エマ 10巻 (BEAM COMIX)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757741782

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀、ヴィクトリア朝末期、英国。貴族社会の末期、一般市民にも知や財の栄が見え始めた頃。
    ジェントリ階級の跡取り息子が、幼少時の家庭教師の家を訪ねた際、メイドと出会い、身分違いの恋に落ちる。

    彼らの恋愛を描いているようで、実は。
    彼らが相思相愛の前提で、運命の障害=保守的で身分社会の英国の「世界観」を描いた作品です。
    古典小説や文学小説では王道の粗筋でありながら、「漫画」というツールで「生きたヴィクトリア朝」の空気を描いています。

    当時の職業、上流階級、市民の暮らし、施設、風習、道具、衣装。
    丁寧な息遣いが聞こえてくる、叙情豊かな描写は、映画よりもリアリティが伝わります。


    メイドのエマと、商家の長男ウィリアムの恋の結末まで7巻。
    そのあと、本編を飾った脇役の「その前」「その後」を描く番外編が3巻(8〜10巻に該当)。

    個人的には、後半が流れに流されすぎであった本編よりも、(ここが☆一つマイナス)
    その後の結末を含む短編で描いた番外編が秀逸で好きです。

    エマの主、未亡人ケリーの夫が生きていた頃。
    ウィリアムに恋した可憐な令嬢エレノアの、一人の女性としての自立心の芽生え。
    ドイツ移民で商家のメルダース一家の日常。当時の芸術の裏舞台や日常。
    温かい庶民の生まれ・優秀で自立する働く女性のさきがけなどなど、メイドの同僚立ちの日常。
    個人的に一番好きな、ウィリアムの弟アーサーの学校生活など。

    登場人物という言葉の枠にとらわれず、生き生きと・はたまた時代に立ち向かって生きる、当時のでも人々のぬくもりが伝わります。

    エマという女性に関しても、ただのシンデレラストーリーではありません。
    「見目麗しい女性が、貴族の目にとまった」のではなく
    「聡明で機知にあふれる不幸な生まれの女性が幸せをつかむ」話なのです。

    エマが美人にカウントされているので分かりにくいのですが、エマの外見の美醜は、問題ではありません。(美人度だけの話なら、エレノアやアデーレやアルマも目を引く美人です。)
    本来なら「才媛」に値する女性が孤児の生まれだった。
    しかし、その顔立ちやたたずまいには彼女の聡明さがにじみ出ていた。
    それを家庭教師ケリーに出会い・見込まれ、住み込みでメイドとして教育される。
    (※孤児をメイドとして教育するのはまず不可能というのが一般論)
    その後、物語の上でメイド→侍女→レディ→奥方…と、
    当時の身分社会のキャリアを下から上へ、順番に網羅していった様は漫画ならでは。
    この過程は、新しい主人のメルダース夫人の戯れによるもので、その描写も面白いのです。


    クラシックな英国が好きという方であれば、老若男女問わず楽しめる作品だと思います。

  • 面白いとは聞いてたけど、メイドだし、どーせ下らんオタクモノだと思ってスルーしてた。表紙もなんか絵面微妙だったし。

    が、読んでみたらオタクな要素はほとんどなく、ガチの19世紀末のイギリスの話だった。ロマンスと言えばいいのか?
    作者(女)のメイド好きップリが物凄い押し出されてる。メイド好きだぜぇ−!って描いてる感じが良い。

    そして、絵面の進歩ップリが半端ない。 10巻までいくと、「質感」を出すのがすげぇ上手くて感動する。細かい装飾とかまでミッチリ描き込んでる。こういう絵描きたいなぁ。

    色々見応えのある、すごく面白い漫画だった。

    ただ・・・エノレアさん可哀想すぎると思う。さすがに。

  • いまさらながら大団円の10巻。森さんは言葉にならない部分を描くのがすごく上手いですね。相変わらずものすごく書き込んでいて、じゃあ精緻なだけなんか、というとちょっと違って、ときおり荒かったりするw
    でもそのへんが、うまく物語を流させてるんだよなあ。ターシャよい子です。

  • 正統派なラブロマンスメイドマンガ。

    ここまで正々堂々と好きなものは好きだぜ!と書いている作者の姿勢がカッコイイ。
    線と絵もしっかりしていて好きです。楽しい。

    ただひとつ難をいえば、エマの顔が美人に見えない……って思うの私だけなのかな。
    設定上美人と認識してます。

  • アーサーのお話が良いですね。
    カレはマジメ君過ぎますがついてくる後輩は確かに多そう。。
    甥っ子を それ 呼ばわりもなんだかカレらしいですし。

  • 森薫さんのおかげでただのメイド好き(並)がただのメイド好き(大)になりました
    映画みたいな雰囲気が好きです

  • 甘いだけでなく、苦味も書かれた逸品。
    イギリスヴィクトリア王朝期の風俗が結構きちんと描かれているのではないかと思う。背景もきれい。

  • 階級の差がまだ根強く残る時代、メイドのエマと、貴族のウィリアム・ジョーンズの身分の差を超えた二人の物語。

    …まず森先生の愛が作品から溢れ出ているのをひしひしと感じさせられる。背景の建築物のほとんどを森先生自身が描いてるとか。…凄い。
    純愛で、序盤の初々しい二人の関係にはにまにませずにはいられないです。

  • 眼鏡メイド萌え。

  • メイドと御曹司の恋物語。ハーレクインだ…大好きだ。そういえばヨーロッパのテレビで2週間ぐらい貴族のお屋敷でなりきり生活をおくるバラエティ番組?があったそうですね。当主から子供から料理人から執事からメイドまですべて一般募集でマジ生活。ちょっとDVD欲しかった(笑)

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著者プロフィール

* 同名著者複数

1.漫画家
森薫(もり かおる)
1978年東京都出身の漫画家、同人作家。代表作に2005年第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、テレビアニメ化された『エマ』、マンガ大賞2014では大賞を受賞した『乙嫁語り』。

2.カウンセラー
森薫(もり かおる)
1950年佐賀県に生まれる。中央大学卒業後、2007年まで東京都内の中学校において、心障学級・通級情緒障害児学級などを受け持ち、熱心な生徒指導で保護者からも信頼を集める。2007年にはkTC総合教育研究所所長となる。元屋久島おおぞら高校副校長。2012年、一般社団法人家族支援メンタルサポート協会を設立、理事長に就任。
現在は学びリンク総研所長・家族支援メンタルサポート協会理事長。専門分野は、家族カウンセリング・非行問題・子育て支援・発達障害・不登校問題等多岐にわたり、年間百回以上の講演を行うなど、全国を駆け回っている。

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