- Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757101494
作品紹介・あらすじ
社会心理学から分析するネット・コミュニケーションの最新形。なぜブログは書かれ、読まれるのか。
感想・レビュー・書評
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図書館より。
発刊は2005年なので、情報の古いところもあるものの、本の中で触れられる、ウェブログの効用やブロガーのアンケート結果の分析なんかを読んでいると、ブログがSNSに名称を変えただけで、ネット上の自己開示に魅力の本質というものはそう変わっていないのかな、と思います。
自分はSNSはLineで必要事項を連絡しあうぐらいしかやっていなくて、ネットでの自己表現となるとこのブクログくらいしかやっていないのですが、
口下手で対人関係もあまり得意でない自分が、そうしたことを忘れて、好きなことを好きなだけ語れる場があるというのは想像以上に大きいことなんだろうな、と思います。
中で触れられる議論はあまり専門的な内容でもないので、ネット心理学の基本を知る、という点で良かったと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウェブ日記を書くことが自己理解など自分のためになると感じ、自分のことがうまく表現できていると感じる傾向にあるといえる。しかし、関係効用や被理解満足井とほとんど関連が見られない。好意的なフィード委バックはコミュニケーション思考の日記、自己表現志向の日記に同じように影響を及ぼしていた。ウェブ日記による自己表現は、読み手を想定しない閉じた自己表現ではなく、読まれることを多分に意識したコミュニケーション手段となっている。
ウェブログについて社会心理学的に研究することが持つ意義は、タンにウェブロゴが流行し、ブロガーが増えているという社会的表象を切り取り、ためつがすがめつするころこにあるわけではない。ネットというメディアの力を借りて再び私たちの手に戻ってきた、私たち自身が送りてになって行うパーソナルコミュニケーションが、どのような心理的過程に支えられて成立しており、私たち個人や社会に対してどのようなインパクトがあるのかを読み解くことにある。
ウェブログの重要なポイントは、ブログが継続して蓄積されていくこと。そのプロセスでは、書き手やその環境の変化や進化がある。そうしたプロセスをたどっていくというような横断的視点に立ったアプローチにこそ、ブログらしさが表れている。 -
図書館で借りたのだが、最後まで読み切れなかった。いつか再挑戦する。
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社会心理学から分析するネット・コミュニケーションの最新形っつったって、いつも通り10年前の本です。
第一章 インターネット時代のコミュニケーション
第二章 コミュニティに見るウェブログの歴史
第三章 ウェブログの社会心理学
第四章 ウェブログの現在と未来
終章 ウェブログ・個人・社会
このうちキモになるのは第三章と思われますが、この章30ページほどしかありません。
付箋を貼ったのは一か所。
“対人関係が形成される条件として「類似性」(類は友を呼ぶ)は強力な要因となっている。ウェブ日記は類似した他者の発見を容易にした。”
むーん。心理学というにはあまりに浅い。
コンピュータ・ネットワークから始まるインターネットの歴史についての記述に多くを割かれ、第三章でようやくウェブ上で日記を公開している人へのアンケートの分析が記されます。
私としては、そこからもう一段踏み込んだ解釈、アンケートよりも奥にある心理などを分析してほしかったところです。
そもそもウェブログという言葉。
第二章までは、ウェブ上のログを総じてウェブログとしています。
第三章ではブログも含めたウェブ日記、第四章ではブログのことが書かれていますが、やはりこれもウェブログ。
これではわかりにくいです。
当初は3人で出版するはずだったこの企画が一度頓挫した後、三浦麻子を含めた4人で出版することになったそうです。
第四章がその、実際にブロガーである三浦麻子が自身のブログも参照しながら考察した部分。
この章だけ書かれた時期が違うのではないかと思います。
