小さくて頼もしいモデル生物〜歴史を知って活かしきる

制作 : 森脇 和郎 
  • 羊土社 (2014年4月2日発売)
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  • レビュー :8
  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758120470

小さくて頼もしいモデル生物〜歴史を知って活かしきるの感想・レビュー・書評

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  • 2階書架 : QY050/MOR : 3410159487

  • いつもお世話しているあの動植物についてもっと知ろう!!

    理図書 460.75||Mo71 11878933

  • 11月新着
    表紙がマウスなのでてっきり実験動物の本なのかと思ったのだがそう単純なものではないのだった。「ヒトによる育成の過程を経てつくられた」のは動物だけではないのだし・・・例えば本書の「アサガオ」のように。
    歴史を辿りつつ、しかも遺伝子解析という秘密兵器で強烈な事実にまでたどりつく、本書独特の展開はクセになりそうである。実験用アルビノラットがたった1匹のしろねずみに由来していると言い切る88ページなど、思えばすごい内容ではないか。
    写真もうつくしい。150ページ足らずで読みやすく、とっかかりやすく、そしてぎっしり濃い一冊である。

  • 私たちが現在享受している科学にはモデル生物が重要な働きをしてきました。モデル生物が何たるかを知ることはこれから科学者を目指す人にとっては必須のことだと思います。

    生命環境科学部 4年生

  • 北里大学医学図書館OPACへ
    http://saosrv.kitasato-u.ac.jp/webopac/newexe.do?pkey=BB10113734

  • 生きものは複雑です。
    生物の仕組みを知りたい、あるいはヒトへの臨床応用の準備をしたい、というときに、試験管での実験だけでなく、生物モデルを用いた実験が必須になります。

    本書はバイオサイエンス系の雑誌『実験医学』に連載されていた記事をまとめたものです。『実験医学』は創刊30年といいますから、この分野では古株になりますか。医学と生物学をつなぐ雑誌です。
    専門誌から出てきた本なので、コンパクトですが、生物系でないとやや取っつきにくい感じです。

    扱われている13種類の生物は

    ・マウス(Mus musculus)
    ・メダカ(ミナミメダカ(Oryzias latipes)/キタノメダカ(Oryzias sakaizumii))
    ・線虫(Caenorhabditis elegans)
    ・ショウジョウバエ(キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)
    ・カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)
    ・シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)
    ・酵母(分裂酵母(Saccharomyces cerevisiae)/出芽酵母(Schizosaccharomyces pombe))
    ・ラット(Rattus norvegicus)
    ・原核生物(大腸菌(Escherichia coli)/枯草菌(Bacillus subtilis))
    ・カイコ(Bombyx mori)
    ・細胞性粘菌(キイロタマホコリカビ(Dictyostelium discoideum))
    ・アサガオ(Ipomoea nil)
    ・コモンマーモセット(Callithrix jacchus)


    です。
    それぞれがモデル生物となった経緯、歴史などに加え、今後の展望も述べられています。モデル生物ごとに担当の執筆者(その生物を用いた研究を行っている研究者)がいますが、筆者とその生物との関わりを語るコラムなどもあり、研究者の素顔もちらっと窺えておもしろいです。

    取り上げられているモデル生物は単細胞から霊長類までさまざまですが、共通しているのは、
    ・扱いやすい(飼育・培養が簡単、性質が温和など)
    ・ゲノム(遺伝子情報)サイズが大きすぎない
    ・増やしやすい(成熟までの期間が長すぎない、子孫を多く作る)
    点でしょうか。あまりにも貴重すぎるものや獰猛すぎるもの、繁殖・増殖が極端に困難なものはモデル生物としては不適切ということになります。

    まずおもしろいところでは、シロイヌナズナ。これ、生物の実験ではよく聞く種なのですが、英名を聞いたことがありません。「名もない雑草」だったものが、使い勝手がよいために盛んに使用されるようになったため、英語圏では主に、属名のArabidopsisを用いているそうです。
    シロイヌナズナがなぜそんなにもてはやされているかというと、個体サイズが小さく、生活環が短いことが大きいようです。2000年には高等植物で初めて全ゲノムが解読され、いっそう使い甲斐のあるものとなっています。
    雑草であるため、応用的な価値に囚われずに研究者間の情報のやり取りが可能となり、研究が進展したというのがなかなか興味深いです。

    日本発のものでは、メダカとアサガオがあります。いずれも観賞用として江戸の人々にも親しまれてきたものです。
    メダカは明治の終わり頃から体色の遺伝の研究などに用いられ、後に性決定遺伝子が発見されています。小型で狭い水槽でも比較的多数が飼育でき、成熟も2,3ヶ月です。スペースシャトルでの実験にも使用されました。
    アサガオは江戸期にさまざまな変わり朝顔が生み出されたことでも知られます。絞り模様などの元になったと考えられるのが、トランスポゾン。染色体上を飛び回る「動く遺伝子」です。これがある場所から別の場所に移動することで、「設計図」が書き換えられ、色や模様の変化を生みます。多くのアサガオ系統は残念なことに戦争のため失われてしまいましたが、研究者の努力によって、収集・保存された種もあります。
    戦争で影響を受けたといえば、カイコも同様です。卵は種子とは異なり保存が利かず、1年に1度の飼育が必須です。春に世代更新をした卵は翌年まで保管した後、飼育しなければなりません。戦時中は疎蚕といって、安全な場所に貴重な種の蚕を移動させることもあったとのこと。

    マウスは哺乳類としては最も使用されている実験生物かもしれません。やや大きいラットは外科手技を伴うものによく使われます。マーモセットは霊長類としては小型で増えやすい一方、人獣共通感染症の危険が少ないという特徴があります。
    カタユウレイボヤは脊椎動物に最も近い無脊椎動物として注目されてきました。線虫、C.エレガンスは発生分化で大きな役割を果たした虫で、全細胞系譜、全神経回路網、全塩基配列が報告されており、線虫研究からは多くのノーベル賞受賞者も出ました。

    さまざまなモデル生物に支えられ、生物学は成り立ちます。
    貴重な生物資源の保存と有益な利用を願いたいと思います。

  • 配架場所 : 一般図書
    請求記号 : 460.75@C100@1
    Book ID : 80100465692

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002397023&CON_LNG=JPN&

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小さくて頼もしいモデル生物〜歴史を知って活かしきるはこんな本です

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