ほったらかしでも1億円の資産を生む株式・投資信託の始め方
- クロスメディア・パブリッシング (2008年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756912145
感想・レビュー・書評
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5000万円の住宅ローンを組むと、借り入れに金利にもよるが、30年間で支払う総額は1億円近くになるように、決して1億円という数字は生活からかけ離れた夢物語の数字ではない
毎月数万円の住宅ローンでも30年で返済すると1億円近く支払うことになるのなら、反対に毎月数万円を長期で投資すれば大きな資産になる
ほったらかしにしている人ほど儲かっていて、毎日の値動きや小難しい投資理論を中途半端に知っている人ほど損をしているという事実
投資というのはもっとシンプルなものであり、そのシンプルさに気づいた人が成功している
バブル崩壊からの下落ばかりに目がいってしまうが、日経平均が最初に登場した1949年の日経平均は176円、NYダウは175ドルと、ほぼ同じ水準。そこから60年たった現在、日経平均が13500円、NYダウが12000ドルと、ほぼ同じ数値になっている。
→ このように長期的にはほったらかしがいい
毎月5万円を年利8%の複利で運用した場合、34年間で1億円に到達する
トレンドとして覚えておかなければいけないのが、日本が成熟国になったということ。
成熟国になった際の投資方法は、海外に投資をしていくこと。これは日本の企業の行動を見てもわかる
個人投資家も同じ。日本株ばかりにこだわる必要は全くない
投資というのは自転車でいうと補助輪であり、メインの車輪は本業
まず原動力となるのは本業であり、それを補助するのが投資ということ
といことは、長期投資の実践と、本業の付加価値を上げることが、豊かな人生を送る一つの方法
株式投資で失敗しないための2つのルール
安定的に利益を出せる会社が割安な水準まで下がったときに買う
信頼できるオーナーが経営する会社の株を長期保有する
企業はそのオーナーの器より大きくならない
証券アナリストの予想は全く当てにならない。なぜなら、株式投資というのは未来を予測するものだから
現在起こっていることは、株にとっては関係なく、半年後、1年後、3年後にどうなるかだけ
また、証券会社や運用会社に勤めているので、会社に不利益になるような発言やレポートは出せない
株式投資におけるゼロサムゲームとは、デイトレのこと
しかし、中長期投資を実行するとそれがプラスサムになる
株価というのは、原価と期待値でできている。
原価は会社の金庫の中に入っているお金、期待値というのは将来稼ぐであろうお金。
株式を買うときは期待値に注目しがちだが、予想だから実現するかわからない。
それよりも原価=純資産(資産―負債)に注目
純利益がバランスシートの利益余剰金というところにいき、ここにお金が貯まっていくことで株価が上がる
株価が下がったときも、余剰金が伸びていれば心配ない
基本的に人間は今起こっていることが続けて起こるのではないかと思う傾向がある。だから株価が高いときに買い、安くなると売ってしまう
平均への回帰
→株式市場でも平均リターンを取ると7~10%ぐらいに収まるが、これは毎年この%ではなく、プラス30%のときもあれば、マイナス25%の都市もあり、慣らせばということ
経営者で会社は9割決まる。オーナー社長が「大欲」を持っているかどうか。いい意味で
特に新興国に投資をする場合には、とても変動幅が大きいので、実際に目で見てみるということが重要になる。
だから投資信託でプロに任せる
→だからファンドマネージャーは世界中を飛び回って旅して、実際に新興国の現場を見ている
エコノミストの話に耳を傾けると、GDP成長率や貿易収支などの数字でどの国が今後有望か説明しようとするが、経済評論家が投資で財産を築いた話を殆ど聞いたことがないことからして、短期的なマクロの数字を性格に予想したところで投資とはあまり関係がないとわかる
それよりもオススメは
投資しようとしている国は努力が報われる国か → 国民の向上心があるか、自由か
投資しようとしている国は資源より試練によって成長したか
単純に「資源が豊富」=「有望な投資先」と考えるのは危険
