”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

著者 :
制作 : 竹岡 美穂 
  • エンターブレイン
3.77
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  • (22)
  • (3)
本棚登録 : 2511
レビュー : 231
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757729155

感想・レビュー・書評

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  • あなたのことを愛している、それだけは真実。

    文芸部のポストに呪いの手紙? 遠子先輩には付き合っていられないと、捜査に非協力的だった心葉も、九条夏夜乃という別人の名を名乗る雨宮蛍に出会ってから、次第にこの事件に深くかかわり始めて――。

    モチーフの話を『オペラ座の怪人』だと思いながら読んでいて、途中で違うと気づいた。昔一回読んだことがあるのに、忘れていたおめでたい頭。心葉くんの過去も徐々に匂わせていく。心葉くんは消極的な態度なのに、どんどんこの事件に巻き込まれていく。遠子先輩の「弟」櫻井流人も登場。

    元ネタもといモチーフは『嵐が丘』で、現代日本の話と考えると現実的ではない気もする。『嵐が丘』を読んだことのない人には、あまりピンとこないかもしれないし、読んだことがあって、その物語の威力を知っている人にとっては、ちょっと物足りないかも。私は後者。

  • 前回ほどのうまさが感じられなかった/ 書くのしんどそうだなと/ 麻貴先輩のキャラクタ造形が邪魔/ 美人で金持ちで権力者で、とか物語上では害悪でしかない/ 

  • なるほど、あとで「嵐が丘」が主題と知れば、全体の経緯も理解できるのだが、前作に比べて入り込めなかった感アリ

  • うーん、、ハマらなかった。下地に文学作品があるっていうのは、どうにも後付けというか、ある程度展開が決まっているところからスタートするから、苦しい気がする。モチーフが文学作品、っていう切り口は好きなんだけど、それを上手くまとめるのは難しいのかな…。
    前作は下地の作品をぼんやりと知っていたから、こういうことが言いたいんだろうな、と理解できる部分もあったけど、今回の「嵐が丘」は読んだことがなかったから、咀嚼しきれなかったのかもしれない。でもだいぶ複雑になってたと思う。人間関係やら感情やら。
    あと気になるのは遠子先輩の妖怪(?)設定。今のところ、普通の文学少女でもいいのでは、と思ってしまう。今回の幽霊騒ぎがぼやけてたような気がして気になった。そういう変わった存在もありな世界観なのかな、とか。

  • 本をむしゃむしゃ食べる彼女はブックワームそのもの。
    嵐が丘が読みたくて読みたくてたまらなくなる。

  • 正直読んでて気分が悪くなった

  • やっぱり微妙に中途半端なイメージ。たしかにラノベでどうしようもないほど救いのない話は無理だろうけどなぁ。
    前回はエンターテイメント性があったけど、今回はなぁ。何て言うか、「人を犠牲にしても私は私の想いを貫くわよ何それが問題でも?私の想いが重要なのよ。私がよければそれでいいのよ。文句があるならベルサイユまでいらっしゃい」な主張を認めたくない。
    恋狂いと言ってしまえばそれで終わりな気がします。

  •  文学少女シリーズ二作目。
     最初に断っておくが、この作品は全くミステリとしては成立していない。
     じゃあなんなのかといえば、うまく構成されて、伏線を回収している小説だと思う。
     普通、ミステリーでは、探偵役のキャラクターが推理をし、思考する。その思考を、ワトソン役のキャラクターが追いかけることで、物語のメリハリを付けてく。
     ただ、このシリーズの探偵役である遠子は、あまり推理らしい推理をしない。というか、ラスト以外は、ほとんど的外れの「妄想」しか口にしないのだ。そのため、物語の構造上、あまり重要な位置にいない印象が大きい。主人公の方が物語への介入度が高く、遠子が居なくても、物語が成立してしまう危うさの上に、この作品は建っている。
     そういうわけで、一作目では影の薄い印象だった遠子だけれど、今回で、彼女のキャラクターがわかってきた気がする。
     なんというか、本当に、美味しそうに文学を語るのだ。「味」で表現されているのに、その物語を読みたくなってしまう。そして、この「味の表現」の仕方も実に巧みで、筆者の作品への愛を感じる。
     取り上げられている作品を読んでいたことがあれば、確かに、そんな味かもしれない、と思えるのだから不思議だ。
     遠子が文学を食べ、語るシーンは、本当に幸せそうで、彼女から出てくる言葉は、今の心をそのまま表現しているかのようだ。この「文学を食べちゃう」要素が、実は、ラストシーンで大きく生きてくる。
     “文学少女”とタイトルにあるけれど、遠子は絶対的な推理を披露するわけでも、事件を解決するわけでもない。推理をしても、「事実」の前に打ちのめされてしまう、一人の人間として描かれている。
     この描き方が良いのか悪いのかは判らないけれど、そういう意味では、心情描写豊かな語り手の主人公の方が、スポットが当たる。一般的なミステリにおける「ワトソン」と「ホームズ」の目立ち度が逆転しているかのようだ。
     ただ、もしかしたら、「文学少女」とは、主人公のことを示している言葉なのかもしれない。
     さて、肝心のストーリーの内容だけれど、題材が「嵐が丘」ということもあり、もう、どろどろの愛憎で、お前は昼ドラか、ラノベじゃないだろ、これ、という感じ。
     感情移入は、最後の方までまったくできなかった。
     けれど、ラストシーンに出てきた言葉、「天国には行きたくない」という一言に、頬を打たれたみたいに、不意に心を揺さぶられた。泣きそうになった。嵐のように人を愛するとは、こういうことか。わたしには、恋は描けても、愛は描けないな、と思えた。
     たった一言だが、とても大きい。それだけ、描写が積み重ねられてきた、ということなのだろう。
     そして、何が切ないかというと、その「言葉」を、遠子が涙を零し、苦しみながら食べるのだ。
     もう、このシーンのために遠子の設定があるのでは、と思えるくらいに見事だった。
     なるほど、言葉を噛み締め、飲み込む、というのは、まさにことのことなんだろう。
     そういった意味で、この作品は、ラストシーンに全てがあると言える。
     ミステリとしては、むしろ、途中の独白部分を一切消去した方が成立しそうな気がするのだけれど、単純に、「言葉の重さ」に焦点を当てたお話としてみれば、☆三つあげたくなる。

  • 08.4.30 いかにもライトノベル。

著者プロフィール

【野村美月(のむら・みづき)】
2001年『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回ファミ通エンタテインメント大賞(現・えんため大賞)小説部門〈最優秀賞〉を受賞しデビュー。2006年より刊行された、「文学少女」シリーズが大人気となる。その他のシリーズに、「ヒカルが地球にいたころ……」「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」などがある。

「2016年 『晴追町には、ひまりさんがいる。 恋と花火と図書館王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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