愚愚れ!信楽さん-繰繰れ!コックリさん 信楽おじさんスピンオフ-(2) (ガンガンコミックスJOKER)

著者 :
  • スクウェア・エニックス
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757546462

感想・レビュー・書評

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  • 化かし上手のおじさんも、女の子相手にゃ下手に出るさ。

    信楽さんの活躍を見るたびにアニメの中田譲治ボイスによる脳内再生が捗っている頃ですが、事実はまり役でしたね。
    中田譲治さんが演じた役柄を大事にされる方ということもあって、本編完結後も時折話題に出していただいているので嬉しい限りです。

    さて、単独完結エピソードから成る人情噺としてはこの二巻が一番嬉しいところでしょうか。
    この巻からは『ググコク』本編でのアレな扱いの悪さもなんのその、いけすけない若手キャリアとして美味しいところを攫って行く狗神さんが本格的に登場します。
    なんで『ググコク』本編で五歳の狗神さんがこの『ググシガ』本編(過去編)に出演してるのかについては、今は聞かないでください。

    基本はきつねとたぬきのバディものなんですが、二人とは違った役回りをクールに演じているのは流石。
    女体姿でもコックリさんの色気とは違った若さが滲み出てるとかとないとか。

    ともあれ、三巻、四巻は警察と裏社会のドンパチや癒着などから信楽おじさんの過去の真相へと印象の比重を大きく傾けていくので、小エピソードとして楽しむにはこの二巻目がちょうどいい。

    「連続殺妖事件を三人で解決する話」
    「雪の宿にて死んだ子の年を数える話」
    「おじさん版わらしべ長者(おすそわけVer)
    この巻も三本立てでお送りします。

    妖怪警察ならではか、少々捻っているけれど派手なトリックとは無縁なしんみりとしたオチは健在です。
    きつねとふたりでズバッと解決ていうより、おじさんだけの秘め事として胸に秘めては小粋に去っていくノリも好きです。その辺、手探りの一巻とはまた違った感じで好みです。

    狗神さんが妖怪なのに鉄の弾が良く似合うのは歳若く背負う物がないからか、鈴の音がようやく迷っていた子を導いてくれたのか、小道具の使い方上手かったですね。

    個人的なおススメは三本目、明確にその当時の今を生きた女の子、そこに至るまでも多くの人たちを幸せにしつつ、小洒落た言葉で化かしつつハッピーエンドに導いていく流れが最高でした。
    古典の翻案ってところがおじさんらしいですが、過去を現在で挟みつつ、大事なものは忘れず手放さないそんな信楽おじさんのことが大好きです。

    さて、続くは三巻、なんだか書いてる最中も夢うつつだったりしますが、わたくしも酔ってるわけではございませんよ?

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