ドラゴンランス(6) 天空の金竜

  • エンターブレイン
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757711969

感想・レビュー・書評

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  • 結果ドラゴンランスシリーズ6巻全て★4だった

    もちろんこれには明確な理由があり、その理由とはシリーズ全体に横たわる「物足りなさ」だ
    そしてこの「物足りなさ」は意図して作られていると思う

    この物語はテーブルトークRPGのAD&Dというゲームが土台となって作られているのだが
    その上でこの物語に与えられた役割は2つ『広告』と『教科書』だ

    『広告』とはもちろんAD&Dというゲームをより多くの人に知ってもらうためのものでこの物語を入口としてプレイ人口を増やしたいという狙いだ

    そして『教科書』の役割としては次のようなものだ
    テーブルトークRPGのRPはロールプレイングの略なのだが日本語で「演じる」という意味がありゲームの参加者はマスターと呼ばれる進行役が用意した冒険の舞台でそれぞれのキャラクターを「演じて」ゲームを楽しむ
    またマスターも舞台の登場人物やモンスターを「演じる」必要がありドラゴンランスシリーズは「演じる」上での指針になる
    例えば老ドワーフは頑固で愚痴ばかりだけど仲間を常に気にかけてるとか、騎士は高潔な精神をもち誓いに殉ずるとか、ホブゴブリンは汚くて卑怯でプライドがたかいなどなど

    映画の予告編で全てを明かしたら誰も見に来ないのと同様に
    また教科書に全ての答えが乗っていないのと同様に
    不完全で少し物足りないくらいが『広告』と『教科書』としては正解なんです

    つまりはドラゴンランスシリーズを完全にしゃぶり尽くすにはテーブルトークRPGで遊んでいないと難しいということなんですよね

    そりゃあ絶版になっちゃうよなー
    今テーブルトークRPGで遊んでる人なんて絶滅危惧種だもん

    でも自分はさらに『ドラゴンランス伝説』とか読み進めます
    だってテーブルトークRPGのプレイ経験豊富だもん
    しゃぶり尽くすぜ!w

  • タニスたち冒険者一行の物語も、ついにクライマックスとなり、それぞれに生き残った者たちへ、最大の試練が訪れることになります。

    特に、某登場人物に至っては(バレバレだけど)、
    「もう二度と他のケンダーのようにはなれないだろう」と実感するほどの壮絶さだが、それは決して悪いこととは思えなくて、自分たちの凝り固まった価値観に縛られていた、一部のエルフたちに変化が訪れたのと、同様の感慨を抱かせてくれました。
    でも、彼に関しては、元々その兆候はあったけどね。ということで、悪い意味ではなく、寧ろ、大きな成長とも捉えられるのです。

    また、物語はクライマックスということもあり、これまで以上に、息もつかせぬ面白さであり、特にタニスと彼女を巡る展開には、昔読んだ記憶が曖昧だったこともあり、ハラハラドキドキしっぱなしでした。

    そして、形としては、一応、大団円ということでもいいのかなとは思いつつ、単純にどちらかが勝ちましたという終わり方でない点に、考えさせるものがあり、

    『善の過信は不寛容を、狭量さを芽ぶかせる』

    こういった事を、TRPGの小説で教えてくれるとは、正直思いませんでしたし、悪は決して無くならないであろうとも感じました。

    ただ、それが良いか悪いかという問題なのではなく、それは人の心も一緒だし、人を好きになった時もそうだし、そんな日常的光景においても、常に互いに干渉し合う不安定さは付きものだけれども、そこが魅力でもあるし、反対に、それぞれの人間性が問われたり、それが個性として成り立つ場合もあると思うのです。

    もちろん、本書においても愛の為に、様々な善悪の複雑さを覗かせる登場人物もおり、しかも、認めたくない無意識な強がりといった、ロマンス的要素にも説得力を感じましたし、その先の、とある二人については、「やっぱり、あなたが大好き」と安易にならない、人間には闇の一面もあることに加え、精神的成長の素晴らしさも見せてくれて、ちょうどそれは、善と悪、どちらかだけが存在する事が、決して正しいことではない事と、同じ意味合いにも思われて、だからこそ、人間は奥深いのだと実感いたしました。


    以上、全6巻の『戦記』は、次の『伝説』へと続く「双子の兄弟の物語」でもありましたが、タニスにとっての物語でもありました。

    タニスについては、途中、絶望的にも思われたけど、いやはや、壮絶だったね。おそらく、いろんな意味で、こんな体験は二度としたくないと思っているだろうが、これからは、もっと大変なのかもしれないよ。

  •  第一のドラゴンランスのシリーズの最終巻。暗黒の女王タキシスとの決戦に向けて、タニスを中心とする一行が立ち向かう。派手でスケールの大きな展開。悪のドラゴン軍団の中で一行が頑張る様子はアクション映画のシーンのよう。どうしても最初のようなほのぼのとした冒険物語が懐かしくなってしまう。そして、最後の決戦が終結しても、結局すべては解決したわけではないし、今後の物語の続きが気になるような終わり方。とりあえず第一部は終了したという様子。

  • 仲間を助けるために、闇の勢力の本拠地へ。

    3巻に出てきた予言の通りになってしまうのかが焦点の一つだったが、納得できるようなできないような決着のつけ方だった。ちょっとでも誰かに肩入れしていたら、たぶん納得できなかったと思う。

    結局、物語のスピード感を楽しんだということであって、物語自体にはあまり感情移入しなかったような気がする。

  • 様々な愛が混ざり合ってこの物語ができたのだなあ、と思わされる巻。フリントの死は悲しいけれど、終盤のフィズバンの言葉で救われた気持ちになれる。

  • ドラゴンランス最初のシリーズの完結。
    ランスの英雄を描いた英雄譚ではあるけれど、出てくる主要な人物の誰もが葛藤しているし、TRPGが元であるだけに、敵との戦いも無双のようなことは起こらない。
    もしかすると、そこに迂遠さを感じることがあるかもしれないけど、私にはとても好感がもてる描き方だった。

  • ── いやだよ、フリント!
    ぼくを連れずに冒険に出かけちゃうなんて駄目だよ!

    <A HREF="http://boogiepop77.blog24.fc2.com/blog-entry-746.html" TARGET="_blank">感想を読む</A>

  • これで完結。とても面白かったです。主人公たちが人間味あふれてるところもいい。まぁ、それでいらいらするとこもあるけど。続きを借りに行きます。2007/6/14

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著者プロフィール

Margaret Edith Weis。1948年、米国生まれ。アメリカの空想科学小説の作家であり、小説や短編小説を多数執筆。 トレイシー・ヒックマンとの共著である『ドラゴンランス』の作者として世界的に有名で、ドラゴンランス・ゲーム世界のオリジナルクリエイターの一人としても知られる。

「2022年 『ドラゴンランス レイストリン戦記4 戦場の双子〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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