インターネット近未来講座

著者 :
  • アスキー
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756106032

感想・レビュー・書評

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  • インターネットが、どこにすすもうとしているのか?
    実際渦中にいる人たちもよくわかっていない。
    そんな「感じ」を受けた。

    村井純、坂本龍一、成毛真、佐伯達之という人たちを、
    まな板に載せて討論する。

    これまで、村井純についてのイメージを持っていて、
    写真を見て少し違った。
    なにか、ぼさっとしたイメージである。
    俊敏な感じではない。

    坂本龍一が、意外と、
    コンピュタジェネレーションしているのにおどろいた。
    音楽は、数字で表すことができるということでしょうか。
    音色にこだわったのは、面白い。
    音が合成されたものを、著作権が絡んでいく。

    有料と無料が、つながっていく時代がある。
    有料と無料が、シームレスになってきている。
    その中で、どうやってもうけていくのかが、重要である。

    インターネットを常時つないでいると、
    新聞を読まなくなるとは、まさに恐ろしい時代である。
    ニュースが、デジタルで流れてくる。
    それをキャッチして、自分なりのニュース編集を
    していくということになれば、時代を深くつかむことが可能になる。

    はじめに、
    今おこっているインターネットの変化を
    いかにつかんでいくのかということが、
    実に大きな問題となってきている。
    インターネットは、
    「マジック」とも「物品引きよせの術」という。
    社会機構や情報環境はインターネットによって、
    どのように変化するのか?

    「人間の暮らしを土台にインターネットは構築される。」村井純

    人が新しい環境の要素を取り入れるというのは、
    とても時間がかかることなんですよ。
    技術はすぐにできても、その技術に対応するために、
    人間は自分の持っている固有のカルチャーを
    かえなければならないし、
    生き方すらもかえなくてはならないかもしれない。
    時間がかかるんです。

    インターネットの仕組みは、人間的なコミュニケーションの一形態。
    「人間の情報がどういうレベルまで数字として表現できるのか?」

    難しいことをわかりやすく話すというのは
    すごく大切なことだし、
    相手がどのくらいの力を持っているか、
    何を知っているか、
    そういう相手に対して自分が信じている事柄を
    的確に伝えるためにどうすればよいのか?
    ということを考えざるを得ない。

    インターネットは、なにかを必要な人に対して、
    広範囲の人の中からそのなにかを持っている人を
    見つけだして、出会いの機会を与えてあげることができる。
    つまり、いいものがあって、
    それをほしい人がどこかにいればビジネスは成り立つ。

    坂本龍一「インターネットは、未来社会の実験場である。」
    紙でみたいもの、紙でもっていたもの、もので所持していたいもの
    本の買い方もかわる。

    「インターネットは、(知識の面からいえば、
    百科事典、しかし、ビジネスの面からは、)フリーマーケットである。」

    国と国の境がなくなるのと、企業と個人の境、
    アマとプロの境がなくなる。
    「中国語社会や英語社会と共存していく方法、
    生き抜く方策を自力で見いだしていかないといけない。・・
    障壁に守られていることによって
    自分たちはどんどん弱体化しているんだということを
    理解しなくてはなりません。
    障壁に守られていたらますます産業力がなくなってしまう。」

    「コロンブスの時代は、彼のような妄想的な人間が
    いたために大陸が発見されて、
    世界観が変わりました。
    あれは帆船のテクノロジーがもたらした発見ともいえるわけで、
    世界観は技術でずいぶん変わっていくんですね。」

    成毛真 マイクロソフト社長
    インターネット上に散らばっている
    膨大なデ-タ群は、すべて貯蔵庫(リポジトリー)でしかない。
    (百科事典という意味)

    コンピュータの売り上げのうち、
    企業部門は、すべて設備投資とみなされる。
    半導体の製造装置、コンピュータの製造装置、
    ソフトウエアー その額が、8兆円になった。

    日本で一番大きい設備投資産業は電力です。
    その設備投資がスパイラル効果を生むが故に、
    国の成長率が上がっていく。

    国が生き残るためには、情報通信関係の設備投資はしなくてはならない。

    われわれはビジネスモデルを持っていた。
    どうやったらビジネスになるかがわかっていたんです。
    正直なところ、われわれもどこで儲かるのか、
    もうけられるんかわっていないかもしれない。
    では、何をしているんだといわれても、答えられない。
    はっきりしていることはただ一つ、もうソフトウエアは、
    箱詰めしてパッケージングで売るものではなくなっている
    ということだけです。

    javaに関して
    「言語ビジネスをやったことがないから、
    言語が持つ意味合いをあまり知らないのかもしれない。」

    クレディットカードに使用上限があるのは、
    使用者を信用していないだけではないんです。
    盗まれて使われた時に30万円しか使わせないため。
    その確率が、何%だから保険料率がいくら、
    使用上限がいくらという仕組みになっている。

    IBM 佐伯達之
    人間の肉声の認識率は、英語に関して90%以上行っている。
    英語であれ、日本語であれ、ヒンズー語であれ、
    個人の声紋を識別できる。
    こうしたことはハイパフォーマンスのパソコンには、
    得意中の得意な技である。
    人間の声紋というのは、7才ぐらいからさきは
    変化しないんだそうですね。

    日本人の手の大きさを考えた場合、
    キーボードの面積がフルボードの約80%をきると
    とたんに操作性が悪くなり、タイプスピードが落ちます。
    手の大きい欧米人の場合ですと、約88%をきると
    スピードが遅くなり、エラー率が高まります。

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著者プロフィール

慶應義塾大学環境情報学部長、同教授。
工学博士。1984年国内のインターネットの祖となった日本の大学間ネットワーク「JUNET」を設立。1988年インターネットに関する研究プロジェクト「WIDEプロジェクト」を設立し、今日までその代表として指導にあたる。内閣官房情報セキュリティセンター 情報セキュリティ政策会議委員、社団法人情報処理学会フェロー、日本学術会議第20期会員、現在は連携会員。2000年~2009年7月まで内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)有識者本部員。その他、各省庁委員会の主査や委員などを多数務め、国際学会などでも活動する。著書に『インターネット』(岩波書店、1995年)、『インターネット新世代』(岩波書店、2010年)など多数。

「2016年 『価値創造の健康情報プラットフォーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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