ブレない経営。 (アスカビジネス)

著者 :
  • 明日香出版社
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本棚登録 : 9
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756920911

作品紹介・あらすじ

経営者は孤独です。ひとり悩み、決断し、道を開いていかなければならない立場です。くじけそうになることや、誘惑に負けそうになることも数知れません。
そうした事業家がブレずに数々の「不可能」を可能にするには、会社経営とどう向きあえばいいのか。逆風をいかに切り抜けたらいいのか。経営者に求められる資質や手腕、あるべき姿をまとめます。

感想・レビュー・書評

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  • 経営の本質とは何かを考えることができる本です。
    環境変化の激しい社会になっていますが、その中でも変わらず大切な経営の本質があります。
    ミッション(使命)、ビジョン(方向性)、バリュー(生み出す価値)を明確にし、身の丈に合った経営を心掛けることが重要です。
    これらがはっきりしていないと、変化の中に埋もれてしまう可能性が高いことを教えてくれます。
    現在、経営者となっている方、これから経営者となる可能性のある方、それに加え、これからスタートアップや創業を考えている方にとっても、学べることは多い1冊ではないでしょうか。

    【特に覚えておきたい内容の覚え書き】
    ・『ブレない経営』の本質は、事業者としてなにをやりたいのか、その方向性が明確かどうか、世の中のためになるかどうか。それさえ確固としていれば、その方向にひたすら突っ走るだけである。
    ・企業が社会的に長く存在していける絶対条件は、『どれだけ多くの付加価値を創出しているか』。付加価値の中で費用項目とされるのは、人件費や設備投資の減価償却費・研究開発費、賃借料、支払利子、租税公課の合算。儲けることだけが企業の社会的存在理由ではない。社会的にどれだけ多くの富を生み出すのか。利益だけを考え、売上が伸びない時に縮小均衡すると、その企業のビジネス全般に勢いがなくなる。
    →創業、スタートアップでまず大切なことは、ミッション(使命)、ビジョン(方向性)、バリュー(生み出す価値)を明確にすることであると言われますが、本書が伝えたいことは、まさにこれと一致すると感じました。これらがブレない経営を心掛けることが重要だと感じました。
    「下手に会社を大きくすると、組織の問題や人事など余分なことに時間とエネルギーを費やす。方向性と、それにむかってひた走る情熱を共有できる仲間たちと一緒のスモールビジネスが一番。」
    →インターネットなどの普及で情報の入手は容易になり、外部の専門家の検索・活用なども利用しやすくなったことで、組織が大きくなくてもできることは増えています。元々、企業の規模拡大は、目的ではなく、成長した事業運営を円滑に行うための手段だったはずです。これからは、規模拡大を目指すより、どれだけの資源があれば社会に生み出すバリューを最大化できるかを考え、身の丈に合った経営を目指すことが重要なのではと感じました。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】
    ・「組織中心」「儲け中心」という視点は、経営軸をブレさせる。目指すところ、誰を幸せにしたいか、誰とどうやってその理想を築くか、など未来に向けた一貫した視線こそが、「ブレない経営」の基軸になる。
    ・事業経営はすべてが応用編。その都度、真剣勝負でいかないと瞬時にはじき飛ばされる。そんな時に本当に「ブレない経営」を貫けるかどうかで、経営者の性根が試される。知識も実際に試すときは戸惑うし、書いてあることを実践しても空回りすることもある。実践から得た体験や、そこから自分なりに築き上げた方法論は強い。苦労してしっかりと中身があるから応用が効く。
    ・「ブレない経営」の本質は、事業者としてなにをやりたいのか、その方向性が明確かどうか、世の中のためになるかどうか。それさえ確固としていれば、その方向にひたすら突っ走るだけである。

    〇ブレない経営とは
    ・どれだけステキな社会を、子どもたち次の世代に残していくのかが、事業家や資本家的な投資家に授けられた使命、天からのミッション。自分の思いのまま好きにやっていくが、いつも「目線の高さ」、美意識といったものが問われる。将来の社会をつくっていく以上、結果責任を常に意識する。
    ・企業が社会的に長く存在していける絶対条件は、「どれだけ多くの付加価値を創出しているか」。付加価値の中で費用項目とされるのは、人件費や設備投資の減価償却費・研究開発費、賃借料、支払利子、租税公課の合算。儲けることだけが企業の社会的存在理由ではない。社会的にどれだけ多くの富を生み出すのか。利益だけを考え、売上が伸びない時に縮小均衡すると、その企業のビジネス全般に勢いがなくなる。
    ・皆がやっている商売を後から追いかけても、すでに競争は激しく、利幅も薄い。世の流れを先取りするのが極意。それには、将来への読みが欠かせない。難しく考えず、「こんなものがあったら便利だろうな」「こんな風になれば、人生の生活はもっと楽になるだろう」といったイメージ力を高める。
    ・経営にはスピードが求められる。多数が納得し賛同してくれる事業アイデアでは、新鮮味がなく、すぐ追い付かれる。事業家は独断専行もでき、いくらでもスピードを上げられる優位さを持つ。自分が思うままを好きに考えて、さっさと行動に移すスピード感と先進性こそが、自社のビジネスを優位に導く。

    〇ブレない経営の組織づくり
    ・雇用を創出するのは企業の社会的責任であり、付加価値の最大項目。同時に、社員が積極的かつ前向きに働いてくれるからこそ、企業のビジネスは拡大発展する。経営者が一人でがんばっても、できることは知れている。
    ・下手に会社を大きくすると、組織の問題や人事など余分なことに時間とエネルギーを費やす。方向性と、それにむかってひた走る情熱を共有できる仲間たちと一緒のスモールビジネスが一番。
    ・社員のモチベーションは会社が引き上げるものではない。社員それぞれの意思と意欲によりけりでいい。自分でどの程度の働き具合がいいかを見つけ出せばよい。誰かに強制されて嫌々やるものでもない。会社がうまく機能するのが大事。
    ・組織を守ることで自分たちの生活基盤が安定するという考え方が、経営者から平社員までに染みつくと、自分たちが会社にいる意義や社会的になにがしたいのかを考えなくなり、ダメな方向に一直線となる。

    〇ブレない経営の現場感
    ・経営者として、いつ何時でも「どうすれば、自社の将来発展につながるか」を考え続けることが求められる。次々と新しい手を打っていく。現状維持はない。お得意様だけを見ていてはいけない。
    ・消費者に飢餓意識を持たせ、足りなくなる前に買おうと気にさせるのは、きわめて高度なビジネス手法だが、中身が伴っていないと、効果は続かない。実際はそう大したことないと思われてしまう。
    ・企業を大きくしようとすると、様々なコスト要因を抱え込まざるを得ないが、売上はそう思うようには増加してくれない。一つ間違えると、あっという間に経営は行き詰まる。
    ・どの企業も分をわきまえ、やたらと大きくしない方がいい。日本の企業の大半は中小企業。中小企業が日本経済の屋台骨を支えている。発想を変え、大きくしようとしない経営を考えてみる。その会社がなかったら世の中の大きな損失となるような中小企業を目指してみる。

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著者プロフィール

さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信会長。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 79 年から 96 年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を 99 年から運営している。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 5000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。著書多数。『日経マネー』で 2000 年 9 月号から連載執筆中。

「2021年 『大暴落!その時、どう資産を守り、育てるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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