DX(デジタルトランスフォーメーション)経営戦略 成熟したデジタル組織をめざして
- NTT出版 (2020年10月28日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757123786
作品紹介・あらすじ
コンサルティングファーム「デロイト」と、アメリカの名門大学MITのマネジメント雑誌『MITスローンマネジメント』によるデジタル時代の組織論。1万6000人への4年間の調査、ウォルマート、グーグルなどの企業マネージャインタビュー等、豊富な実例から、DX化成功への道を説く。
感想・レビュー・書評
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経営戦略でも特にDXが成熟した組織の文化のあり方や、DXやデジタルに取り組みたい人にとって魅力ある企業にするためのポイントが書かれていて参考になった。文化のあり方はわかるが、その文化をどのように創るのか、一番知りたいところであるが、それほど詳しく書かれておらず、腹落ち感は不足。
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「デジタルディスラプション」
テクノロジーがもたらすディスラプション(破壊)により、企業や業界の存続が困難になる。新たに現れた、未知の競争環境に対応するための知見を示す書籍。
1万6000人以上を対象に行ったデジタルディスラプションに関する調査では、回答者の87%が、デジタルディスラプションが起きていることを認識していた。
一方、自分の企業が有効な対策を整えていると回答した人は44%しかいなかった。
デジタルディスラプションによって「組織が直面する脅威」について尋ねると、「自己満足」「柔軟性のない文化」など組織に関する問題を挙げる人が多かった。
すなわち、デジタルディスラプションの最大の脅威は、組織内部にあるといえる。
デジタル戦略の構築
成功を収めた構想は、ビジネスの新たな可能性を生み出すことが多いので、デジタル戦略の構築は、次の3つのプロセスを経る。
①異なる見方をする
現在の環境で可能な行動をマネジャーが明らかにする。マネジャーは技術と環境を精査し、組織に最大の好影響を与える行動を1つ決定する。その行動は、プロセスの次のステップを推進する戦略目標となる。
②異なる考え方をする
前段階で、1つの戦略目標が現れた場合は、この目標に向かって努力すれば新たな可能性が見込めるかどうか、リーダーが検討する。
戦略目標が確認できなかった場合は、リーダーはその理由をつきとめ、その理由がデジタル戦略構築のその他の取り組みにどのように影響するか見きわめる。
③異なる行動をとる
戦略目標に向かって有意義な進展を遂げられるように、組織は6~8週間の構想を計画する。
リーダーは、最終段階で深めた新知識に照らして組織のチャンスを再評価する
企業は、デジタル戦略のタイムフレームとして1~3年の短期目標に加えて、10~20年のタイムフレームも用いるべき。
長期的ビジョンをもてば、未来の環境に備えて、着手すべき最も生産的な方法を見つけやすくなる。
デジタルに成熟している組織には、次のような特徴がある。
・リーダーシップは階層的ではなく、分散型の傾向がある。
・コラボレーションと部門の枠を超えた協力が盛んである。
・実験と学習を奨励する。
・リスク許容度が高く、大胆で探索的傾向がある。
・アジャイルで迅速な行動が見られる。
ソフトウェア開発のアプローチの1 つに「アジャイル」がある。
テストと学習という反復アプローチをとる手法で、組織のデジタルトランスフォーメーションにも有効。
デジタル時代は新たな課題に直面することが当たり前であり、失敗は避けられない。従って、失敗にどう対処するかが企業の生死を決する。アイデアを速く試し、そこから学び、結果から得られた知見を迅速に評価することが重要になる。 -
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