若者は本当に右傾化しているのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757223004

作品紹介・あらすじ

注目の若手保守論客が若者論の嘘を暴く!

「若者の右傾化」を「懸念」する人も、「歓迎」する人も知っておきたいイマドキの若者の本音。

「若者が右傾化している」の根拠は次の通り。

・20代の60%が「首相の靖国参拝」に賛成している。
・2014年都知事選で20代の24%が田母神氏に投票した。
・『永遠の0』に多くの若者が感動の声をあげた。
・生活に困窮する若者が「ネット右翼」になっている。

しかし、統計データを丁寧に検証すると、実態は...。

感想・レビュー・書評

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  •  私にとって興味深い論点は「個人の努力に帰する傾向(いわゆる自己責任論)が保守派にみられる」や、「右翼の潮流」などでした。
     あと、著者の経済への考え方をもう少し踏み込んで見せてほしいと思います。
     全体でみると新奇性や面白味には欠けますが、まとまった内容です。


    【目次】
    プロローグ 「若者の右傾化」をめぐる事実認識と「オッス、オラ極右」の世界観 003

    第一章 「永遠の0」「田母神俊雄」というキーワード 
    1.1 『永遠の0』は本当に「右傾エンタメ」か 020
    1.2 二十代は「田母神俊雄」をどれくらい支持したのか 036
    1.3 「保守的な若者」はどこにいるのか 040

    第二章 「若者が右傾化している」論は本当か 
    2.1 「若者が右傾化している」論はいつ生まれたのか 052
    2.2 愛国心が高いのはどの世代か 059
    2.3 インターネットは本当に「若者の空間」なのか 066
    2.4 田母神氏を支持したのは誰か 075
    2.5 もしかしたら「若者は左傾化している」? 097
    2.6 「靖国参拝」には賛成するが、右ではない 103

    第三章 「若者は政治に無関心」の嘘 
    3.1 なぜ保守は若者に支持されないのか 120
    3.2 若者が山本太郎に投票した理由 127
    3.3 なぜ保守は貧困問題を取り上げないのか 133
    3.4 「反貧困」をめぐる左右のねじれ 139

    第四章 なぜ保守は貧困問題に無関心なのか 
    4.1 保守は生活保護不正受給問題にどう反応したか 150
    4.2 戦後保守が高度国家論に偏重した理由 155
    4.3 戦後の保守論壇を支えたフジテレビ 159
    4.4 社会的成功者としてのネット保守 168
    4.5 福音派とネット保守の共通点 176

    第五章 保守のマッチョイズムと自己責任論の嘘 
    5.1 保守の「凛として美しく」路線 188
    5.2 「自己責任論」は正しいのか 193
    5.3 保守の「三位一体」の思考パターン 203

    第六章 「ソーシャル保守」の誕生 
    6.1 ネット保守からソーシャル保守へ 216
    6.2 ソーシャル保守の目的は同胞融和 225
    6.3 むすび 227

    エピローグ イデオロギー世界観の終焉 238

  • ネット右翼、若者の右傾化と呼ばれている事柄への疑問に対する答えとして、
    興味深いものがあり面白い。
    ワールドカップから右傾化に結びつけていたのは強引だなぁと。
    左右での切り分けではなく、もっと多元的に見ないといけないのかも。

  • 結論から言うと「右傾化してない」という本。

    自分も一般的に見てもう若者でないことも再認識したし、自分も右傾化してるわけではないんだなあというのも認識できました。


    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4701301.html

  • 俗流若者論として、面白い。ネット黎明期の若者は今では若者と呼べないし、若年層の逼迫した危機、ブラック企業やワーキングプアを無視する「愛国者」は若者から広い支持を得られない。その通りだ

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著者プロフィール

古谷経衡
1982年札幌市生まれ。作家・評論家。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。(社)令和政治社会問題研究所所長。(社)日本ペンクラブ正会員。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、TOKYO FMやRKBラジオで番組コメンテイターも担当。『左翼も右翼もウソばかり』『日本を蝕む「極論」の正体』(ともに新潮新書)、『毒親と絶縁する』(集英社新書)、 『敗軍の名将』(幻冬舎新書)など著書多数。

「2023年 『シニア右翼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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