千の魔剣と盾の乙女13 (一迅社文庫)

著者 :
制作 : アシオ 
  • 一迅社
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本棚登録 : 36
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758045476

感想・レビュー・書評

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  •  ケンコスがエリシアに仕掛けた憑依を払うモノ。これを探索する物語を展開の軸にしつつ、そこに据えられる物語の核は、ロックの精神的暴風雨を晴らしていく様だ。

     その本巻の肝は、ロックの心の裡が恐怖・悔恨・悲嘆・救いがたき激情の渦にある中、その慰めを女(具体的には女の肌の温もり。もっと有体に言えばセックス)に求めたことに対する、ナギの処し方とフィルの観念的男性像の乖離だ。

     確かにナギの処し方は男目線で都合のよい女に見える。しかし、今回の場合、強姦のような暴力的強要ではなく、ナギは心も体もロックを受け入れる態度に溢れる。彼を愛しているからだ。
     そして、それは男の心の闇を癒し、晴らす方法として有効なのだ。

     一方、このロックの行動に、フィルは生理的嫌悪感を滲ませつつ、その批判の骨子を「エリシアに悪いから」という3人の嫁の不均衡な取り扱いに求めていく。
     何とも理想的・観念的男性像の押し付けである。

     男性においては、時と場合、あるいは相手、さらには年齢によって多様な意味づけを持つ性行為を、愛情の確認行為に収斂化しがちな女性(勿論女性なら須らくという意味ではない)との乖離が、割に生々しく描出されている。


     この男女の、あるいはフィルとナギの何れが是というのではない。現実にもありそうな男女の性に対する乖離を、著者は逃げずに描写したことが意外だと感じたのだ。いやむしろ、幕間回でありながら(幕間回だからできたとも言えそうだが)、男女の一筋縄ではいかない関係を描述したのは、読み手を子供扱いしていない著者の姿勢とも言えそう。
     悪くないと感じたところである。

  • 大切な存在の喪失はやはり大きく、ロックが別人のようでしたね。フィル・ナギの手助けもあってどうにか持ち直してくれたようで何より。相変わらずファンタジーRPGを読んでるような次を期待するワクワク感があって読んでて楽しいです。残り2冊らしいけど、立ち向かうべき敵はまだまだ大きい存在のようなのでどうまとめていくのか楽しみ。

  • あと2冊か。ここまで来たら、結末を見届けないとおさまらない。

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