- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757740778
作品紹介・あらすじ
次期生徒会長に当選した幸宏は、引継ぎ前にもかかわらずヤル気絶頂期に突入。そして階段部も山上桔梗院との再試合が具体化し、対山上の練習に力を入れていた。波佐間との対戦に闘志を燃やす幸宏-と、そこに予想外の協力者が!?なんと敵である水戸野が協力を申し出てきたのだ。波佐間に必ず勝ってくれと言う彼女に戸惑う幸宏だったが…。今度の階段レースは、はじめてのアウェー戦。ビバ青春の無駄足。話題沸騰の青春グラフィティ第8弾。
感想・レビュー・書評
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そりゃないぜお父さん。
久しぶりに部長さんが活躍している気がします。
でも多分、部長さんの正念場はこれからやってくるのでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
9784757740778 282p 2008・4・10 初版
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“「……どうして」
どうしてだろう。どこかに隙があったのか?先日の水戸野との一件以来、気をつけるようにしていたのに。勘の良い水戸野ならともかく、槙島にまで見透かされそうになるなんて。
「どうして、放っておいてくれないんだ」
踏み込んできてもらいたくはない。ここからは全て自分ひとりで決める。そんな線引きをしているというのに、自分の周りの人間はやたらと土足でその中に踏み込んでくる。邪魔で邪魔でしょうがない。
「…………くそっ」”
波佐間勝一の問題。
天ヶ崎と水戸野のやり取りが面白い。
三島は幸宏が好きなの?
にしても幸宏は鈍すぎる。
“「あら、文字通りの引っ張りだこね」
そこへ御神楽までやってくる。幸宏の様子を見てちょっと思案げな顔になり、
「やっぱりこういうことは、男性から誘うのが礼儀じゃないかしら?」
とんでもない提案をしてくれた。希春と三島がハッとした顔になり、幸宏を凝視する。背後からも凄まじい気配を感じるので、おそらく美冬もこちらを見つめているのだろう。幸宏は額に嫌な汗を感じた。
「さあ、誰を選ぶのかしら?」
近づいてきた御神楽は、楽しそうに微笑んでいる。そっと自然に右手を差し出してきた。まるで、その手を取るのが当たり前だと言わんばかりの仕草である。右からは希春の噛みつきそうな目。左からは三島の訴えかける瞳。背後からは美冬の殺気めいた気配。四方を完全に包囲され、幸宏は窮地に立たされた気分だった。
……ええと、一体誰を選べば。
全身が熱くなる。思考がグチャグチャになってきた。周りでは大まかな組み合わせが出来上がりつつある。時間はあまりない。決めなければ。
「僕はっ――」”