“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)

著者 :
制作 : 竹岡 美穂 
  • エンターブレイン
3.92
  • (131)
  • (163)
  • (144)
  • (12)
  • (0)
本棚登録 : 1406
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757748293

作品紹介・あらすじ

聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりの上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉。彼に惹かれ、勢いで文芸部に入部してしまった菜乃だったが、心葉の胸には既にひとりの"文学少女"が宿っていた。まるで相手にされず、落ち込む菜乃。けれど、彼女がある事件に巻き込まれ、追い詰められたとき、心葉は告げる。「気づかないふりも、目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ」-文学初心者の少女が物語に隠された真実を探す、もうひとつの"文学少女"の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • “文学少女”シリーズはあまり詳しくないのですが……。近松門左衛門の『曽根崎心中』を巡る悲しい恋のお話。〈心中〉という恋の形、その強い魅力を認めた上で、けして自殺行為を認めるわけでないという、作品の立ち位置に好感が持てる。『“文学少女”と死にたがりの道化』と、〈対〉を意識した感じ?

  • 読む前は遠子先輩のいない”文学少女”なんて想像できませんでしたが、読み終わると間違いなく、これは“文学少女”シリーズです。「~道化」と重なるシーンの中で、姫がアトリエで「今度はおたくが、その子の手を引いてゆくのね」と言う場面が気に入ってます。菜乃ちゃんのキャラにも好感が持てました。

  •  外伝というよりは、遠子の登場しない、心葉としての続編と言ってよいのでは…。遠子とだけの関係性であった文芸部を突き崩せるかは、心葉の成長に関わる。その意味で、遠子とは性格的に違う(本質的に明朗快活・めげない、そして読書初心者)菜乃だからこそ、新たな、異質な文芸部を作りあげられるという期待いっぱいである。そう、ななせも美羽も、遠子を交えた心葉に関わり過ぎた(二人の述懐や心境は痛々しくもあるが)。遠子と離れ離れになって、またもや閉じこもりがちな心葉の心をこじ開けられるのは、菜乃のようなタイプしかなかろう。
    人との距離感が超然としすぎる心葉の傾向は全然変わっていない。素直な感情の開陳ができない性格なのだろう。確かに「日坂菜乃を大嫌い」という心葉だが、好きの反対は嫌いではなくて無関心。彼はこれを判っているのだろうか。それゆえ、心葉にこう言わせる菜乃の存在は大きい。また、今回登場する年上彼女の恋への逡巡や不安感を、心葉はどう見たか。なるほど、心葉が謎解きを主導したが、この微妙な女心を感じ取れるまでには至っていないよう。遠子の心葉への想いを、彼自身が読み解くには不可欠な経験と感じられる一編。

  • ★★★☆ 3.5 読み終わった感想は正直「重い」。面白いとは思うのだけど、ラノベの枠で人が死ぬ、人生とは何ぞやと問われるのはどうも気が滅入る。読んだ時の自分のコンディションにもよるのだけど、それを差し引いてもこの物語の中ではいろいろ起こりすぎるような気がする。(名作文学に見立てて登場人物を設定し動かしているからそれはしょうがないのかなと思うがそれにしてもエキセントリックな展開過ぎ)とはいえ、シリーズの行く末が気になるのでこのまま読み続けていきたいと思う。

  • 遠子先輩編がひとまず完結で、その続き。
    本当に好き。このラノベ。

  • 近松門左衛門の「曽根崎心中」をモチーフに書かれたお話。
    心葉のその後を書かれた物語です。
    謎解き役が遠子先輩から心葉に変わりました。
    心葉くんに出来るかな…と思っていたのですが、不安などいらなかったようです。
    彼も成長していました。

  • 心葉のその後を書いた作品。濃すぎる新主人公が先輩の代わりに出て来ます。話としては、誤解から悲惨な事件になってしまいましたが、救いのある感じの終わり方でよかったです。モチーフとした作品は曽根崎心中だそうです。

  • 「文学少女」シリーズの続編第1弾。遠子が卒業し、文芸部の部長となった心葉と、そんな彼を偶然目にして一目惚れした新入生の日坂菜乃(ひのさか・なの)の物語。

    心葉に憧れて文芸部に入部した菜乃ですが、心葉は今でも遠子一人のことを想い続けていると知り、落胆します。それでも彼女はめげることなく、心葉へのアタックを続けます。

    ある日菜乃は、近松門左衛門の『曽根崎心中』の背景について調べるよう心葉にアドヴァイスされ、図書館を訪れます。そこで彼女は、松本和(まつもと・なごむ)と名乗る美女と出会います。近松と心中の話で意気投合した2人は仲良くなりますが、とつぜん、和と連絡が取れなくなります。和の行方を追って彼女の学校を訪れた菜乃は、松本和という名前の生徒は男の子で、しかも雛沢幸(ひなざわ・さち)という少女と心中をしていたという事実を知ることになります。

    今回は、物語のテンポがゆったりとしていて、遠子の思い出を心に抱き続ける、少し陰のあるキャラクターとして再登場した心葉と、元気でコミカルなキャラクターの菜乃のかけ合いを楽しんで読めました。心葉に一途な菜乃が、今後どのように成長するのか、楽しみです。

  • 話自体は文学少女で好きなのだけれど、
    くっ、この泥棒猫!と叫び出したくなってしまう。
    ななせ、切ないなあ。

  • 久しぶりの文学少女シリーズ!
    やっぱりいいなぁ!
    古典文学や名作と呼ばれた本をよみたくなりますね!

    今回は近松門左衛門の「曽根崎心中」がテーマになっています。
    愛し合った二人は優しくない現実にも負けたけど、自分の心にも負けたんです!
    という菜乃ちゃんの言葉に胸を撃たれました。
    生きていたらきっとまた幸せになれるかもしれないから!
    私はハッピーエンドを信じます!
    って明るく前向きに語った菜乃ちゃん。

    この作品は読み終わった後、優しい気持ちになれて、明日への希望に満ちていく明るい気分にしてくれる所がお気に入りです。

全89件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

【野村美月(のむら・みづき)】
2001年『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回ファミ通エンタテインメント大賞(現・えんため大賞)小説部門〈最優秀賞〉を受賞しデビュー。2006年より刊行された、「文学少女」シリーズが大人気となる。その他のシリーズに、「ヒカルが地球にいたころ……」「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」などがある。

「2016年 『晴追町には、ひまりさんがいる。 恋と花火と図書館王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)のその他の作品

野村美月の作品

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする