華・族・探・偵 避暑地の憂愁 (B's-LOG文庫)

著者 : 檜原まり子

• エンターブレイン (2007年1月19日発売)

作品紹介・あらすじ

季節は夏。元華族で現在無職の青年・有働久爾彦は、東京大空襲の焼け野原で拾った記憶喪失の少年・希巳と暮らしている。ある日、進駐軍のスパイ機関に勤める従兄弟の轟からワケアリの依頼を受けた久爾彦は、運転手の市丸と希巳を伴い、緑輝く軽井沢に向かった。連夜のダンスパーティー、真夜中にホテルのチャペルでピアノを弾く金髪碧眼の少年。そして調査を頼まれた、元皇族の女性が持っているという「機密文書」の謎…。高原の避暑地を舞台に、ミステリアスな事件の幕が上がる。

感想・レビュー・書評

[yukiserigayaさんの感想 · 2010年1月12日]

確認先：目黒区立八雲中央図書館

敗戦直後の軽井沢を舞台にした作品。戦時中、軽井沢は「抑留地」としての側面があったのだが、そこはきれいにカットされている。

問題点を洗い出すよりも、入り口の展望の仕方としてはよろしいのではありますまいかと。

[謙樹さんの感想 · 2008年2月6日]

「華族探偵」ってタイトルなので、読むまでずっと明治時代か大正時代、もしくは戦前の昭和が物語の舞台なんだろうな〜と思ってました。第二次世界大戦直後だとは全然考えなかった。ラノベにしては結構珍しい時代設定じゃないかなあと思うのですが、どうなのでしょう？ホントのところ「華族探偵」じゃなくて「元華族探偵」っていうのが正しいんだろうけど、でもタイトルが「元華族探偵」じゃ様にならないだろう、とは思いますが。元華族の青年、有働久爾彦は進駐軍のスパイ機関に勤める従兄弟からある依頼を受け、軽井沢に向かう。軽井沢では、元皇族の女性が持つ「機密文書」を探ることになるが･･･。と書くと、ミステリっぽい話かなと思われるかもしれませんが、ミステリを期待して読むと、ちょっと違うかなと思いますが、面白かったです。何と言っても気になるのが、久爾彦が東京大空襲のさなかに拾った記憶をなくした少年、希巳が一体何者なのか、ってことです。続編を読めば段々わかるのでしょうか？

[ナナギさんの感想 · 2007年6月6日]

元華族で、現在無職の有働久爾彦は、東京大空襲の焼け野原で拾った記憶喪失の少年・希巳と暮らしている。ある日，進駐軍のスパイ機関に勤める従兄弟の轟からワケアリの依頼を受けた。運転手の市丸と希巳を伴い，軽井沢に向かった。元皇族の女性が持っているという「機密文書」の謎を解く…高原の避暑地を舞台にミステリアスな事件の幕が上がる！と，いっても，ミステリ的内容は期待しちゃいけません。お気楽で華麗な，ご貴族さまの雰囲気を楽しんでください。「そんなコトあるか！」と微笑みながらツッコむのもオツです。