ドラゴンランス(2) 城砦の赤竜

  • エンターブレイン
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757708433

感想・レビュー・書評

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  • ドラゴンランスも2巻に入ると、物語の展開も目まぐるしく変化すると共に、新しい仲間(?)も加わり、俄然、盛り上がりを見せて、面白くなってきます。


    前巻の最後に、レイストリンが見たのは、故郷のソレースが燃えている場面。
    しかも、その後の証言によると、襲撃したのは、赤いドラゴンとのこと・・もはや、ドラゴンの存在はお伽話ではなくなった。えっ、これって、どういうこと?

    実は、前巻で、ゴールドムーンが癒しの善神、「ミシャカル」の啓示を受けて、僧侶になったことから、いにしえの善の神々を見つけたのと同時に、悪の神々を見つけた輩もいることが分かり(これで神の存在もお伽話でなくなった)、本巻における、その筆頭が、僧侶の「ヴェルミナァルド卿」で、今回のソレース襲撃も彼の軍隊によるものであり、いわゆる、タニス一行に対する、敵が判明するわけです。

    とはいったものの、ソレースに戻り、物資補給をしようとした、タニス一行は、またまたトラブルに巻き込まれてしまい、囚われて、ヴェルミナァルドが駐留する、「パックス・タルカス」へ囚人車で送られることに・・・


    幼い頃、タニスが暮らしていた、エルフの故郷「クォリネスティ」の危機に加え、スラ=モリの冒険、裏切り者の存在、そして、二頭の赤竜エンバーとフレームストライクの登場に、ヴェルミナァルドとの決戦、等々、次々と目の離せない展開は、ページを捲る手が止まらない面白さです。

    私が印象的だったのは、フレームストライクの、かつての哀しい思い出がもたらした結末と、タッスルホッフの涙、そして、最後の婚礼のシーンでした。

    特に、陽気なケンダー族である、タッスルの真摯な素顔が覗けた、その思いを知ると、普段どれだけ迷惑をかけていても、心に宿るものの確かさは、信頼に足るものだと思いましたし、それから、婚礼のシーンは、かつて縛られていた仕来りや、呪縛から解き放たれた、彼らの眩いばかりの笑顔と、それぞれにかける思いやりに溢れた言葉に、ファンタジーでも変わらぬ、大きな感動を覚えましたし、これまでの歩みと、たくさんの仲違いも知るだけに、よりグッとくるものがありました。お幸せに(まだ冒険は続くけど)。


    そして最後に、今後気になる点を。

    まずは、老魔道士「フィズバン」の謎めいた行動。
    その、のらりくらりと惚けた様子ながら、レイストリンも使えないような魔法(火球!)を使ったりと、なかなか侮れないが、タッスルホッフへ送ったメッセージだけは、忘れてはいけません。

    もう一つは、エルフの「ローラナ」の同行。
    彼女は、かつてタニスに恋い焦がれており、今回の再会でも、その思いは変わらないようで、最初、タニスからは、「まるで駄々っ子のようだ」と、その自分本位に思われた姿勢を批判されるが、彼女はそれでも、「いつかわたしを誇りに思うようにしてみせるわ」と、挫けず、冒険者一行について行くのだが、まさか、後々、思いもかけない存在になっていくとは・・

    そして、「緑宝石の男」?

    そんな様々な期待を乗せて、3巻へと続く。

    • ひまわりめろんさん
      たださん
      こんにちは!

      第二巻のレビューも合格です(何様だ!w)
      ちゃんとドランゴンランスの世界に興味を持ってもらえるように考えられてる!...
      たださん
      こんにちは!

      第二巻のレビューも合格です(何様だ!w)
      ちゃんとドランゴンランスの世界に興味を持ってもらえるように考えられてる!ありがとう同志よ!w

      はい、2巻ですよね、2巻といばやっぱりタッスルホッフ・バーフットですよね!

      AD&Dの世界へのガイド役という役割を持つドランゴンランスの物語の最大の功績はタッスルホッフ・バーフットというキャラクターを産み出したことだと思うんですよね

      タッスルによって単なる盗っ人や泥棒というように誤解されていた〈盗賊(シーフ)〉というクラスを盗賊のスキルを持った“冒険者“と明確に定義づけたんですね

      これにより(特に日本人には)何かしら後ろめたい感のあった〈盗賊〉という職業を前向きで明るいものに変えて行ったんです
      (もちろんこれまで通りのダークな側面をもつ〈盗賊〉もちゃんと生き残っていました)

      AD&Dの世界観を飛躍的に広げだ功労者
      それがタッスルホッフ・バーフットであり
      ドランゴンランス第二巻『城塞の赤竜』なのです
      (自分のレビューで書けよ)
      2022/10/15
    • たださん
      ひまわりめろんさん、こんばんは!

