ラヴィン・ザ・キューブ

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 64
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411301

作品紹介・あらすじ

認知症を患った父親の為に、工業デザイナーへの道を断たれた水沢依奈はロボットメーカーに就職し、介護をこなしながら功績をあげていたが、突然の異動で特装機体開発室の秘書を命じられる。人事に不満を持つ依奈を悩ませたのは、室長である佐原シンという分裂病質の悪名高いロボット工学者。アリーという認知行動研究用アンドロイドを秘書として置いている佐原は人間の補佐を拒み依奈を追い出そうとするが、依奈は自分の異動の理由が会社が受注したアンドロイド10体の製造管理だと役員に告げられる。依奈は、納期遵守のエキスパートとして、佐原の作る「ロボット」の秘書となった。実はそれは兵器であったのだ…。だが、佐原だけはルックスのみに不満を募らせていた。生産工学の観点から相容れない要素である造形芸術(アート)と理論の追求(エンジニアリング)。理論の追求よりも造形を優先する佐原は、結果的に機械の物理的な限界まで技術と才能で飛び越えてしまう。それこそが佐原が天才と呼ばれる所似だった。製品の引き渡しの際、機体の起動をする権限者に佐原は依奈を選び、その解除コードを与える。解除コードは不思議な3つの記号『$◇a(エスバレー・ポワンソン・プティタ)』で構成されていた。佐原がコードに込めた、意味とは果たして何なのか?第9回小松左京賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • 近未来の日本で、アンドロイド開発に尽力する女性を書いた小説。

    実の父が痴呆で体の自由が利かなくなっている状態で、自分はアンドロイド開発に携わる。この開発がやがて人類にどんな影響を及ぼすのかは分からないが、きっとその結末を、同じ開発者であった父は知らずに逝くだろう。

    そして、最終的に開発したアンドロイドは兵器として使われることにも矛盾を感じる。どんなに人間に近く、美しく作られようともその目的は人類の破壊。開発者としては悩む所だろう。

    もしかしたら起こるかもしれない未来を垣間見た気がします。

  • 未来の話だけど、今のモノづくり現場と通じている話。
    ヒロインのこだわりに共感。

  • 言いたいことは分かるのだが、難しすぎてついていけない。結局何やってるの?

  • 始まりのところ、これまでありそうでなかった「製造業SF」か! と思った。これまで、エンジニアリングSFは結構あったけど、研究や開発ばかりで、製造業SFってなかったよなあ、と思って読んだけど、最終的には割と普通の開発SFになっちゃったかな?
    ネタと言いキャラクターと言い、悪くない。面白い。なのに読後感は、なんていうか、「惜しい」という感じ。
    これ読んで、特許や意匠には「公序良俗に反する」ものは登録されない、ってあるけど、完璧に人体を模したアンドロイドは公序良俗を乱すことになるのだろうか、などと思った。
    ところで、英語表記のlovein'(loveのing系にはe入らない)にはなんか深い意味があるんだろうか?

  • 普段SFは敬遠することが多いのですが、
    (物理とか数学とかちんぷんかんぷんになるので……)
    それでも神林長平アンソロジーを読んでみて
    森深紅さんという名前を知りました。

    神林長平さんの作品をオマージュした
    大昔の技術(ガソリンエンジン)で作られた車を
    復活させようとするお年寄りの話でしたが、
    ラストに至るまでの物語の構成の仕方や
    小道具の使い方がとても上手な
    知的な作家さんだと感じました。

    そして気になったのでこの作品をお取り寄せ。
    こちらはアンドロイドを製作する技術者と
    それをサポートする女性のお話。

    これがデビュー作のようですが、変わらず上手い。
    視点の切り替えなどがやや乱暴に感じられたりはしますが、
    物語、登場人物、作品に対する真摯な姿勢が伝わってきました。

    出てくるエンジニアのとかく理屈っぽいことと言ったら。
    その辺りのキャラクターの心情、行動が
    実に生き生きとしているのでした。

    そして今作では小道具として(アンソロジーでは猫でした)
    主役である水沢依奈という女性の名前に意味が出てきます。
    さすがです。
    私は最後までまったく気がつきませんでした。

  • 特に面白くはなかったけど、ずっとつまらなくもなかったのは、登場人物や世界観は魅力だったからかな

  • 真面目な主人公が急に移動させられた部署は
    特注なロボットを作る部署だった。
    そして、舞い込む極秘のプロジェクト。

    話が進むにつれて、
    プロジェクトの内容が見えてきます。
    そして、主人公と同じ目線で謎が解けていく感じで
    読み進めることができました。

    森さんの作品は今後も追いたいと思います。

  • ロボットを作る側からロボットについて描いたSF。ヒロインに感情移入しながら読んだ。

  • 第9回小松左京賞受賞作品。近未来、特注のアンドロイド製作に工程管理者として関わることになった女性秘書のお話。SF好き、ロボット好きにはたまりません。

  • 仕事の目的を達成するためには妥協せず
    頼らず自分の足で前に進む

    このストーリーは好きです

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