グズな大脳思考デキる内臓思考―「アタマのいい人」の考え方はどうなっているの?ハラを鍛えて、やさしくカシコイ人に

著者 :
  • アスカ・エフ・プロダクツ
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756910257

感想・レビュー・書評

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  • 知識や理屈を根拠に「頭」で考えるよりも、もっと生物的本能に根差した「ハラ」で考えろ、という主張はわかるのだが、解剖学的な話や生物進化論などの導入に終始してしまっていて、肝心の実践へのヒントは10ページも記載がなく残念だった。

  • 以前、頭では理解できるが、「腹にストンと落ちてこない」と言われたことがあり、そのコメントのされ方が印象に残っています。反論はしないが、同意しないと私は受け取ったのですが、これを説明するのにピッタリなのが、この本のタイトル(大脳思考と内蔵思考)のようです。

    脊椎動物で最初にできるのが、腸(内臓)で大脳よりも先だそうです(p96)。心から相手に同意してもらうには、頭だけでなく、内臓にも働きかける必要があるようですね。

    この本では「アタマのいい人」の考え方は、ハラ=内臓が鍛えられていて、その結果、カシコイ人になっているようです。私も遅まきながら、ハラを鍛えていきたいと思いました。

    最初の章で書かれていた「失敗は様々な情動があり記憶に残るが、成功は残りにくく、感覚がその前後でずれる、成功は一般化できない要因が絡んでいる」という部分は私の経験と同じでした。

    また、イメージトレーニングは大脳皮質内だけで行っていて、あまり上手くいかない(p49)とか、イメージは右脳だけでなく左右の脳の後部が活性化される(p65)等、認識を新たにすることが多かったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・自己啓発本が多く出ているのは、自分の成功したビジネスを続けるより、それを「売り物」にした方が、付加価値が高くはるかに安定して収入が得られるという現実があるから(p5)

    ・すでにある自己啓発がなぜ一時的な対処療法に終わるのは、それらが「大脳思考」に偏っているからで、言葉や活字だけでは伝わらない「何か」に触れていないから(p7)

    ・他人の成功法則を鵜呑みにしてもダメ、なぜなら「それを読んで成功しなかった人」のことは語られていないから(p23)

    ・成功した後の人間の感覚は、成功前の感覚と「ずれる」(p25)

    ・失敗した時のほうが、悲しみや痛みなどの様々な情動を持っているので忘却に時間がかかる、問題が完全に解決すると記憶に残らない(p26)

    ・成功していることを話したがらないのは、真似される可能性があることや、コネや説明のつかない幸運など、その人でしか得られない複数の要因が重なっていて、一般化できないため(p27)

    ・成功者は、自分がもともと持っていた才能や経験を、新しいものに結びつけるのが上手い(p30)

    ・人は注意を向けていないと、どんな対象も見たと認識しない、これは大脳思考が抽象化されていることを意味する、現実を実際のあるがままに見ず、頭の中で抽象化し、一般化した概念を見ているから(p41)

    ・イメージトレーニングは上手くいかない、イメージは大脳皮質で処理されているので、何もイメージせずに脳を静かに休めることが、私たちの生命力の根源である「内蔵思考」につながる(p49)

    ・偉大な発見は、決して理論から出発していない、ほとんどが直感や「ひらめき」から、それを説明するために、論理を使っているだけ(p57)

    ・学習とは、同じことを何度も繰り返すことで、脳の配線と、一部の大脳皮質のネットワークを強化すること(p61)

    ・イメージを思い浮かべた場合、左右の脳の後部が活性化される、けして右脳全体ではない(p65)

    ・自分のやったこと、行ったことに対する相手の反応という相互作用がないと、内臓から生きていくための情報を引き出せない(p90)

    ・私たちのような高等生命体も、もとは一つの細胞、その細胞は実は腸の細胞であり、それから作られる血液細胞(p96,100)

    ・何かを捕食するには動く筋肉が必要、それを動かすには、命令を下す神経が必要で、その神経のかたまりが原始の脳である(p98)

