- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756148919
感想・レビュー・書評
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著者の人並みならぬものの考え方がわかる。
口で言うのは簡単だけど、実際にやるのは難しいでしょ、それ。
と、突っ込みたくなる部分もあるが、著者自信が現に動いている真っ最中であるためか、妙に納得できてしまう。
ユビキタス・コンピューティング以外の内容も多い。 -
0706
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ボトムアップとトップダウンの挟み撃ち。特定の目標に対する手段を考えるのとはまた別に、インフラ整備して、ベストエフォートで、現状に適した解が創発する確率を高めるような戦略も重要ということ。
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クリステンセン イノベーションのジレンマ 死の谷を渡るための冒険的コストと、渡ったことで自らの立場を崩すリスクということで、大企業は株主に誠実であろうとすればするほど、深い死の谷を渡ることができない。 オープン、ユニバーサル、ベストエフォートな考え方ができてはじめてイノベーションを勝ち抜く道が開ける。
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イノベーターたる坂村健による、日本論、イノベーション論。イノベーションが「技術革新」と訳され、それが技術発展のみであるかのように振る舞い、間違いを犯してきた日本を示し、イノベーションとは本来差を生み出すことであり、技術開発結果をイノベーションに結びつけるのが「目標設定」された戦略であると論じている。
本書ではイノベーションが育む価値を示している。
1.オープン
2.ベスト・エフォート
3.ケーススタディ
この国においてはおよそ最初は否定される考え方だ。他に迷惑をかけないよう物事はできるだけ隠し、完璧に計画は実行される事が求められ、その間に本来の目的はどうでも良くなっている(もしくはそもそも明確な目的は設定されていない)のがこの国の伝統的な姿であり、イノベーションを育む価値とは対立する。
これはなにもこの国のエスタブリッシュメントだけがそう求めてきたのではなく、大衆も常にそれを求めてきたのだ。
美しい国とはイノベーションを否定し、痛みをおそれ、過去を愛おしむ老人の考え方だ。イノベーションは常に何かを破壊する。その破壊による変化を許容できなければそこに未来はないのだ。国家として安寧な未来を得たいのであれば、変化を許容する変われる国にならなくてはならない。国家を個人に変えても同じ事だ。
そしてイノベーションを論じる著者がそれを否定してきた人間の牙城のように見える東京大学に籍を置き、そうでなければ誰も話を聞こうとしないところがこの国の問題を示している。 -
先が読めない世の中に必要となるのは、イノベーションが起こりうる環境を整備してやる・・・ということ。(物理環境より、むしろ法律などの社会環境だけど・・・)。。そのために必要なのは、精密で緻密な社会より、チャレンジを許容できるベストエフォート社会。チャレンジをしやすくしようよ!!という世界だ。とにかくやってみて間違っていたら、ただせばよい。そういう考え方も必要だよね、確かに。
以下、印象に残った内容。
「ICTイノベーションというのは、常に公共の利益と個人の権利のバランスをどうとるかが、要になるのです。100%のプライバシー保護を要求していつまでも議論を進めなければ、思考停止になってどんどん遅れていきます。」(今、こういう曖昧な要求が必要な空間も増えてる気がする。)
あとは、日本はすりあわせコストが安く、アメリカは高いってこと。日本は、なんとか頼むよ、、ですんじゃう社会らしい。
「人間と同じコンピュータをつくるのだったら、人間をつくってしまった方がはるかに早い」だったら、人間にできないことをやらせるしかない。
多様性を阻害しないインフラをつくりたい。
イノベーションとは、「利益につながる何らかの差を生む行為」
「目標が設定できない時代に対応する国にする」
「公共の利益と個人の権利のバランス という議論について、日本人は本当に苦手なのです。」自分のモノは自分のモノなあげくに、街並みが汚い的な・・・。
それだけでは、意味のない情報を集める。
どういう人に、どういう情報をだすのか。
コンテンツが大事。
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熱い想いは伝わってきた、気がする。