“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

著者 :
制作 : 竹岡 美穂 
  • エンターブレイン
3.84
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レビュー : 174
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757730847

作品紹介・あらすじ

「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた-。物語を食べちゃうくらい深く愛する"文学少女"が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、"文学少女"は解き放てるのか-?大好評シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 武者小路実篤『友情』がモティーフ。
    男同士の友情と1人の女を巡る葛藤は、過去の幼い2人の少女の少年を巡る悲しい物語ともリンクする。
    「恋と友情」
    古今東西、男女の三角関係の苦悩の物語は普遍だ。罪悪感に繋がり、翻弄される当事者。その姿は滑稽な愚者か?
    そして主人公・井上心葉の過去の苦悩ともやはり”繋がり”、登場人物おのおのの苦悩が共鳴する。
    しかしその物語を“読み解く”ことで読み手は過去と未来の罪悪感と苦悩から解放され、新たな一歩を踏み出せる。
    悲劇的に終わらず、希望を示唆する遠子先輩、作者に感嘆してしまう。

  • 今回の本筋は己の過去と向き合い未来に歩み始める、でしょうか。話の構成とバランスが上手いです。見事なまでに何度も驚かされました。文学少女としての遠子先輩の活躍が素敵過ぎる。琴吹さんも可愛いけど、扱いが不憫です。ラストの内容も含めて次の巻への期待大です。

  • 芥川君に焦点を当てつつ、文化祭で文芸部と助っ人で演劇をすることに。
    作品は武者小路実篤の「友情」という女1男2の三角関係を描いたもの。

    冷静沈着な芥川くんが取り乱して錯乱するのは驚いた。
    それにしても流血沙汰が多すぎません?

    ラストは傷つけるかもしれない秘密があると明かしながらも友情を結ぶ美しい終わり方。
    裏切りは更に先に。

  • 武者小路実篤の『友情』をモチーフとした作品。
    今まで読んだ三作品の中では一番のお気に入り。

    心葉のクラスメイトの芥川一詩くんと、その彼女だという更科さんの恋物語。

    いつもは冷静で大人な芥川くんの不安定な危うさ。
    ツンデレのデレが少ない琴吹さんの可愛さ。
    千愛ちゃんの冷淡さ。

    が、際立つお話でした。

    人はみんな愚か者。
    芥川くんと一緒に前に進もうって思った心葉も少しずつ前に進めていて嬉しかった。

    美羽がついに出てくるのかな。
    琴吹さんと心葉の出逢いも気になる。

    あ〜劇中の遠子先輩の語り良かったなぁ…。

  • 人と関わるということを、別れることを恐れないで。

    文化祭で劇をすることになった文芸部。心葉だけでなく、芥川や竹田、琴吹も、その遠子先輩の思いつきに巻き込まれ、キャストになる。演じるのは武者小路実篤「友情」だが、おりしも芥川の様子がおかしいところに、この「友情」を思わせる人間関係が存在することがわかってきて――。

    そんなにすぐ刃傷沙汰になる話だったかな、と遠い記憶を思い起こしながら読んだ。心葉くんは今もまだ過去から逃れられず、人知れず苦しむときがある。それを弱いと言ってしまうのは簡単だけど、人は弱くてもいいのではないか、誰だって怖いものがあり、失敗することがあり、だから、そこに寄り添う文学がある。“文学少女”がそのことを教えてくれる。

    ラスト、芥川くんの手紙で、えっとなる。

  • 遠子先輩はかわいい/ そのかわいさを取り出す描写はもう本当にかわいいので良い/ しかし後半の舞台のアドリブはないわ/ そこが言いたいことかも知れないけどちょっと恥ずかしいわ/ 途中に挟まれる手紙がラストのラストの伏線だったようだけど、あまり感心しないオチではある/ あとはどうでもいい/ 千愛ちゃんはかっこいい/ 無表情がカタルシス/ 武者小路実篤の「愛と死」は読みたい/

  • 【あらすじ】
    「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。物語を食べちゃうくらい深く愛する“文学少女”が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか―?大好評シリーズ第3弾。

    【感想】
    ひとことで言うと、すごく重たい話だった。どんどん追い詰められていく芥川くんを見ているのが何よりつらかった。そして、その芥川くんとともに精神のバランスを失い、身体までもボロボロになっていく少女のことも、見ていてとても痛々しかった。それを救いたい、どうにかしたいと思う心葉はやっぱり優しいなと思った。でもそれは、心葉の過去にも関係しているけれど。だから、この物語の最後の一行にはすごく驚いた。わたしはこのことに全然気が付かなかった。この後、物語はどんな展開を見せるのだろう。続きがすごく気になった。

  • 前作は話がやや苦しい感じになっていたけど、今回は人間関係や学校行事をうまく絡めてやっていたと思う。
    ただ心葉が美羽を引きずっている描写が1巻からずっと続いているから、芥川の話にもう少し集中したかった気はする。でも最後のまとめ方は良かったからな…そのためには必要だよな…。たぶん過去に何があったかの詳細が分からないまま現在の心理描写だけされるのがモヤモヤするんだと思う。次巻、そのモヤモヤが少しでも晴れることを期待、、してもいいよね?あのラストは。
    登場人物は複雑な事情を抱えている人ばかり。そして重なるどんでん返し。だんだんボンヤリとしか話が掴めなくなるのはこのポンコツ頭のせいかしら……

  • あとがき曰く、本巻が中間点らしい。そう、心葉の物語はようやく動き出したのだ。恋しい人を傷つけて、人との繋がりに臆病になっていた心葉が、ようやく友を得た。が、そこにたどり着くには、心葉の合わせ鏡のような疵を持つ少年の痛みに向き合い、立ち向かう必要があったのだ。でも、まだ始まったばかり。美羽との間では何の回答も決着もついていない。少年の心には些か重い経験をいかに克服するのか。そして、心葉を見つめるななせ、何かを知っているであろう遠子の想いはどこにたどり着くのだろう。刊行順に読むのを求めた著者に従って正解。

  • 文学少女シリーズ3冊目。シリーズの中で一番好きなこの作品。武者小路実篤の「友情」が主軸となり物語は進んでいく。
    今回のメインは芥川くん。今まであまりスポットの当たらなかった彼が、今後のストーリーで重要になるのだろうと思わされる話だった。
    とりあえず琴吹さんがどんどんどんどん可愛く思えてくる……

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著者プロフィール

【野村美月(のむら・みづき)】
2001年『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回ファミ通エンタテインメント大賞(現・えんため大賞)小説部門〈最優秀賞〉を受賞しデビュー。2006年より刊行された、「文学少女」シリーズが大人気となる。その他のシリーズに、「ヒカルが地球にいたころ……」「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」などがある。

「2016年 『晴追町には、ひまりさんがいる。 恋と花火と図書館王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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