この家に勇者様もしくは救世主さまはいらっしゃいませんか?! 1 (一迅社文庫)

著者 :
  • 一迅社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758042994

感想・レビュー・書評

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  • 同作者の「ステレオタイプ・パワープレイ」を加筆・修正したリメイク作品。
    元になったステレオタイプ・パワープレイはなかなか好きなライトノベルのひとつだった。
    この1巻を読んだ限りでは、どのあたりが加筆され、修正されたのかよくわからない。というか、正直あんまり細かい部分は覚えてない。
    とりあえず、イラストが一新されている。
    物語の内容的には、
    ・小学生のころ、異世界に召喚され、勇者としてその世界を救った
    ・中学生のころ、銀河帝国の皇女を守るため、宇宙海賊と戦った
    ・去年、地球を守るためにアンドロイドの少女と共に秘密結社を倒した
    そんな主人公、石川涼の元に、転校生の少女が訪れる。
    「世界を守るために力を貸してください」
    平和に暮らしたい涼だったが、頼まれると嫌とは言えない性格だったりする。
    少女の頼みに応えようと決意したそのとき、涼の元に次々と少女達が現れて・・・。
    「勇者様!世界の危機です!お助けください!」
    「石川君、秘密結社の生き残りが活動を始めました」
    「リョウ。宇宙海賊が復活した。お主の力を借りたい」
    地球と宇宙とついでに異世界のピンチを同時に告げられ、救いを求められる主人公。
    どうするの?というような具合のお話。
    いわゆる「強くてニューゲーム」なお話に近いんだけど、この主人公は少し代わっていて、本人の戦闘能力は決して高くは無い。
    ただ、勇者としての才能というか、救世主としての素質が突出して高く「伝説級の武具」や「魔導の力」を操ることができる。
    端的に言うと、肉体的な能力は一般人と変わらないが、強力なアイテムを使いこなすことができ、高い洞察力と判断力で状況に対応することができるキャラクターになっている。
    よくいる、状況に流されて不思議な力で戦うだけの主人公とはそこがちょっと違う。
    どちらかというと知性派で理性派。
    そこが非常に面白いし、好みにストライクな主人公だったりする。
    異世界の伝説級の武具、地球の魔道書、宇宙の超兵器などを駆使し、力ずくでばっさりと難事を解決していく主人公の痛快活劇が実に楽しい。
    原作であるステレオタイプ・パワープレイという表題は実に的を射ているし、同タイトルの煽りとして使われた「石川涼の擦り切れるほどのパワープレイ」という文章は秀逸だと思う。
    川口士の描く主人公は強くて魅力的。文章レベルも高く、物語が普通に面白い。
    安心して読める好きな作家の一人ではあるんだけど、ひとつだけ、少しだけ残念な点があったりする。
    ラノベ的には、少女キャラがいまいち可愛くないんだよね。
    魅力はある。魅力はあるんだけど、いかにもラノベ的な甘ったるさはない。
    それが長所ではあるんだけど、時々物足りなく感じるのも事実だったりする。

著者プロフィール

2006年、第18回富士見ファンタジア長編小説大賞にて「戦鬼」で大賞を受賞。

「2015年 『魔弾の王と戦姫 8』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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