日本語は死にかかっている (NTT出版ライブラリーレゾナント047)

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  • エヌティティ出版
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757141902

感想・レビュー・書評

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  • まず自分そのものを心の鏡によく映して、自分がどういう人間であるかということを内省して、そこから自己否定しないでいくことが大事

    仮にどんなにこんちくしょう、と思っても、すぐに反駁しないことが肝心 そんな時は、むしろ一歩引いて哀れみの目で見るつもりぐらいでいる

    反論を書く時も感情に任せて書かず、一晩置くか一回寝て起きてから。会話も同じ

    ネガティブな人格の人とは極力付き合わない 会話を切り上げて続行しない。

    謙遜的傲慢に陥らない。自分は傲慢では?と思って反省するくらいでちょうどいい

    優越感と劣等感を同時に抱いて、そのはざまに引き裂かれているのが人間

    英会話の上達 相手の言ったことを完璧に理解しなくとも、想像して相手が興味のありそうなことを返して会話を続ける

    イギリスではどの階級の人と付き合うかでイギリス人の印象が変わる

    何かを学ぶ時 教わろうと考えない。自分で上手い人を見て研究して覚えていく

    家の育った言語環境がどうであれ、それを決して再生産しない決意と見識こそが大切

  • [ 内容 ]
    いつわるなこころを、ごまかすなことばを。
    背のびしない、正直なことば遣いは何処へ。
    知性ある日本語を取り戻すための話し方指南。

    [ 目次 ]
    序章 日本語は死にかかっている
    第1章 紋切り型という低俗
    第2章 保身はことばの品性を汚す
    第3章 偉ぶる男は卑しい男
    第4章 冗舌は駄弁の始まり
    第5章 上品ぶるという下品
    第6章 身ぶり口ぶりもことばのうち
    第7章 恥ずかしい、卑しい、いやらしいことば
    第8章 聞く力こそ話す力
    むすび 美しい話し方への第一歩

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    [ 参考となる書評 ]

  • 分析して考えてみると、ことばというのは、ぜひこれを人に伝えたい、このことをぜひ言い表したいという「核」があり、そしてそれをどういう表現で言ったら一番相手に伝わるだろうかという「思考」があって、それから、自分の脳みその中に蓄えれられているさまざまなボキャブラリーの中から最も適切なものを「選択」し、組み立てて、そうして誤りなく話したり書いたりする「表現」、この4段階からなっているわけである。
    だから、その中身がないのに言葉だけがあるというのは、虚しい行いであって、まず最初に心ありき、まず最初に表すべき実体がなければいけない。



    どこまで行っても、「遺憾の意」では謝罪にならない、と私は思う。
    そういうごまかしに満ちたことばを、私は、やはり見にくい下品なことば、と断罪しておきたいのである。



    ことばに関していうなら、要するに、「自分のことばが口から発せられたときに、そのことばが相手にどう受け止められるか」という想像力またはセンスの欠如である。



    ことばは、特定少数であると不特定多数であるとを問わず、かならず何らなの相手に向かって話すもので、その相手に何かを伝えたいという気持ちで話されるのがことばなのである。
    逆に何か、相手を傷つけようと思って言うこともできる。
    「売りことばに買いことば」というのは、いわばそういうマイナスの作用を持ったことばで、相手を傷つけようと思って啖呵を切るだとか、悪口雑言だとかというのも、れきいとしたことばである。
    そういう暗い作用を持ったことばは、できれば使わないほうがよい、



    しかし、注意しておきたいことは、そういう人を傷つける目的でことばを使うと、これは必ず自分も傷つくものだということである。
    いことばというものは諸刃の剣なので、相手を傷つけるようなことを言うと、言ったときの気分は決してよいものではないだろう。必ずことばを悪用したことに対するしっぺ返しが来るものである。



    問題は、相手を罵るつもりがなくって、しかし実質的に相手を罵っている場合があることである。
    相手がそれを聞いた時に、「いやだなぁ」「困ったなぁ」と思うようなことを言うと、そのことばはむしろ危険な飛び道具として働いているわけである。と同時に、そういうことを言ったことに対して、言われた相手の心に、不信感とか嫌悪感とか、そういうマイナスのイメージが形成される。それは長い目で見れば、決して得策ではない。




