シリーズ 扉をひらく9 門人から見た芭蕉 (シリーズ 扉をひらく)

  • 和泉書院 (2024年8月20日発売)
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784757611023

作品紹介・あらすじ

ここで描くのは、芭蕉に何かを見、惹かれ、同じ夢を見た11人の門人たちである。それぞれの門人の個性、彼らから見た芭蕉像、芭蕉と門人たちが目指したものとは?これまでにない視点から門人と芭蕉を描く本書は、従来の研究では見えてこなかった芭蕉と門人を浮き彫りにする。その意味で本書は、新しい芭蕉の本であると同時に、新しい門人の本でもある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【配架場所】 図・2F総合教育院おすすめ文庫 
    【請求記号】 911.32||NA
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/472707

  • 1. はじめに
    本書では、松尾芭蕉とその弟子である其角・嵐雷との関係が詳述されており、彼らの俳諧活動や相互の影響についての重要な出来事が記されています。特に、芭蕉が無名の時代から彼らとの関係が始まったことが強調されています。

    2. 芭蕉の弟子入り
    - 入門の時期:延宝二年(一六七四年)頃、其角は十四歳、嵐雷は二十一歳で芭蕉に入門。彼らは、芭蕉がまだ無名であった時期に彼に師事した。
    - 共鳴の理由:芭蕉が無名であったため、彼らは共鳴し合う何かを感じたと考えられ、これが後の彼らの活動に大きな影響を与えました。

    3. 共同活動と作品
    - 撰媒と共同生活:其角は芭蕉のもとで「野ざらし紀行」を共にし、彼の作品に対してコメントを加えるなどの活動を行った。
    - 俳諧の発展:延宝五・六年にかけて、芭蕉は多くの俳諧作品を発表し、彼のスタイルを確立。其角もまた、彼の影響を受けて俳諧において独自の作品を生み出しました。

    4. 俳諧の理念
    - 芭蕉の俳諧観:芭蕉は「心」を重視し、自然を直感的に捉えた俳諧を追求。これは「直指の俳諧」として、理屈に囚われない創作を目指しました。
    - 其角・嵐雷の役割:彼らは芭蕉の理念を受け継ぎ、同時に新しい視点を俳諧に持ち込み、芭蕉のスタイルを深める役割を果たしました。

    5. 重要なエピソード
    - 「蛙合」の作成:芭蕉、其角、嵐雷が参加した「蛙合」の企画は、即興で句を詠む形式で、彼らの創造性を示す重要な例となります。この作品は、彼らの相互の影響と、俳諧の場における臨場感を強調しています。

    6. まとめ
    本書は、芭蕉と其角・嵐雷との関係を通じて、彼らの俳諧活動が如何に発展してきたかを示しています。特に、彼らの相互の影響や、共同作業を通じての俳諧観の深化が重要なテーマとして取り上げられています。芭蕉の独自性とその弟子たちの成長が、江戸時代の俳諧文化に与えた影響は計り知れず、今後の研究においても重要な考察が求められるでしょう。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1965年、奈良県生まれ。神戸大学教育学部卒。同大学院教育学研究科修士課程修了。同大学院文化学研究科博士課程単位修得退学。秋田経済法科大学短期大学部専任講師、助教授、豊橋技術科学大学助教授、准教授を経て現在、豊橋技術科学大学教授。博士(文学)(関西学院大学)。専攻、俳諧。
主著:『俳句教養講座 第二巻 俳句の詩学・美学』(共著・角川学芸出版 2009)、『21世紀日本文学ガイドブック5 松尾芭蕉』(共著・ひつじ書房 2011)、『蝶夢全集』(共編著・和泉書院 2013)、『近世文学史研究 第二巻 十八世紀の文学ー学び・戯れ・繋がりー』(共著・ぺりかん社 2017)、『江戸の学問と文藝世界』(共著・森話社 2018)ほか。

「2018年 『芭蕉の正統を継ぎしもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中森康之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×