街場の現代思想

著者 :
  • NTT出版
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757140752

作品紹介・あらすじ

「勝ち組・負け組」ならぬ、生まれついての「バカ組・利口組」という、身も蓋もない「新しい階層社会」が出現しつつある!この事態を避けるためには、流動性の高い社会、すなわち「プチ文化資本家」たちが多数を占める「文化的一億総中流化」社会を目指すべき。本書の前半では、「おじさん内田」がそうした社会の「仕組み」を解説、後半では人生相談形式で、「街場の常識」を読み解いていく。給与、転職、ワーク・モチベーション、結婚、離婚、言葉遣い…。身の回りの根源的な問いが、初めて腑に落ちて納得できる本。

感想・レビュー・書評

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  • 内田先生の名前を知ってようやく著作を読めた。

    どうして敬語を使うのか、転職や社内改革はすべきかどうか、結婚って損か得か、といった問いに答えている第三章の「街場の常識」が面白かった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「街場の常識」が面白かった。」
      内田センセの本は、身近な問題を判り易く教えてくださる「街場シリーズ」ですが、読むと賢くなったような気になっ...
      「「街場の常識」が面白かった。」
      内田センセの本は、身近な問題を判り易く教えてくださる「街場シリーズ」ですが、読むと賢くなったような気になってしまうから怖い。でも読んじゃうのよね、、、そして、こんな「視点」を身に付けたい!と思うのでした。
      2013/01/22
  • ふとしたきっかけで手に取った本。
    これを期に内田先生にはまった。

  • 神戸女学院大学教授。

    ・文化資本主義 文化資本を身体化させている人と欠落させている人との間にある文化的な壁。自分の知っていること、いないことに関する知識の不足

    ・給与、転職、社内改革については厳しいご意見!

    ・良い事も悪い事も具体的に想像すると起きる

    ・損得ベースだけではない視座(人間を人間たらしめるもの、他者との共生)

    ・倫理的でない→全員自分のようになったらどうなるかを考えられない

    ・人は死ぬから幸せ どういう最期を迎えたいか

  • 社会大学生の時こういったテーマ専攻してたら楽しそうだなぁ〜なんて思った。

  • 著者の存在は甲野善紀関連経由あるいは、さるWebサイト経由で知った。大学の先生である。書く文章がたいへん面白い。なんとなく浅田次郎の「勇気凛々瑠璃の色」を彷彿とさせる。体育会系であるところも似ている。だたちょっとだけ知的風味が添えられている気もする。

  • バレンタインチョコをもらえないのは、バレンタインチョコとは道祖神へのお供え饅頭と同じであり「まず先に贈り物をした」ところに「贈り物」は備えられるのである。チョコをもらえない青年の勘違いは「チョコをもらう」ところから交換が始まると考えるところにある。

  • 僕みたいにうまいこと社畜以外の食い扶持を見つければこのせちがらい資本主義の世の中でも誰彼に気を遣わずに言いたいこと言えて快適な暮らしができるぜ、と煽ってる本。

  • 論理に飛躍もあるけど、おおむね、わかりやすい。
    若い人の質問にしっかり向き合って答えている。これぞまさに現代のソクラテス、望ましい哲学者の姿勢だろう。

    しかし、この人、バツイチだからちょっと男尊女卑の傾向あるに関わらず、女性(とくにシングル)の相談に乗るのうまいよね。女子大の教授だからだろうけど。

    大学の先生なのに上から目線で語らないし、タレントほどには身を持ち崩していないところがいい。これぞ知識人。しかも漫画まで語れちゃうところが素敵なおじさまである。結論がなくて、はぐらかすのが上手いと思う面も多々あるけれど(笑)

    自分が老い、病み衰え、どんな死に様をするのか、繰り返し想像すること。その想像力が若者の未来を輝かす、というのは、まあなんとも武士道的な覚悟であるけれど、未来への絶望感しかない若者には少々、苦いアドバイスだろう。

  • 本文197ページから引用

    高等教育においていちばんたいせつなのは、学生が「すでに知っている知識」を量的に拡大することではなく、学生に「そんなものがこの世に存在することさえ知らなかったような学術的知見やスキル」に不意に出くわす場を保障するということなのである。

    重いことばだと思う。
    223ページ
    「人の身になって」想像力を発揮し、政治的正義を希求する人間の多くは、社会全部が「自分みたいな人間ばかり」になったとき、どんなきぶんになるだろうかということを想像したことがない。

    232ページ
    私たちが「価値あり」と思っているものの「価値」は、それら個々のじぶつに内在するのではなく、それが失われたとき私たちが経験するであろう未来の喪失感によって担保されているのである。

  • 10年近く前に書かれた本。

    印象に残った2点について以下に。
    1.
    知識について。現代の若者は「自分が持っている知識についての知識」が足りない。
    読書で例を挙げると、従前の読書好きは所謂文学作品として名高い小説を基本的教養として読んでいたが、現代の若者は特定の作家、分野にのみ精通しており、読書好き同士が集まっても文学論を楽しむことができない。
    このため自分が好きなものがどんな文脈のどの位置にあるものか知らないままにある。自分の知識が一望俯瞰できる状態にない。

    これは自分にもよく当てはまる話。音楽が好き、読書が好きといってもその時々の感受性に当てはまったものを聞くだけで系統的な知識を得るに至らない。この点から自分には教養がないなあと自覚すること多々。


    2.
    結婚の話。
    結婚は不快なことの方が多い。理解しあえるパートナーを得て暮らすことではなく、理解しあえなくても大丈夫、やっていくという経験を得るもの。
    この点はまだ体感できていないなあ。

    ただ自分が特定の他人と仲良くなるときに自分と似ている人を選ぶ傾向について、「御しやすい」人を選んでいるように感じてしまうことがある。
    これは理解しあえない他人と暮らすということからは遠いように思う。狭量だなと。改めることは難しいし改める必要があるかは疑問だけど、ちょっと考えてみたいところ。

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著者プロフィール

東京大学フランス文学科卒業。武道家。凱風館館長。専門はフランス現代思想、ユダヤ文化論、映画論。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞。第三回伊丹十三賞受賞。

「2018年 『待場の読書論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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