働くみんなのモティベーション論 (NTT出版ライブラリーレゾナント)

著者 :
  • NTT出版
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757121539

作品紹介・あらすじ

やる気を自分で調整しよう。「持論」をもてば、いつでも「意欲」を引き出せる。モティベーション論の決定版、ついに誕生。本書で取り上げるモティベーション論には三系統があり、それらを、緊張系、希望系、持論系と呼んでいる。ワーク・モティベーションを中心に描きながら、随時、スタディ・モティベーションにもふれている。

感想・レビュー・書評

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  • But actually      だが実際には、
    unlike the snail,    蝸牛とちがって、
    we carry our homes  我々は自分のなかに家を
    within us,       持ち歩いており、
    which enables us   そのため
    to fly         飛んだり
    or to stay       動かずにいたり
    ,-
    to enjoy each.     どちらも楽しめる。
    (作曲家 ジョン・ケージ)

    概念の引用が多くて疲れた。

  • 著者が大学の先生だからか、予想していた以上にアカデミックな雰囲気な本。

    正直、これ1LTで話せるな、なんて思ったのは内緒だ。

    「自分や他人がどんな時にやる気を出して仕事ができるか」ということ自体を、自分で認識する(モチベーションの持論をもつ)ことが、セルフ・レギュレーションにつながる。自己調整重要だよね。

    っていうのが簡潔に書いた筆者の主張。

  • スポーツ選手でも企業の経営者でも、成功している人にはモティベーションを高めるための持論があるという。人は誰でも、調子のよいときと悪いときがある。悪いときにいかに自分を立て直すかが重要だ。心理学や経営学の分野の様々なモティベーション論が紹介されており、持論を組み立てる際の参考になる。よりよく生きるためのツールを一つ手に入れた気がして、嬉しい。

  • ここ5年くらい、やる気が枯れている。なんでだろうなぁ、いかんなぁと思い、偉人伝を読んだり、松岡修造の動画を観たり、いろいろ試したのだけど、やっぱりダメで。そんななか出会ったこの本は目からウロコでした。

    金井先生によると、自分のモチベーションについて、持論を持つことがたいせつだそう。過去にやる気が上がったとき、下がったときを振り返って、どんな要因が自分のやる気を左右するのかを見つける。その要因をしっていれば、「いまは落ちてるからこうしよう」というふうに、モチベーションを管理できるようになる。

    ちなみに僕のばあい、人から何か強制されている時は最悪。逆に自由な環境で、モテそうな分野で人と競争しているとき、やる気がでるらしい。さて、みなさんはいかが?

  • 専門分野ではないが、個人的に非常に興味があるさまざまなものの人間的側面について書かれたもの。
    個人の興味としては、生産性やプロジェクトマネージメントと関連がある。
    かなり分かり易く噛み砕いて解説してくれているのだが、やはり多少難解。
    「X理論・Y理論」について今までに見たものの中では一番分かり易かったかも知れない。
    十分消化するためにはもう少し努力が必要な様である。

    2回目:X理論・Y理論の記述はここにあったのか

  • (持論で やる気を自己調整するために)
    http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001718

  • 新しい本ですが、テーラー、メーヨー、レスリスバーガー、マズローなど経営学で昔から聞いてきた人たちの理論なんですね。要はモティベーションを上げるための方策はあまり変わらないのでしょう。マグレガーのX・Y理論は知っていましたが、81年にウィリアム・オオウチがこれの発展としてZ理論を主張したというのは知りませんでした。(日本だけでなく米国にも共通した優良会社の人間モデルだとのこと。)冒頭から登場するモティベーションを緊張系、希望系、持論系の3つに分類する考え方は非常に明快でした。田中ウェルヴェ京子(ロス五輪で小谷実可子のペア・銅メダリスト)のいうモティベーションの周期に全て意味があり、向上に繋がっているという考え方も共鳴できます。彼女によれば次の10段階のサイクルです。
    ①気づく ②過去を認める ③出す ④成功・確立したと勘違いする ⑤失敗する ⑥学ぶ ⑦昇る
    ⑧落ち着く ⑨つまらなくなる ⑩捨てる事にする ⇒①へ
    最後にレイモンド・チャンドラーの小説の中で探偵フィリップ・マーロウが「タフでなければ生きていけない。
    優しくなければ生きていく資格がない。」という言葉が紹介されていましたが、これもモティベーションの難しい
    人間存在の2重性を説いたものだとのこと、なるほど!

