今日もごちそうさまでした

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757219533

作品紹介・あらすじ

朝7時、昼12時、夜7時。失恋しても病気になってもごはんの時間にきっちりごはんを食べてきた。しあわせで、たのしくて、おいしい食べものエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 私は偏食が大嫌いで、一時期より許容範囲は広がったが、偏食を自称したり、偏食自慢する人に出会うと危険なセンサーがワンワン鳴る。絶対ヤバい人。
    でも、元偏食で油と肉をこよなく愛する角田さんの食エッセイ、楽しく美味しくごきげんに読んだ。ひとつひとつの食材に対する偏見も含めた感じ方が、似てた。地域差は若干感じたけど、そこも含めてなんというか、気持ちよく読めるエッセイだった。
    料理始めたのは私のほうが早いんだけど、私の雑かつレパートリー少なくできないことが多すぎる腕前に、いつものことながら失望。

  • 食べることは楽しいことだ、というシンプルな事実をかみしめることのできる、角田さんの「食」エッセイ。肉・卵・魚といったメイン食材から春夏秋冬の旬の素材まで、隅から隅まで「おいしさ」がみっちり!
    今でこそ料理が大好きだけど、以前はかなりの偏食だったという角田さん。かつては苦手だったという食材が思いのほか多くって、その過去に時々びっくり。食わず嫌いってやつだったのねえ~。でも、その多くをしっかり克服してるからすごいもんです。
    というのも、実は私も偏食な子供だった。いい大人になっても克服は遅々として進まず、料理も得意ではない。自分の子供の方が私の苦手食材をバクバク食べられるもんだから、立つ瀬なし!そんな私だけど…今からでも、食べられなかった食材と邂逅を果たせるだろうか。
    根菜だけの和風カレーとか、里芋から揚げとか、れんこんまんじゅうとか、自分が知らなかった調理法も色々あり、真似してみたいレシピもちょいちょいある。ものぐさの私でも簡単にできそうなテクニックは勿論即取り入れるつもりだが、面倒でも下ごしらえからしっかりやるべき食材とか…今まで敬遠してきたけど、「味が全然違う!」と言われちゃうと、「角田さんが言うなら…」と、ちょっと頑張ってみようかという気にさせられる。
    素朴で親しみやすい語り口で、「そ」「ほわわーん」「はつはつ」などオノマトペも楽しい角田さんの「食」の日常。色々と新鮮な発見があること間違いなし。

  • 旬のものを頂く。
    手間ひまかけなくても、旬のものはそれだけでじゅうぶん美味しいということを思い出させてくれる。
    今日食べたキャベツは、とても甘くて美味しかったなぁ。

    角田さんの食いしん坊なところが、読んでいてすごく気持ちいい、食材にまつわるエッセイ。
    食わず嫌いだった食べ物に開眼する姿が何度も描かれているが、本当に可愛らしい。(年上のかた相手に失礼だけど)

    食に対する愛情に溢れたこのエッセイ。いやがおうにもお腹が空いてくるので、空腹時や夜中に読むのはオススメできません。

  • 料理にまつわるエッセイ。
    友だちのブログで見て気になり、最初図書館で見つけて借りて読んだものの、これは手元に置いておきたいと思い結局購入。
    著者の角田さんは超絶肉派で、しかも幼い頃から偏食気味で30歳を過ぎてから偏食を克服しはじめたそうなので、克服後もどうしても“好きにはなれない”食材があったりするけれど、そういうところも格好つけずに書いているところがいい。
    好き嫌いはひとつもありません!みたいな完全無欠タイプよりは、多少の偏りがあるほうが人間味があっておもしろいと思う。

    春夏秋冬の旬のもの、好きな食べ物、特別な食べ物、という風に分類されているのだけど、自分がどれくらい旬を意識して生きてるか少しわかったというか…
    食べ物を人様に提供する立場として旬を意識することはあるけれど、自分ではそれほど食べてないってことに気づいた(笑)
    自分でもきちんと食べることで意識できることがたくさんあるんだなって気づかせてもらえたので、これからは自分でも意識して取り入れようと思った。