      おっ、合格でしたか。
      最初、ネタバレありで書こうとして、絶望的に感想が完結せず、翌日仕事のプレッシャーも...
      ひまわりめろんさん、こんばんは!

      おっ、合格でしたか。
      最初、ネタバレありで書こうとして、絶望的に感想が完結せず、翌日仕事のプレッシャーもありまして、挫けそうになりましたが、頑張って書き直した甲斐がありました(^^;)
      ありがとうございます、同志よ(なんだか照れますね)!

      タッスルホッフについて、確かに、物語を読んでいる限り、少なくとも、盗賊には思えないですよね。 

      ただ、鍵開けや、人の懐の物を、盗ったりする程度ですが(笑)、それも本来の「盗賊」の目的ではなく、あくまで好奇心を満たすためであり、要するに、何かせずにはいられない、ケンダー族の特性というか。

      タッスルの場合、そのケンダー族の特性のみならず、彼自身の人柄の魅力が合わさって、忘れ難いキャラクターになっているのと、実は、いざというときには、ちゃんと敵をいの一番に察知したりと、彼の御陰でタニス達を救っている場面が、結構あって(反対に足を引っ張ることもあるが、タッスルだと何故か憎めない)、これも冒険者として、シーフが認められている証ですよね。

      いやあ、ドラゴンランスに留まらず、TRPGの魅力まで網羅した、素晴らしいレビューをありがとうございます(^_^)

      ていうか、最初からそれを書いてくださいよ(笑)

      というわけで、私のドラゴンランスの感想のコメント欄には、もれなく、ひまわりめろんさんの、もう一つのレビューが付いてきます、なんて(^^;)
      2022/10/15
  • ★4です
    ただし普通の★4ではありません
    中盤お香じゃなかった中盤以降とんでもない盛り上がりを見せることを知っているのでその時満を持して★5を付けるための★4です

    それにしてもこんなすんばらしい物語が絶版なっているなんて
    絶対に夏休みの課題図書にすべきだと思うんですがドラコンと魔法と騎士の物語は今どき時代遅れなんですかね?

    愛と勇気の物語でもあるんですよ!
    愛と勇気はひとつで
    人は勇気を持って愛を叫び、愛する者のために勇気を振り絞るのを教えてくれる物語なんですよ!
    そしてそれを教えてくれるのはいつだって最も小さくて最も弱い者です

    そして最も小さい者は最も大切なことは「希望を持つこと努力をすること」だと教えてくれるんです

    こりゃあ課題図書でしょう

  •  第一巻の最後で主人公たち一行は故郷に戻るがそこは悪の勢力に焼き尽くされていた。そして一行たちもとらわれてしまうが、途中エルフたちに助けられ、エルフたちとともにタックスパルカスの城砦にとらわれた人々を救いに行く。この間では新たな登場人物が何人か登場して、ちょっと人物像がわかりにくいところもあった。第一巻に比べるとワクワク感が少し薄れてしまった気もする。

  • 10年ぶりの再読。すっかり内容を忘れていたのだが、ここにも名前を言ってはいけない4文字生物が出現、それも巨大になって!ファンタジーにはなぜか欠かせない生物らしい。ハリポタでも大量出現。私の大嫌いな天敵だと言うのに!それにしてもゴールドムーンすごい!というか、それよりリヴァーウインドに驚愕でしょう。

  • 新たな仲間が加わり、続く旅。決して一心同体とは言えない仲間たち、希望が見えない旅にドキドキ。タニスとローラナ、キャラモンとティカの関係もポイント。

  • ── 余は男どもを滅ぼしてやる。
    女どもを滅ぼしてやる!
    子供たちを滅ぼしてやる!

    <A HREF="http://boogiepop77.blog24.fc2.com/blog-entry-652.html" TARGET="_blank">感想を読む</A>

  • 2007/6/6

  • 下に同じ└(T_T;)┘
    単行本は買えないので、続きは文庫本で買うか。。。いや、図書館で借りよう。。。

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著者プロフィール

Margaret Edith Weis。1948年、米国生まれ。アメリカの空想科学小説の作家であり、小説や短編小説を多数執筆。 トレイシー・ヒックマンとの共著である『ドラゴンランス』の作者として世界的に有名で、ドラゴンランス・ゲーム世界のオリジナルクリエイターの一人としても知られる。

「2022年 『ドラゴンランス レイストリン戦記4 戦場の双子〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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