だからどうも同じ言葉を使いながら統一感がないように感じるのではないかと。
思いのほかブログの普及ペースが早くて、ウェブログの分析だけでは本にならなかったんでしょうか。
どちらにしても、あまり深みのある本ではなかったのが残念です。
“ふだんは読むだけの人であっても、発言したいとか反論したいときには、書き手と同じ立場で発言ができる。そのような相互作用を内包しているのが掲示板システムなのである。”
“インターネット上にあるメッセージは、これまでの印刷メディアが用意するメッセージとは全然違っていて、著者の意図と無関係に読まれるのがふつうなのである。自分のページの一部が、読み手の文脈のなかで利用されるのである。書物のもっていた著者性ということがインターネットでは崩壊し、読み手であるわれわれが自分なりのテキストをつむぎだしているのである。”
“ウェブログは、持続性のある個人としての存在を記録する場である。同じ名前で継続してサイトに記録を積み重ねていく行為は、その人の人となりや人としての存在感を生みだす。じつはウェブログのもつ情報の信頼性の根本は、この継続性にあるといってよいだろう。” -
(今2014年です)2005年に書かれた本であることを意識して読まなければなりません。RSSもトラックバックも現在はもう廃れ気味です。SNSもかろうじてミクシィが出てくる位で、まだFacebookもTwitterも出てきません。
Movable Typeのブログツールの流行で始めた人達と「いやいや日本にもウェブ日記文化は元々あるよ」という人達の2大勢力が交錯した絶妙な時期に書かれていて、当時の状況を知るのに貴重な本だと思います。
1957年のARPAから始まる巻末の年表も、今となってはなかなか貴重な資料と思います。 -
ウェブ日記やブログを書いている人の心理的側面をとらえたものは最近多いが、比較的よくまとまっている方だと思う。 参考文献が多くあげられており、文字通り参考になる。
心理学は専門ではないので、著者の主張の真偽はよく分からないが。最近学生はこの種のテーマに結構関心を持つが、ブログについて心理学ではなく情報学としてアプローチする方法はなかなか見当たらない。 -
あなたたちはどうしてブログをしてるの?何を伝えたいの?それは自分の主張や経験談を知ってほしいの?僕もブログを書いてたけど、飽きちゃった。誰も見てくれないもの。共感してくれないもの。逆に腹立たしいことが多かった。そもそもブログの執筆量が多ければ、その分ストレスが溜るという研究があるんだよ。現実――仮想空間。その二つの区別ができない人がブログを書かない方がいいんだよ。――まあ、そういうものさ。別にブログを書いてもいいけど、その危険性を熟知しなければならない。
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ウェブ上のブログの歴史や
ウェブログの目的の分類から、人はなぜウェブログがはやるのかを分かりやすく説明している。
自分がなぜ、ブログやTwitterやfacebookをやるのかを改めて考えるよいきっかけになりました。 -
ウェブログの変遷については、大変詳細で想像するにtwitterなども、歴史の繰り返しなのだな、と思えるのだが、心理学的な調査や切り込みが弱いと感じた。
気になった記述
・インターネットは公共空間なのに、その中に私的空間が何の違和感もなくまざりあっている。
・発信主体を優先したコミュニケーション(WEB)と記事(トピック)を優先したコミュニケーション(メーリングリスト)の混在。
・自己開示の働き
*感情の表出(カタルシス)
*自己の明確化 ※この2点は相手を必要とせず、日記でよい。
*社会的妥当性の確認
*二者関係(親密度)の発展
*社会的コントロール(印象操作の一つ)
・SNSは社会強者にとってより有力。リアルな強さがネット上でも発揮される。 -
ブログを書く人々が何を考えているのか知りたったが、
どうもそういう本でもなかったらしい。
心理学とのタイトルだが、その要素は薄いと思う。
大半はウェブログの周辺や歴史、使い方など。
自分が読み取れたのは、
ブログで自己を表現できる高揚感と、
そこから発生するコミュニケーションの楽しみが、
多くの人がブログを書く理由になっているであろうという事。
2005年の本なので、今読むのも遅いのかも知れない。