    角田さんの小説はよく読むけれど、エッセイは初めてだった。肩肘張らず読めて、さばさばしつつも女性的なところは、小説とも共通すると思った。

  • 角田さんのご飯に対する表現が、
    何とも美味しそう。

    ゆるやかで、ついつい微笑んでしまう。
    その分素直に自分の中に入ってくる。

    そして、表紙が可愛い。

    • 円軌道の外さん

      角田さんの文章好きです(^O^)

      食べることやお酒が好きで
      ボクシングジムにも通ってることを
      最近知って
      勝手に親近感湧い...

      角田さんの文章好きです(^O^)

      食べることやお酒が好きで
      ボクシングジムにも通ってることを
      最近知って
      勝手に親近感湧いてます(笑)

      2012/06/05
  • 面白い文書を描く作家が食べ物に関するエッセイを書くと何でこんなにも面白いのだろうか。今は角田光代の作品、また読んでみようかなって気分。

  • 図書館で。食べるものに関するエッセイはそうだよねえ、と心から同意出来るものとえ?そう?私はそうじゃない、と心の底から反論を叫びたくなるかどちらかであまり中間の感想が無いのが面白いです。私も1970年代生まれなので確かに昔はチーズと言えばプロセスチーズであり、アーティーチョークや生のマッシュルームも普通のスーパーには売っていなかった時代だったのをよく覚えております。今は随分と食生活が変わったものだなあと感心しますがでも今でもスーパーに置いてるメインの品ぞろえはそれほど昔と変わらないかも、と思ったりもします。
    余談ですが私の育った近所のスーパーには何故か内臓系が充実していて肝臓・腎臓・膀胱なんか売っていたのをうっすら覚えております(しかもパック詰めで)。なんでだったんだろう?鳥モツも卵が出来あがって行く過程みたいなのが見えるパックでものすごい量であったなあ… 今自分があまり関心が無いので目に入らないだけなのかもしれませんが。

    それにしても好き嫌いが多かった人の食べ物の話は偏見が多くて読んでいて疲れる気がします。多分今までに彼女と関わった方もだから美味しいって言ったじゃん!という気分なんでしょうね。自分はそこまで優しい人間じゃないので嫌いというなら食べなきゃいいんじゃない?ぐらいにしか思いませんが。そういう偏食な方が今まで食べなかった食物の美味しさに開眼するとうっとおしいぐらいにこれは●×じゃなきゃダメなの!!と押しつけがましくなるのは何ででしょう?親切心なのかもしれませんが正直ちょっとうっとおしい。そういう感じがしたので少し苦手でした。まあエッセイだし誇張して書かないと読者受けしないのでしょうが… でも自分も好きな本とかを友人に押し付けるとき結構おしつけがましいかも。反省、反省。

  • 形容詞が少ないすっきり文章なのに、美味しいのがすっごく伝わる。

  • 角田さんは、30代まで偏食であって、子供の頃より偏食をなおそうとせず好きな物だけ食べたら良いという料理好きのおかあさんもとで育ったようです。私も子供時代は極度の偏食だったので、食べられないものが食べられる瞬間のことが良く分かります。好きだからとか貧血に良いからと食べつづけ、あるときからふと口にしなくなる食べ物もあります。欠食はありえない!毎日同じ時間に3食食べたい角田さんの食べ物ばなしはオモシロいです。

  • 食に関するエッセイで、文句なしに面白くて読んでるとお腹が空きます。
    「本命塩」に出てくる天草の塩を試してみたくて思わず調べてしまいましたが、ネット販売もされていて角田さんお気に入りってサイトに書いてありました。
    ジャンクなものも好きな角田さんの食べ物関係で譲れないことはごはんの時間にごはんを食べないこと。わー、一緒一緒、ごはんの時間が2時間ずれると絶望するってすごくわかりますーっとつい親しみを覚えてしまう気どらない文体が共感を呼ぶので心地よい読書時間を過ごせます。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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