  • 緊張系・希望系・持論系の3系統に分類されるモチベーション論。「持論系」へのこだわりが独特で、変わった切り口だと思いました。それでも、なんか納得できる気もします。軽いノリのタイトルですが、内容は網羅的で時間をかけて読むべき。

  • 言葉の重要な機能のひとつとして、無意識的な行動の意識化が挙げられる。


    僕たちは、日々、必ず何らかの行動論理に沿って生きている。しかしその行動論理は、しばしば僕たち自身にも気付かれることのないまま、僕たちの背後から、僕たちの行動を支配することになる。僕たちはいちいち自分の行為の理由について反省することはない。そんなことをしていたら、毎日の生活をスムーズに営むことができないだろう。


    しかし、もしあなたがいま、人生につまずいているのなら、自分のなかで暗黙の知となっているものに目を向けなければならない。そこに言葉を与えなければならない。そうすることによって、僕たちはどういう場合に成功し、また失敗するのかといった自己の傾向を知ることができる。


    人は自分が意識化することができるものには対応することができる。したがって、自分のなかにある傾向を知ることは、自己の好ましくない傾向を、より好ましい傾向へと変化させることにつながる。これができることは、人が自律的に生きるための重要な一要素といっていいだろう。


    いま、キャリア研究で知られている金井壽宏氏の『働くみんなのモティベーション論』(NTT出版)という本を読み終えた。この本の主眼は、上に述べたような行為の意識化が、自らのモティベーションを維持・管理するための重要な能力であるという点にある。この本のなかでは、それを「自己調整」(self regulation)と呼んでいる。


    著者が本のなかでくりかえし強調していることは、自分がどういうときにうまくやることができるのかということについて、自ら説明できるための「持論」(Practical theory-in-use)を持っていることが、「自己調整」をする上での鍵だということである。


    この点について、僕は完全に同意する。自己の状態を適切に診断して、客観的に説明できることが、プロフェッショナルであることのひとつの定義である。それができる人にはつねにどっしりとした安定感がある。だから、安心して仕事を任せることができる。


    著者はそうしたプロフェッショナルの事例としてしばしばイチローを挙げているが、僕もこれまでイチロー選手の自己調整の能力には注目し、大きな尊敬を感じてきた。彼は自分がなぜヒットを打つことができたのかということについて、いつも明晰な言葉で語ることができる。たとえば「あのボールをヒットにできるという感覚を持った自分に気付いたとき、必ず打てると思った」といった具合に。そのように自己の身体の動きを対象化し、そこに言葉を与えることができればその分だけ、ヒットを打つ確率が偶然に左右されることが少なくなる。イチローが、毎年あれだけ安定した成績を残すことができるのは、彼の高度な自己対象化能力によるところが大きいのではないだろうか。


    もうひとつ、この本が指摘している重要なことがある。持論は自分だけに妥当するものでなく、多くの人に妥当するものであるべきだということだ。持論が単なるひとりよがりな「自論」であるとき、人はその自論を万人に当てはまるものだと考えてしまう。しかし、ある特定の理論でもってすべてを説明できると思い込むことは、これまで、数々のコミュニケーション不全を生み出してきた。持論は多様性に開かれた、柔軟なものでなくてはならない。


    著者はその持論の多様性と柔軟性を兼ね備えていることを、人を指導する立場にある人に必須の能力であるとしている。発達論的にいえば、これは、後期合理性段階(Achiever段階)の個人としての特質であるということができるだろう。


    この本のなかでは、したがって、そうした幅の広い持論作りの助けになるように、モティベーションに関する理論と研究の数々が紹介されていて、それなりに役に立つ(モティベーションの理論というのは言われてみれば当たり前のことばかりを指摘しているので、内容はやや退屈だが)。


    僕たちの生きている社会は、いかに組織の行動論理を一律に個人に浸透させていくかということを考える傾向にあり、各自が持論を持つことの重要性についてはあまり語られてきていないように思う。その意味では、この本の主張は非常に重要であるし、また、共感することの多いものであった。

  • 目次

    まえがき    プロローグ

    第1章 モティべーショんに持論をもつ―――セルフ・セオリー、ワールド・セオリー
    第2章 持論がもたらすパワー―――やる気を説明する三つの視点
    第3章 マクレガー・ルネサンス―――本書を導く発想の原点
    第4章 外発的もティべーションと内発的モティべーション
    第5章 達成動機とその周辺―――成し遂げる
       1 期待理論でわかること、わからないこと
       2 達成動機の高いひとたち
    第6章 親和動機ーーーひととともにいる
    第7章 目標設定ーーー目標が大切なわけ
    第8章 自己実現ーーー動機づけは可能か?
    第9章 実践家の持論

    エピローグ
    あとがき

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著者プロフィール

神戸大学大学院経営学研究科教授。経営人材研究所代表
1954年神戸市生まれ。京都大学教育学部卒。同大学院経営学研究科修了。MITのPhDと神戸大学からの博士号(経営学)を取得の後、39歳で神戸大学経営学部教授。2010~12年3月、神戸大学大学院経営学研究科長・経営学部長。

「2017年 『どうやって社員が会社を変えたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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