    ・動物の基本構造は、中心が植物性の内臓で、後からそれを取り囲むように動物性の脳・神経・筋肉ができた(p101)

    ・内臓と脳を結ぶパイプが「自律神経」(p103)

    ・言葉とは大脳新皮質そのものであり、人類の進化の過程で比較的新しく獲得されたもの、あくまでも「内蔵思考」は体で感じる(体得する)もので、言葉で思考するものではない(p117)

    ・競争で得られるものは少ない、それよりもいかに自分なりのクリエイティブなことができるかに、価値が隠されている(p121)

    ・人が何かを伝えようとするときには、言葉や内容より、その人が「なぜそれを伝えたいのか」という腹づもりが、まず表情や目にあらわれる(p126)

    ・ハラに問いかけてみる、できれば、外界のさまざまな刺激が届かない場所を探す(p136)

    ・内臓のチカラ(生命力)を呼び起こすためには、色々な経験を積むこと、数々の失敗や経験を重ねることで、豊かな情報が身体と脳に蓄積される、こうして内蔵思考を育む(p151)

    ・死ぬ前に悔むのは、失敗したことではなく「やらなかった」こと(p155)

    ・内蔵思考のできるひとは、撤退することも一つの戦術として組み入れる、最初から戦術を複数持っておく(p159)

    ・運動は気力を向上させて、不安を沈静させる、この作用は運動終了から4時間持続する(p173)

    ・サキタニ式「内蔵思考」:大脳思考の停止→本来の自分像→省く作業(引き算)→小さな行動、試行錯誤→積み上げ(p180)

    2013年5月12日作成

  • フォトリーディング。その後、高速を交えて読む。
    大脳思考が頭でっかちの思考で、内蔵思考が直感や肌感覚であるとのこと。とても面白かった。そして大脳思考を停止させ、自分の内なる声に耳を澄まし、実行し、繰り返すことが内蔵思考を強化する方法であるとのこと。大脳思考は運動や自然回帰、童心に戻ることによって停止させられ、内なる声を聞ける。
    大脳思考は利益を計算するなどの欲が働くために、内蔵思考の直感を無視しがちであるとの説明には自分の事業の失敗を振り返らされた。私もネクタイのデザイン発注時に実は肌感覚でその失敗を悟ってはいた。でも欲が先立ち、ポジティブ思考などと理論建てて内蔵感覚を無視したことを思い出した。
    P135にある「何のためにそれをするのか」と言う質問によって自分の立ち位置を確認していきたいと思った。

  • ハラで考える。丹田のことを勉強したくて読んでみた。
    中々難しかったなあ。
    五感を始め、体で経験したことに勝るものはないってことかあ。
    案ずるより産むが易し?
    ちょっと違うかー

  • 聞いた事もない考え方。面白いです。

  • ジャケ買いした1冊です。自己啓発系というよりも哲学的な1冊で、小難しい話が随分書かれています。

    脳と内臓による思考展開を紹介した1冊。うーーーん、難しいわい。

  • 「感じる脳」を読んだあとだけに納得。

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著者プロフィール

崎谷博征(さきたに ひろゆき)
1968年、奈良県生まれ。奈良県立医科大学・大学院卒業。脳神経外科専門医。ガンの研究で医学博士取得。国立大阪南病院、医真会八尾病院を経て、私立病院の副院長を務める。現在は、総合医として、ガン、難病、原因不明の慢性病を対象にした治療を確立し、根本治療指導に従事している。社団法人パレオ協会代表理事、NPO法人日本ホリスティック療法協会理事。エーテルエネルギー学会会長。著書に『今だから知るべき!ワクチンの真実』(秀和システム、2021.3)、『ハチミツ自然療法の最前線』(有馬ようことの共著、秀和システム、2021.12)、『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった!』(秀和システム、2022.4)、『オメガ3神話の真実』(秀和システム、2022.10)他多数がある。

「2023年 『エーテル医学への招待 リアルサイエンスで分かった「波動」の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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