- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756253583
作品紹介・あらすじ
住んでみたい空想の家を30点以上収録! 今までにない美術設定集!!
物語に出てくるようなユニークな家とその設定を描き、人気を博した吉田誠治の同人誌『ものがたりの家』の決定版が登場!! 既刊『ものがたりの家 I・II』に掲載された全作品に加え、新作15作品、コマ割り絵本、線画、作品解説、メイキングなど、本書初公開となる内容も収録しています。ページをめくる度に新しい物語が始まるような、見て、読んで楽しい美術設定集です。
感想・レビュー・書評
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著者の想像の家が33紹介されている。
どんな人が住んでいるのか、どんな世界で生きているのか、一つ一つの家に詳細な設定があり、大人も子どもも素敵な空想世界を存分に楽しめる。
家の材質や大きさ、間取りや家具の配置を通じて、風土や住人の暮らしぶりが伝わってきて面白い。
●何日か寝泊まりしてみたい家
・几帳面な魔女の家
・機関車乗りの姉妹
・巨岩と暮らす家
・七人のこびとの家
・炭鉱夫のエンジン小屋
一番羨ましいのは扉絵の子ども部屋かも!
●気になる家
・忘れられた孤児の城
・水車小屋のリンゴ酒
・憂鬱な灯台守
・水没した都市の少女
・寂しがりな幽霊の邸宅
美しく色をつけられ、著者による丁寧な説明が添えられた本編もうっとりするほど素敵なのだけど、圧倒的に目が離せなくなったのは巻末の線画ギャラリーの方だった。色、音、匂い、温度、空気、描かれていない細部への想像がかきたてられる。
巻末にはもう一つ、「炭鉱夫のエンジン小屋」を例にメイキングも載せられている。一つの家の絵が完成するまでの段取りがかなり詳しく説明されていて、こちらもすごく面白かった。
説明メモの一つに、「窓枠は見せ場なのでしっかり描く」とあったが、確かに窓枠が描き込まれた途端に、急にその家にしっかりとした表情が生まれたように感じた。
私はトイレや風呂や台所や貯蔵庫の具合が気になる質なので、COLUMN-2 トイレの歴史も興味深く読んだ。
台所は全体的に簡素なものが多い印象だが、中には広くてごちゃっとしてそうな台所もあって胸がときめいた。
●参考文献一覧
『絵でわかる 建物の歴史』
『江戸東京たてもの園 解説本』
『カテドラル 最も美しい大聖堂のできあがるまで』
『キャッスル 古城の秘められた歴史をさぐる』
『建築知識2018年12月号』一生使えるサイズ事典
『ジブリの立体建造物展 図録』
『世界の名建築解剖図鑑』
『施工がわかる イラスト建築生産入門』
読みたくなる本がずらり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語に出てくるようなユニークな家とその設定が描かれた素敵な本。
ページをめくるたびに、全く違う物語が設定された美しい家とその周りの景色が描かれていて、その設定が説明されている。色も綺麗。
著者:吉田誠治
背景グラフィッカー、イラストレーター。多数のゲーム背景の他
何度も何時間も眺めていたい大人の絵本。 -
素敵!一つ一つじっくり読んじゃう。
ひとつひとつの作品を、読み物を読むように世界観に入るのに時間がかかるけど、読みかえすの大変そうだけど、好き。
ああ、こうやって物語や舞台や広告って作り上げ出来あがっていくのかなって思う。
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イラストレーター・背景グラフィッカーの著者が描く、空想の家のイラスト・設定集。
絵本を眺めているみたいで想像力が刺激され、わくわくした。自分が住むならどのお家がいいかなぁと空想したり、間取り図好きな方にもおすすめ。
想像力豊かであると同時に、数々の国の様々な時代の建物やその内部について詳しくないと描けないのだから、大変な勉強家でいらっしゃるんだろうなぁという感想。
一番後ろには、イラストを描く過程が細かく説明されていて、なるほどこんな風にして出来上がるのか、と分かるのも良かった。
最後まで見て、はじめにの横にあるイラストを見ると…楽しい仕掛けがたくさん。 -
同人誌の方も持ってて迷ったけど、ハードカバーだし、同人誌にのってた家の二階とかもあるし、買ってよかったと思う
眺めても楽しい、読んでも楽しい、想像しても楽しい一冊 -
吉田誠治さんの美術設定集「ものがたりの家」。
これも感想を書くのが遅くなっちゃいました。1ページずつ、少しずつ少しずつ読んで(鑑賞して)いました。
いろいろな世界観での「家」の外観と、「内部の様子」を描いた本。
「ものがたり」が言葉で書いてあるのではないのだけど、絵の中にちょっと描かれている説明をもとに、そこに住んでいる人の人生の物語や普段の生活を想像してものがたりを作れる感じが凄くいい。
少し前に感想を書いた「プラネタリウム・ゴースト・トラベル」でも書いたけれど、私は「ベッド」と「キッチン」が描かれている部屋の絵が好きなんだな、と思う。食事をすることと、眠ることを想像できるだけで、そこに住んでいる人の生活を垣間見ることができるのが面白い。
どの家も魅力的なんだけど、いまのところ、私が一番好きな家は「几帳面な魔女の家」。こんな家で魔法の研究をしながら過ごしてみたい。 -
家とそこに住む人を見れば、物語が生まれる。そんな風にいう声が聞こえてきそうな、画集。夢とか過去とか空想とか、物語の種がつまっている。でもあくまで家と住人のことを少し、語っているだけなのだ。トイレも台所も物置もちゃんと描かれている、現実的な家を。
なのにこの、ページからあふれてきそうな物語の気配!
巨岩の上の家や機関車の住まいは面白そうだし、実際にありそうな日本家屋や庭の広い家が登場したかと思えば、こびとや竜、謎めいた図書館主が住む家なんかがふと境界を越えて現れる。
ファンタジーなどを読むとき、家をもっと具体的に想像できればおもしろそうだなぁ。 -
皆さん感想で書いている通り、ホントにワクワクが止まらないし、1ページずつ、妄想に浸りながら読むも良し、ページめくる瞬間を楽しむも良し!
更にさらに、最後には、こんな風に描けるよってページまで付いてて、本当に、最後の一滴まで、舐めまわせる1冊となっております。
こんな風に絵が描けるようになりたいわぁ。 -
どの家も素敵で、その家にまつわる物語を想像するとワクワクします。
イラストも可愛く、ずっと見ていられる本です。