    「相手を傷つけないように言うにはどうしたらいいのか」というセンスを、常に常に持っていなければならない。



    自分自身がいろいろな人と付き合う中で、感じの良い人と、嫌な奴とが当然あるわけで、その悪いほうは反面教師として認識しつつ、良い感じの人がどういうふうに話しているかということを、いつも意識して記憶しつつ、見習うことだと思うのである。
    つまり、どうも嫌な感じだなぁ登思うような人間が話しかけてきたら「この人は何でこんなに嫌な感じで話すんだろう」ということを、よく分析して考える必要がある。つまり、自分だって、ものの言い方によっては、相手から見て、いつ嫌な奴のほうになってしまわないとも限らないわけだから。
    自分が嫌だなと思うことがあったら、「どうしてこう嫌な感じがするんだろう。この人の喋り方の、どこが嫌な感じなんだろうか』ということをいつも心に留めて、そして自分の話し方の中から、そういう要素を注意深く排除する用意がなくてはならぬ。
    反対に、「この人は感じがいいなぁ」と思ったら、ぜひその真似をすることである。
    話し方というものは、真似から始まるというところがある。憧れの人と一緒に長い時間いると、その人の話し方が移ってしまう、ということが現実にいくらもあるのである。
    だから、良いものは真似る、悪いものはできるだけ遠ざける、という意識が、すこぶる大切なのである。


    一流の人物というのはやはり、話していて何か気持ちが良いのである。いや、そういう人格だからこそ、人の上にも立ち、大きな仕事を成就したというべきであろうか。



    「女性らしい感性」



    会話が面白く成立しているかどうかというのは、自分が面白いと思うかどうかではなく、相手が面白いと思ってくれているかどうか、そこにもっとも大切なポイントがあるのである。
    いつも相手がどう思うかという意識、ということはつまり、自分が話していると同時に、「聞き手」にもなっていなければならないということである。



    本当に知っていることは、それほどべらべらしゃべるものじゃないのである。「良賈は深くして蔵して虚しきが若し」と昔の諺にもある。
    それから、「空き樽良く鳴る」という諺もある。
    本当に中身のある人は、それをひけらかしたりはしないものである。
    反対に、中身が空っぽな人間に限って、ベラベラまくし立てるというわけである。


    えてして生半可な知ったかぶりの世界に行ってしまうわけである。そういう人のことばは、どうしても醜い。
    だから決して背伸びをしないこと。
    まず自分そのものを心の鏡によく映して、自分がどういう人間であるかということを内省して、そこから自己否定しないで行くということが大切なのである。
    自己批判は大切だけれども、いっぽうでまた、自己否定もいけない。



    この「憎めない人」というのはなんだろうか。
    思うにそれは、人間としての正直さ、というようなことと関連していそうに思われる。なかでも一番大切なのは、等身大のことばで、まっすぐに正直に話すことであって、そうするとやはり憎めない感じがして、可愛げが感じられる。
    そうなれば、多少きついことを言ってもみんなが許してくれる、ということになるのである。
    体の表現から、仕草から、声の調子から、全部を1つずつ積み上げていった上で、やはり最終的には、正直に等身大にまっとうに喋ること。ここへたどり着ければ、話し方としては一番美しいということになるわけである。



    明確な滑舌をするようにと、日ごろから心がけるということである。
    それにはどうしたら良いのだろうか。
    1つの答えは、口をはっきり動かすということである。
    そのことは豊かな表情作りにも重なってくる。
    つまり、無表情にむっつりとして口をひらかないでいると、どうしても滑舌も悪くなってしまう。したがって、説得力も少ないということになる。

  • 納得する部分も多かった。民放だけでなく、NHKも批判してるところが、なんだか新鮮だった。1か所矛盾がみられて、少し疑問に思った。
    「尊大な人が嫌い。年下に尊大な態度をとられて自分は我慢がならない」と言っていて、「年下の人と話すときには大目に見てあげることが大事」とわずか数行で主張が変わっていた。

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