今日はカノジョがいないから(1) (百合姫コミックス)

著者 :
  • 一迅社
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本棚登録 : 74
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・マンガ (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758023399

感想・レビュー・書評

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  • あぁーーーひたすらに好きです!
    大好きな彼女さんが部活で忙しい
    わかってるけどやっぱり寂しい...
    どうしようもなくて裏垢に愚痴を書いて
    恋人が居る人ならではのリアルな描写が
    グサグサと心に刺さってくる作品です。
    読み終わった後に、自分が見えるの裏では
    どんなに悪いことやダメなことだと世間対で
    言うことに関しての見方が少し変わります。

  • 典型的裏垢

  • 自己正当化からはじまる百合と浮気の物語、三角関係ではありません。

    もっといえば、赤裸々でかわいいランジェリーからもはじまります。
    偏執的……とまでは言えませんが、服のしわの描き込みが十全にされている絵柄からもわかる通りにコケティッシュでどことなく挑発的な絵柄が特徴的ですね。

    作者の「岩見樹代子」先生の著作は現時点では拝見していませんが、そういった作風に定評がある方であるのだろうと思うことなどもします。

    あとは登場する女の子たちの肉付きは総じて良かったりとかなんとか。
    とは言え、身体のパーツどれひとつとっても隙がなく、全身のべつまくなく美しいのです。
    ……だけど、主人公周りにはいろんな意味で軽薄な雰囲気が漂ってます。
    ハードルを越えてしまうことに納得を持たせる一因になってしまうのだから怖いんですけどね。

    ああそうだ。まずは「浮気」といいました。
    さぁ、話をかるーく追っていきましょう。

    主人公「朝日奈ゆに」は同性の「夏目七瀬」と付き合っているけど周囲に隠してる現状に不満を抱えている女子です。嫉妬や不満、ちょっとした負の感情を愚痴に変えてSNSの裏アカウントに吐き出してます。
    俗にいうところのめんどくさい女子は、自分だけを見てくれないカノジョにやきもきしてます。

    だけど不満のはけ口を求めた、ちょっと危険な裏垢遊びが、もっとアブない女に見つかった。
    彼女の弱みを握った、第三の女「瀧風羽子」が現れて……、というストーリーです。
    一応、メインの三人のフルネームで並べました。紹介文では下の名前だけが連なっていますが、下の名前と上の名字の切り替えが、話を動かす転機になっていたりするのでしっかり押さえておくと面白いです。

    といったわけで安心と安全のレーベル「百合姫コミックス」ということもあって、男が本筋に関わってこないことは保証されていますが、なんというかセーフティーラインはそれだけ。
    同性を愛する女同士いきなり鉄火場に発展することはないとしても、時限爆弾がさっそく設置されます。

    そもそもがエロティックな作品の雰囲気にも後押しされ、元々ハードルが低めなのに……。
    ガンガン「ゆに」に揺さぶりをかける「風羽子」、「ゆに」は自分だけを見てくれない「七瀬」に求めるばかりでこじらせる。そして部活に打ち込み何も知らない「七瀬」。生ぬるい地獄がはじまりました?

    風羽子の妙手ばかりを打ち時には弱みも見せて……、要求を通してくる手管の巧みさは確かに光ります。
    ただそれ以上に抗しきれず言い訳を探しては風羽子の方にもたれかかる「ゆに」も作品を盛り上げます。
    七瀬自身は、主観は置いといて客観的にみるならまったく非はないだけに「ゆに」はうん、アレですね。

    さて。もちろん「浮気」がテーマである以上は、好き嫌いが分かれる作品なのは当然だとします。
    ただ、これはズルズルといってしまうのもわかるな……と思わせる、スムーズな流れからの納得感もセットでついてきます。この作品はさっそく強いのだと感じたりもします。断言できちゃうかもしれません。

    女性の身体を知り尽くしていなければ描けないなと思わせるスキンシップはもちろんのこと。
    基本、ゆには長身の七瀬にリードを取ってもらうことが多いのですが、やはり風羽子も自分を上の体勢に割り込ませる場面が多く、弱みはきっかけの口実とばかりに主導権を握ってきます。

    加えて風羽子は秘密の共有や約束の駆け引きなど、吊り橋効果や背徳感を狙ったか、二人で行う空間/時間演出を行ってくるのですが、やはりこちらも上手いです。これは絆される。
    結果、一巻時点で罪悪感をはじめ色んな感情を飲み込んだキスへとさっそく辿り着いてしまったのです。
    七瀬とゆにの間には肉体関係まであるため、まだ証はあるのかもしれませんが、さっそく危険域ですね。

    そんなわけで展開が早いのはいいことなのか、勇み足とは思わせずに読者の目を惹きつけてくれました。
    私は出歯亀にもトムくんにもなりたくはないつもりですが、この三人がどうなってしまうのか、覗き見るしかないじゃない! というわけで私も責任転嫁。作者先生はなかなか罪なことをなさいますね。

    なお表紙からもわかるように作中ではスマホとコミュニケーションアプリが効果的に用いられています。
    ただ、それはわかりあうためではなく、すれ違いの手段が増えただけのように思えたのも怖い。
    結局は肌の触れ合い、言葉のぶつけ合いが物を言うのだという真理が私の心の中を駆け抜けました。

    時に。風羽子さえ現れなければ、ゆにと七瀬のカップルは、(ゆにの方が)正と負の感情の間で揺れ動きつつプラスマイナスゼロでなんとか落ち着いて前に向かっていったのかもしれません。
    ただ、人の悪い意見を言わせてもらえればたとえそれがマイナスの方向であろうとも強烈な感情の振れ幅になるのなら、物語としてはこの出会いも許されるのかなあって、私としては思ったりもしました。

    いずれにせよカタストロフ(破局)を思わせるモノローグが効果的に響く中、見てはならないものを見てしまいました。最後まで追いかけたくなりました。人によりますが、一度読んだら共犯者かも?
    あ、それと最後に。冒頭の何気ない会話の中で草(w)がセリフに生えていたりと、狙って軽薄な雰囲気を作っている風でもある本作ですが、空気が軽いならきっと遠くまで心の音が響くのかもしれませんね。

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