弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757216488

作品紹介・あらすじ

人間的成長なくして技術的進歩なし。人間の最大の罪は鈍感である。中心なき組織は機能しない。野球界の名伯楽が具体的に明かすプロの人材育成・組織作りの奥義。

感想・レビュー・書評

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  • Wed, 09 Jun 2010

    僕は弱いモノ贔屓なところがある.
    ていうか,一位の存在,ちょうしのいいところって応援する気にならない.
    これは,いまでもそうで,
    大企業に就職する気にならなかったのも,その辺りとも関係している.

    関西人でまわりは阪神ファンと,一部巨人ファンしかいなかったが
    幼少の頃は永久Bクラスと思われたヤクルトを応援していた.

    阪神は当時 吉田監督時代でバースとかいて,強かったのだ.

    5,6位でいっつも負けるヤクルトだったが,
    野村監督が来てから情勢がかわった.
    3年間で本当にリーグ優勝にたどりついた.

    すごい,,,

    「人を育てる」

    というスタンスは,FAで強い選手をとってくる巨人とかとはちがって,
    すごく格好良く思うし,日本的であるとおもう.

    僕ってこういう保守的な考え方すきなんですよね.
    それでいて,頭を使ったID野球という革新の生み手でもあるわけで.


    本書は必勝の人材育成論・組織論というだけあって,
    野村監督なりの組織マネジメントの考え方が示されている.

    そこは,小手先のものというよりかは,野村監督の哲学的な事も多く,
    しかしながら,その哲学的なことも,誰しもが知っている野村監督の
    ヤクルト,阪神,楽天にわたる 度重なる「企業再生の成功」を見ていると
    重みを感じてうけとれるのである.

    一社を再生させた人の言葉なら「運」もあるんだろうが,
    三社にわたると,これはもはや実力だろう.

    そのおっしゃっている事も「普通でスバラシイ!」

    ・ 選手に身だしなみやマナーを身につけさせること.
    ・ しっかり練習させること,考えさせること
    とか,,,,

    あと,最近トレンドな「ほめて育てる」ということに対して疑問を示していたのが面白かった.

    しかり飛ばして育てる.たまに誉める.というのもプロフェッショナルの教育では必要なのかもしれん.

    しかし,知識労働者とスポーツ選手じゃ違うのかもなぁ....
    うーん.
    でも,しからなアカンときはしからなアカン.


    野村監督の考え方が書かれているので,あとは,僕らがそれをどうかみ砕いて消化するかということ.
    結構おもしろかったですよ.

  • 感想
    弱者が生き残るには。常に観察を怠らない。相手が隙を見せるまで耐え忍ぶ。相手の腹の底を見通し言語化されていない欲求すら見抜く。

  • 選手への愛情が全て。なんとかしてやろうと思えば、よく観察して活かす場所を考えてやれる。
    自分で考える習慣をつけさせる。
    選手より野球学に詳しくなる。

  • 人間は何のために生まれてくるのだと思う
    人間は何のために生きているのか考えてみろ


    判断は頭で決断は腹で
    材を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする
    進むときは上を向き、暮らすときは下を向く
    人間は無視、称賛、非難の段階で試される
    無形の力とは分析、観察、洞察、判断、決断、記憶としてまとめられる

    野球だけではなく、社会生活おいては人材育成の考えが詰まった一冊

  • 元楽天監督の野村克也の書いた一冊.

    人材育成論・組織論について持論を展開していた本であった.前半の章はプレイヤーとしてのあるべき姿を論じており,後半の章はマネージャーとしてのあるべき姿を論じていた.

    「プロ」とは能力を最大限に引き出してこそ到達できるという話あった.怪我でもやるべき時はやれ・簡単に引き下がるなという一見今の教育に逆行しているような主張もあったが,今のゆとりの教育で生まれた甘やかしの精神に対して鋭く指摘している気がしてあながち間違いではないと思った.そこから「本気」という言葉を今一度自分に対して問い直す動機にもなり,まだまだ自分の甘さが捨てきれていないことをかみしめた.社会人になる前に気持ちを改めておきたいものである.

    また,指導者についても「ほめすぎない」というこれも昨今とは逆説的な意見ではあるが,相手にも自分の駄目な所を考えさせるためという理由でそうしているという考えはとても共感ができた.特に褒めてから相手に甘える隙を与えてしまった経験がある身としてはそういった飴と鞭の塩梅は必要なんだなと改めて実感した.

    最後にリーダー/監督としての気品や素養についても述べられていたが,将来的にそういった引っ張る役目を担っていくと思うとプレイヤーの今から知識や教養を培いながらも,私生活も気を遣ってあげるべきと痛感した.

    賛否が生まれそうな主張が多いもののプレイヤー/マネージャーとしての錆びない考えを教えてくれる素晴らしい一冊だった.

    第一章
    プロフェッショナルとは何か?
    第二章
    全知全能を懸けてこそ弱者は強者になる
    第三章
    指導者の役割とは何か?
    第四章
    「無形の力」が弱者を勝利に導く
    第五章
    人間教育が真に強い組織の礎を成す

  • 2016/6/14 No.11

  • 野球関係なく仕事論として面白いときいて読んだけれどやっぱり野球詳しくないとついていけないところが多い。

  • さすがノムさん、という内容。「欲から入って欲から離れる」、「人間の最大の罪とは鈍感である」を忘れないようにしたい。自己中心的になって視界を狭めることなく、些細なことに気づき、自分を高める術を確立したい。

  • もう一度、生き方を考えさせられた。
    20代のうちに読めて良かった。

  • 2013/4/2

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著者プロフィール

京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球解説者としても活躍。

「2016年 『最強の組織をつくる 野村メソッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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