日本アニメーションの力―85年の歴史を貫く2つの軸

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  • NTT出版
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757101234

作品紹介・あらすじ

世界中から熱い評価を受け、国内でも官民両者が「売れる」コンテンツとして注目する日本のアニメ。何故これほどまでに受け入れられ、愛されるものとなったのか。歴史を通底する2つの軸によって、互いに刺激しあい加速し続けてきた日本のアニメーション。まったく新しい視点からその魅力を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 2004年刊。著者はフリーライター。


     タイトルどおり、日本アニメーションの流れを大正時代に遡り、解説していく書である。

     本書で目に付いたのは、情報の少ない大正・戦前昭和のあたり。よく調べたものだなぁと感服。

     そして、宮崎駿作品の「もののけ姫」頃からの変化。
     イメージボード先行で作品を作り上げていく従来の傾向が一層顕著になった。つまり物語の構図をがっちり固めるのではなく、「画」先行で話を作るタイプ。
     その長所は印象的なシーンを目に焼き付けさせ得る点だが、短所は何故そんな展開になる理由が判らないというもの。
     個人的には宮崎作品に関して、「カリ城」から抱いていた違和感。そして宮崎作品の世評に比してどうにもしっくりこない点はあった。
     本書の指摘は、佐藤優の宮崎作品に見えるファシスト傾向という指摘とともに、そうかっと膝を打ってしまったところであった。

     次に、あの「哀しみのペラドンナ」。虫プロ作品というのが意外であったが、この作品は、その水彩画画風が描く、女の自我境界の揺らぎが、初見時(大学生くらいの深夜映画放送枠だったかな)において驚愕させられた映画であった。本書からは、彼の作品の持つ孤高性を感じさせられたところ。

  •  読みにくい本である。現在においては、アニメは多くの人が子ども時代から身近なものとして親しんでいる。もちろんアニメのすべてに目を通しているわけではないだろうが、アニメ史を読めばその中に親しんだアニメを見いだし、そのアニメ史的位置づけを読んでみたいと誰しもが感じるのではないだろうか。
     しかし、本書はアニメの歴史を描いてはいるが、その作品の評価を読んでも風景が見えてこないように思えた。これは、アニメという目で見る文化を言葉で表現する手法が、本書においては拙劣なためなのではないか。
     また「手塚と宮崎 知られざる関係」は、アニメ史上の巨人のふたりの関係を考察したものだが、年代も価値観・表現世界も違うふたりを強引に対比するような違和感を感じた。そもそも「こうあるべき」という教科書などないのがアニメではないのだろうか。
     いまや世界的に評価され流行している日本アニメであるのだから、もう少し、読んでうなってしまうような考察書を期待したいものである。本書は残念な本であると思う。

  • 手塚治虫と宮崎駿の二大巨匠の分析を軸にした日本アニメーション文化史の概説。第二次大戦前や東映動画設立以前の戦後期におけるクリエイターの動向などは勉強になったが、それ以外はアニメファンには「常識」の内容で、初学者や一般向けの入門・啓蒙書といえる。

  • 和図書 778/Ts37
    資料ID 20101041589

  • 手塚治虫と宮崎駿、2人を中心として考える日本のアニメーション。各々のスタイルの長所・短所を分析。

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