アニメビジネスがわかる

著者 :
  • NTT出版
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757122000

作品紹介・あらすじ

これまで明らかにされてこなかったアニメの『お金』の全貌を詳細な数字とともに解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 細かな数字が掲載されており、数字を眺めるのであれば意味はあるのだろうが、内容的には現場に居合わせようが、居合わせまいが理解出来ているようなものばかりで、特に注目すべき内容は少ない。本書は大学の後輩の論文発表の為に一読したものだが、わざわざ読むほどのものでもなかった(専門用語の理解には役立った)と感じる。当然、自身と親和性の高い分野であるからで、全くアニメ産業が理解出来ていない院生や指導者からは概ね好評であった。そういった副読本として研究者が所有すべき書籍ではないか。

    さて、私個人が本書を読んでいて最も気に入ったのは、「人材不足」の項である。人材不足は常に語られ、酷い労働環境の中で馬車馬も裸足で逃げ出すような状態であることは、アニメを知っている人間の多くが理解しているところであろう。しかし、アニメと一口に言っても、その人材不足は現場の制作サイドだけでなく、原作者にも来ている。これは、ニーズの細分化という謳い文句の駄作のアニメ化が横行している昨今、極めて顕著な人材不足ではないか。また、それに伴い駄作を面白く仕上げる監督、プロデューサーの人材も不足していることは容易に想像できる。

    クールジャパンと言ってみたところで、結局のところそれは過去の遺産でしかなく、ジャパンアズナンバーワンともてはやされた結果、勘違いした日本がここにあるように、そう遠くない未来に国産アニメの衰退すら予感させられる。日本人の客観的に物を見る目の無さは、世界でも誇れる低水準だ。誰かに評価されなければ何も消費できない国民性が定着した今、かつてのような傑作を生む土壌も、評価(消費)する土壌も無い。少子化、粗製乱造、マンガをアニメに起こし、それを実写にしなければ理解出来ない(しない)人間の存在など、問題は山積している。ジャパニメーションと言われて誇らしげにしている連中の中にも居るだろう。「アニメ・マンガはオタクの見る物」などと、手柄だけ自分の物とする日本人が。娯楽としての歴史を重ねる度に、不用な細分化とレッテルを加え続けてきたアニメの未来は暗い。

    かつて一度もアニメ不況は来た事が無いと認識しているが、「スキモノ」による実利を考えない隷属的運営の上に成立している産業は、有能な人材を確保することは難しい。「アニメは趣味」と割り切ることが出来る有能な人材が、わざわざそのような苦しい職場を目指すとは考えにくい。これはアニメ産業に限ったことではないが、「クリエイター」ではなく、偏重した「オタク」によって産業が支えられるようになると、決まって駄作が増加する。

    良好な人材を確保するには、良好な労働環境が必須だ。となると、アニメ不況は今のビジネスモデルを貫く以上、そう遠くない内にやってくる。無能な人材と、それを消費する無能な消費者の中で完結してしまう産業となれば、益々「オタクの見る物」という色合いは強まり、一層有能な人材は集まらない悪循環に陥る可能性がある。アニメの現場から様々に検討を加える為の足がかりとして手元に置いてみてはいかがだろうか。

  • 前半部分は、2005年度におけるアニメビジネスの詳細なデータを網羅している。TVアニメや劇場映画、OVA の「製作規模」「市場規模」「製作者の付加価値」「流通付加価値」など、データが公表されていないような不透明な部分(例えばTV広告の枠代)についても推定し算出している。いかんせん検証が不可能なデータが多いのだが、それは業界の旧態然とした体質によるところが大きい。著者自身も調査に限界を感じているようで「明らかな誤りがある場合はご指摘願えたら幸いである」と書いている。
    後半部分は「アニメ産業発展の秘密」として「なぜ日本のアニメは伸び続けるのか」に焦点を当て「日本アニメの成長の秘密」に迫っている。また「アニメ産業の問題点」を抽出し、どうすればその問題点を克服できるのかを考察する。最後に、アニメ産業発展への戦略的な「アニメソフトパワー論」を展開している。
    詳しくは、上記CNET Japanの記事へ。

  • 270628

  • 内容がどうとか以前に校閲が機能してない
    そのせいでただでさえ難しく感じる話がなお理解しづらくなってる
    場所によっては文意が文脈とは明らかに間違ったことを述べている部分もあった
    けど、それを抜きにしてもビジネスの話を理解するのは難しかった
    これならまだ以前読んだ図解付きの本の方が分かりやすかった

  • 「結局アニメって何で儲かっているの?」というのが気になって読んでみた。

    2005年というちょっと古めの内容ですが、アニメの経済規模を、発表されたデータに、作品の本数や作者の経験から来る係数をかけて導き出した数値で示す。また業界の推移予想や、強み弱み等を挙げて、まさに「アニメビジネスがわかる」の名にふさわしい本でありました。

    公表されているデータに、なんらかの係数をかけないと全貌が見えてこないあたりが、またこの業界の未整備さ、不明瞭さを表しているとも言えるかと思います。

  • 元マッドハウス代表取締役・増田弘道による
    「これまで明らかにされてこなかったアニメの『お金』の全貌を詳細な数字とともに解き明かす!!」本

  • アニメ産業本。前半分は数字ばっかで綿密な業界規模算出を。後半はそのデータをもとに詳細な章立てのもとで持論を展開してる…って論文かよ!と唸る一冊。包括的なぶん主張は弱いが、産業の全体感を知るためには最適な一冊。

  • この業界でお金がどういうふうに動いているのかなんとなくわかった。以上。

  • 前半は、数字がたくさん出てきて文系にはちょっとつらいのと、誤植が多いのがちょっと気になる。

    後半は、現在の国際的、日本的アニメ事情が分かって面白い。

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著者プロフィール

株式会社ビデオマーケット所属
1979年キティ・レコードへ入社し、レコード販売促進、ビデオ企画、キャラクターライセンス、アニメ製作担当などを歴任。トド・プレス(現『ソトコト』)、ブロンズ新社などを経て、株式会社マッドハウス代表取締役(2005年退社)、その後配信事業の株式会社ビデオマーケットに参加、同時に日本動画協会人材育成委員会委員長や『アニメ産業レポート』の編集長を務める。現在はビデオマーケット常勤監査役として勤務する傍ら、専修大学、法政大学などで教鞭を執り、アニメビジネスの構造を講義している。著書に『アニメビジネスがわかる』、『デジタルが変えるアニメビジネス』(ともにNTT出版)など。

「2018年 『製作委員会は悪なのか? アニメビジネス完全ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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