“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫 の 2-8-1)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757748293

作品紹介・あらすじ

聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりの上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉。彼に惹かれ、勢いで文芸部に入部してしまった菜乃だったが、心葉の胸には既にひとりの"文学少女"が宿っていた。まるで相手にされず、落ち込む菜乃。けれど、彼女がある事件に巻き込まれ、追い詰められたとき、心葉は告げる。「気づかないふりも、目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ」-文学初心者の少女が物語に隠された真実を探す、もうひとつの"文学少女"の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は遠子先輩のいない”文学少女”なんて想像できませんでしたが、読み終わると間違いなく、これは“文学少女”シリーズです。「~道化」と重なるシーンの中で、姫がアトリエで「今度はおたくが、その子の手を引いてゆくのね」と言う場面が気に入ってます。菜乃ちゃんのキャラにも好感が持てました。

  • 正直、ちょっと敬遠してたけど、その必要はなかった。なんか、本編の最後より心葉くんが大人っぽい気がする。

  • 久しぶりに読み返した作品。
    学生の頃読んだ時は、まだまだ菜乃ちゃんの良さが分かってなかった。
    菜乃ちゃんが朱里さんに一生懸命じぶんの「近松論」を語っているところは、新たな文学少女って感じ。
    遠子先輩と同じく、どうしようもなく暗い現実も明るく照らそうとしてくれて…。
    読んでるこっちまで、勇気を貰いました。

  • 聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりと上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉。彼に惹かれてさ、勢いで文芸部に入部してしまった菜乃だったが、心葉の胸には既にひとりの"文学少女"が宿っていた。まるで相手にされず、落ち込む菜乃。けれど、彼女がある事件に巻き込まれ、追い詰められたとき、心葉は告げる。「気づかないふりも、目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ」──文学初心者の少女が物語に隠された真実を探す、もうひとつの"文学少女"の物語!!

  • 見習い①。
    コノハに一目惚れした1年生の菜乃が文芸部に入って猛烈アタックをしつつ、
    菜乃がお題の曽根崎心中を調べてる中で知り合った中で知り合った人の事件に巻き込まれる話。

    菜乃の友達の瞳ちゃんの
    「やめなよ、他に好きな人がいる男なんて」
    「平気なの?そんなに冷たくされて、全然見込みがないのに側にいて、辛くないの?」
    というセリフは、この先の展開を知ってると友達を心配する言葉以外に受け取れる。

    トラウマを克服し、先輩が卒業して後輩が入ったことでコノハくんが成長したようで。
    全然似てないのに遠子先輩を思わせる行動を微妙にする菜乃とコノハがどう成長していくのか楽しみです。

    あと、ラストでコノハが菜乃を嫌うのは納得はできるけども、事件解決に協力しておきながら唐突すぎて驚いた。

  •  外伝というよりは、遠子の登場しない、心葉としての続編と言ってよいのでは…。遠子とだけの関係性であった文芸部を突き崩せるかは、心葉の成長に関わる。その意味で、遠子とは性格的に違う(本質的に明朗快活・めげない、そして読書初心者)菜乃だからこそ、新たな、異質な文芸部を作りあげられるという期待いっぱいである。そう、ななせも美羽も、遠子を交えた心葉に関わり過ぎた(二人の述懐や心境は痛々しくもあるが)。遠子と離れ離れになって、またもや閉じこもりがちな心葉の心をこじ開けられるのは、菜乃のようなタイプしかなかろう。
    人との距離感が超然としすぎる心葉の傾向は全然変わっていない。素直な感情の開陳ができない性格なのだろう。確かに「日坂菜乃を大嫌い」という心葉だが、好きの反対は嫌いではなくて無関心。彼はこれを判っているのだろうか。それゆえ、心葉にこう言わせる菜乃の存在は大きい。また、今回登場する年上彼女の恋への逡巡や不安感を、心葉はどう見たか。なるほど、心葉が謎解きを主導したが、この微妙な女心を感じ取れるまでには至っていないよう。遠子の心葉への想いを、彼自身が読み解くには不可欠な経験と感じられる一編。

  • ★★★☆ 3.5 読み終わった感想は正直「重い」。面白いとは思うのだけど、ラノベの枠で人が死ぬ、人生とは何ぞやと問われるのはどうも気が滅入る。読んだ時の自分のコンディションにもよるのだけど、それを差し引いてもこの物語の中ではいろいろ起こりすぎるような気がする。(名作文学に見立てて登場人物を設定し動かしているからそれはしょうがないのかなと思うがそれにしてもエキセントリックな展開過ぎ)とはいえ、シリーズの行く末が気になるのでこのまま読み続けていきたいと思う。

  • 遠子先輩編がひとまず完結で、その続き。
    本当に好き。このラノベ。

  • 近松門左衛門の「曽根崎心中」をモチーフに書かれたお話。
    心葉のその後を書かれた物語です。
    謎解き役が遠子先輩から心葉に変わりました。
    心葉くんに出来るかな…と思っていたのですが、不安などいらなかったようです。
    彼も成長していました。

  • 心葉のその後を書いた作品。濃すぎる新主人公が先輩の代わりに出て来ます。話としては、誤解から悲惨な事件になってしまいましたが、救いのある感じの終わり方でよかったです。モチーフとした作品は曽根崎心中だそうです。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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