逆境にもっとも効率的に対処する者が成功者になると言われているが、逆境指数を伸ばすには、高い目標を与え、それに到達するまでたくさんの試練を経験させることだそう。そうして逆境指数の高い登山家が組織を変えていく。
この理論を国の成長に当てはめてみると、やはり試練の多い国の方が成長率が早い
→ 例えば戦後の日本、中国、インド
地中を掘り起こしただけでお金が入る国に、登山家がいるとは思えない。そのような国が継続的に発展するとは思えない
投資金額×利回り×時間=将来の資産
つまり、この要素をそれぞれアップさせたら資産は飛躍的に増える
例えば雪だるまを作っているとすると、投資金額は最初の芯の大きさ、利回りは転がすスピード、時間は転がす長さ。それで雪だるまの大きさがどうなるかが決まる
どのくらいの資産を築きたいかを決めること。
それで、どの要素をアップさせるか考える
投資金額をどうやって増やすか
支出を減らす
無駄な保険を見直し、投資金額を増やす
あとは収入を増やすしかない
億万長者になる秘訣「となりの億万長者」より
億万長者は、収入よりはるかに低い支出で生活する
億万長者は、お金の心配をしないで済むことの方が、世間体を取り繕うよりずっと大切だと考える
どうしてお金をふやしたいのか?を考える
何故、生命保険に入るかというと、自分が死んでしまったときに残された家族に対して保障をのこしておきたい、というのが一番の目的。なので、死亡保障は結婚後に始めて必要
何故、生命保険と運用を一緒に考えないといけないかというと、必要な保障額から、今足りない金額を、保険で補うから。必要な保障額を金融資産で作ることができたら、生命保険はやめる
本業は集中、投資は分散
分業化された社会で生きている我々が収入を増やすには、どんな仕事でもそれを極めること。中途半端にできる人が一番必要ない
あなたの仕事を変わりにできる人数が多ければ多いほど、あなたの収入は低くなる
投資金額を増やせたら…
利回りを上げる
1%をバカにしない(複利効果)
ラスト10年を耐える
複利は15年目くらいから急激に効果が出る
毎月5万円を年利8%の複利で運用した場合、34年間で1億円に到達するが、ラストの10年間で増えるお金は6000万円。最後の10年間で増える金額が1億円という将来資産の60%を占める
時間的には10年というのは34年間という投資期間の中で30%弱しか占めないが、将来資産の60%はその期間に生み出されるということ
利回りを上げるもう一つの方法が、コストを下げる → 税金と信託報酬を減らす
例えば、30キロの重りを背負って走る馬のスピードを上げるためには、お尻にムチを叩く方法と重りを軽くする方法があるのと同じ。コストを下げることによって、重りが減るので、スピードが上がる
100万円を8%で30年間運用した場合に、コストの違いでどれだけ差が出るか?
コストなし → 1億円
毎年2% → 6000万円
20、30代のビジネスパーソンが投資で成功できる唯一の方法が、天引き積み立て投資
一番重要なのが、「投資をずっと継続できるかできないか」。投資を続けることができなければ、一番手数料が安くて最も成績がいいファンドを買っていても全く意味がない
今、自分がしている投資、これから始めようとしている投資が今後も定年まで続けることができるかどうかを判別しなければいけない
天引き積み立て投資しか上手くいかない理由
支出は必ず収入ギリギリまで上がるため(パーキンソンの法則)
人はマーケットが下がると怖くて買えないため
毎日の値動きを気にしなくていいため(本業に集中できる)
投資金額と買値がわからなくなるため
資本主義下では株価は上下しながらも右肩上がりに上昇するため
積み立て投資というのは、数年もやっていると投資金額がわからなくなるので、損切りしたくなるようなブレに心理的に対応できる。だから継続できる
今すぐやらないコスト
→すぐ始める人と、とりあえずお金が溜まってからと思い何もしない人の差が数千万円にもなる
毎月5万円を年利8%で運用した場合
30年間 → 約7000万円
25年間 → 約4500万円
20年間 → 約3000万円
積み立て投資というのは、きちんと分散されたポートフォリオで積み立てるという前提はあるが、「ほったらかし」でいい。一度設定すると、資産は長期的に増えていく
長期で資産を殖やすには「複利効果」を得る必要があり、それには「時間」を見方につけなければいけない
時間というのは、今こうしている間にも砂が上から下に落ちるように減っていっている。この砂時計の上のガラスの管に多く砂があればあるほど、資産が増える金額は大きくなる
お金持ちには2種類のタイプがある
ずば抜けた個人の能力によって大金を稼ぐ人たち
株式の値上がり益によってお金持ちになった人たち
イチローがどれだけ頑張ってもウォーレン・バフェットの資産6兆円を越すことはできない。
個人の能力で大金を稼ぐのは無理でも、他人の能力(投資)に自分の資産の一部を預けることによって、資産が増えていく
市場というのは長期的に見れば正しく効率的であるが、短期的に見ると自分の考えではなく、他人の真似をしたり、流行を追いかけたりする人がいることによって、異常な価格をつけることが株式市場ではある
危機の中にいると将来に対してどうしても悲観的になってしまうが、歴史を振り返ってみると、危機のとき(悲観的なイベント)に投資をした方がいい結果が出ていることがわかる
例えば、1933年大恐慌の最中、失業率が24.9%まで跳ね上がったときに、10000ドルをS&P500に投資していれば、5年後に17000ドル、10年後には20000ドル、20年後には78000ドルになっている
第二次オイルショックが起こった1974年は、ニクソン大統領が電撃辞任をした年。その年に投資をしたら10000ドルは20年後の1994年には138000ドルまでになっている
湾岸戦争が勃発した1990年、このときに投資をしておけば、その価格は10年で5倍になっている
一度投資を始めたら情報から遠ざかる。ウォーレン・バフェットが何故都会に住んでいる人よりも運用がうまいのかというと、片田舎にいて、情報から遠ざかっているのが一つ
著者がいた外資系証券会社では不思議なことに株で儲けた人は見たことがない。これは、席に座ると目の前に情報端末があり、情報が目の前を通り過ぎるとつい追いかけ、余計な売買をしてしまうから
積み立て投資を始めたら、その残高を見るのは多くても盆と正月の2回だけで充分
毎日株価をチェックすることによって利回りが良くなったり、自分の投資している商品が値上がりしたりするのなら見る価値もあるが、そんなことは逆立ちしても起こらない。
フルマラソンを完走した人のあの充実した清々しい笑顔が象徴するように、投資においても何十年もの間、もうやめたい、利益確定して家を買いたいという邪念を何度も蹴散らし投資を続けた結果、得る果実というのは我々の想像を遥かに超えた美味かもしれない
何故、分散投資が必要かというと、毎年どこの市場がいいのか分からないから。分からないことを知っているから分散する。癌を防ぐ一番の行動が「バランスのとれた栄養をとる」のように、長期投資で成功するのも分散
企業再建でも経費削減までは誰でもできる。これを第一ステップとすると、重要なのが第2ステップのコストカットによって浮かした利益でどうやって売上を伸ばすか。
これを家計でいうと、節約して、全てを貯金するか、投資に回すかを考えるよりも、どうやって給料、強いてはスキルをアップさせるかの方が先。つまり先行投資、自己投資詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サラリーマンが働きながら、投資するには、株式と債券を組み合わせたほうがいいという話だった。
長期分散投資を勧めている。
自分で選んで買うより、ファンドに積立投資をして、運用したほうがいいというものだった。
ほったらかしたい人にはオススメである。
ただ、自分で投資先を選びたいなら、オススメしない本である。 -
重要なことをコンパクトにまとめられています
第1章では投資のさまざまな種類の説明から始まり
何を投資の基本にするべきか?
なぜ本のタイトルにある「ほったらかし」にしている人ほど儲かるのか?
悲観的なときのメンタリティー
自己投資の考え方
・・・これ?読みやすく初心者向けみたいな感じにも思えるけれど内容はレベル高いです。
資産運用本は数多いけれど万人におすすめできる良書!
著者が薦める投資信託には古臭さを感じたり
P.124での利回りの計算がザックリさせ過ぎのような感じなどと??な部分がありますがそれを差し引いても完成度の高い一冊でしょう -
投資信託のいろは。
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分散投資の本です。