばかりでした。
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良書。
おそらく、これから何度も読み返すだろう書籍。
2013.5.6 -
僕の本棚は副題に「自我心理学を保守とすれば、相当リベラルなラインナップになっています」と銘打っています。そう言う意味では本書は保守。しかしながら、非常に健全な保守として紹介したい。
間主観理論が禁欲原則や中立性について批判しているので、では精神分析の側の主張はどうかと言う意味で読んでもらいたい。
「相手のコンテクスト(どうしてこうなったのかと言う脈絡)を理解して共感している」と言うストロロウの主張は所詮「カウンセラーの思い込みを押し付ける誘導尋問に過ぎないのではないか」と疑われてくるだろう。
「健全な保守」と呼ぶのは近頃は精神分析医も結構「誘導尋問」を使っているからである。著者の治療姿勢は注意深くその可能性を排除している。カーンバーグやマーラーなどの米国自我心理学と歩を一にしているように感じる。 -
精神分析的心理療法を実践したことがないと、かえって分かりにくのではないかな。
各所で語られていることがつながっていることがなんとなくは分かるけれど
そのつながりが明確にならず、散漫な感じがする。
精神分析的心理療法では、その目的を不健康な防衛を正して、本当の自分を
肯定できるようにすることにあると筆者は述べる。
そして、心理療法の中の枠というのは、守ることよりもそれをクライエントが
どのように使うのかを見ることが大切なのだと言う。
ただこれは、境界例には当てはまらないのかなと感じた。
治療構造をしっかり守ることこそが、彼らにとっての治療になるのだから。
面白かったのは、子どものプレイセラピーを引き受けるなら、親面接では
親をクライエントにせず、親役割をとらせ続けることが大切だということだった。 -
精神分析的心理療法、と銘打っているが書かれていることはたぶん多くのことに共通することなので、普遍的な心理療法案内書、という印象を受けた。
講義をテープ起こししたものなので口語調でとてもわかりやすい。心理療法がうまくいくかどうかの境目は、クライエントからの抵抗や反発が起こった時にどう返すかである、と。
実際に面接で使えそうな言葉まわしなども多くて、「使える一冊」だなぁと感じた -
馬場先生の基礎の本。HOW TO本のように書かれているので非常にわかりやすいと思います。医療現場でこの本の通りの心理療法をやろうと思うとなかなか厳しいとは思いますが、院生の方なんかは忠実にやってみると良いのではないでしょうか。
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まさに手取り足取り。講義をテープから起こしたもので、とても分かりやすい。この本だけ読むと全然怖くないんだけどな、馬場先生・・。