キャベツ炒めに捧ぐ

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.51
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感想 : 229
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411790

感想・レビュー・書評

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  • 本を開いている間、ずっと楽しかった。
    こういう感じの読書時間が私は一番好きだなぁ。
    ワケあって今は独り身のアラフォーならぬ、アラフィフならぬ、アラ還女子3人のお話。
    3人でお惣菜屋さんをやっていて、配達に来る米屋の若い男の子にちょっかい出してみたり、それもやや本気で取り合ってみたり(笑)
    「この歳になれば、憂いのある人生のほうがふつう」そんなお年頃。
    相手の事情を「詳しく知りたい気持ちはほとんどない。首尾よくない事情ならなおさら。人生はままならないものだということはもうじゅうぶんすぎるほどわかっているのだから、それを裏付けるエピソードの在庫をわざわざ増やさなくたっていいだろう」
    だけど、相手が聞いてもらいたいと思っている時は黙って(いや、チャチャを入れつつ)聞いてあげる。おばちゃん同士の付き合いってそういうものだよね〜
    3人ともそれでもまだ吹っ切れない気持ちを持っていたりもして、お姉さま方からしたらちょっと年下の私が色々吹っ切れてなくてもまだ大丈夫ってことかなぁ‥‥とちょっと安心できたりもしました。
    『あ〜いちいち面白い』と何度も言いながら読みました。

    • aoihitoさん
      フォローありがとうございます。この作品面白そう!
      群ようこさん、小川糸さん、柚木麻子さんなどのほのぼの系好きなので今度読んでみようと思いま...
      フォローありがとうございます。この作品面白そう!
      群ようこさん、小川糸さん、柚木麻子さんなどのほのぼの系好きなので今度読んでみようと思います(^^)
      2021/02/22
    • こっとんさん
      aoihitoさん、こちらこそフォローありがとうございます。
      この本、面白かったですよ〜
      趣味が合いそうで嬉しいです!
      今後ともどうぞよろし...
      aoihitoさん、こちらこそフォローありがとうございます。
      この本、面白かったですよ〜
      趣味が合いそうで嬉しいです!
      今後ともどうぞよろしくお願いします。
      2021/02/22
    • aoihitoさん
      こちらこそよろしくお願いいたします!
      こちらこそよろしくお願いいたします!
      2021/02/22
  • 一万円選書の中の一冊です。
    江子、麻津子、郁子は、惣菜屋さん「ここ屋」で働く、シングル3人組。
    シングルなのには、それぞれ理由がある。そして乗り越えていく物語。
    お店で売られる惣菜は、あー、美味しそうなものばかり。私も通りかかったら、買っちゃいそう。そして江子さんに、つっこみ攻撃されながら、賑やかに話して楽しく買い物してそうな光景が浮かんできた。
    「料理ってすごいわよね。江子は思う。高級食材じゃなくても凝ったことをしなくても、おいしく作りさえすればちゃんと美味しくなるんだもの。」
    この一文が心に染みた。
    食事を食べて、美味しいと感じられることって、何気ないけど、実はすごく大切なことなんだって実感した


  • アラ還の女性三人で営む家庭の味が自慢の惣菜屋「ここ家」
    別れた夫が忘れられずにいる江子さん、幼馴染の旬君のことが気になる麻津子さん、半年前に死別した夫とのわだかまりを未だに抱えている郁子さんそれぞれが心に吹っ切れないものを持っているけれども、ここ家でお惣菜を作っている時は、みんなとびっきり明るく元気!

    この本の魅力は何といっても、ここ家に並ぶお惣菜のラインナップとそのおいしそうなこと

    ある日のメニューは・÷・・
    茸の混ぜご飯、茄子の揚げ煮、茸入り肉じゃが、秋鮭の南蛮漬け、蒸し鶏と小松菜の梅ソース、豚モモとじゃがぃもの唐揚げパセリソース、白菜とリンゴとチーズとくるみのサラダ、さつまいもとソーセージのカレーサラダ、それに定番のひじき煮、コロッケ、浅漬け

    空腹の時に読んだら、たまらない
    まだまだ、続々とおいしいメニューが出てくる、出てくる

    ゆりねと海老と椎茸が入ったがんもを作り、揚げたてのがんもに醤油をかけてパクつく・・・喉がなった
    料理の苦手な私は、思った
    そうか、がんもって、手作りできるものなのかと
    あさりフライにも目が点になった
    あさりの身を取り出し、串に刺しフライに
    わあ、ビールに合いそう・・・

    タイトルになった『キャベツ炒め』の描写も喉がなったが、それは読んでからのお楽しみということで

    近所にこんなお惣菜屋さんがあったらいいのにと、心底思ってしまった

    どんなに悲しくても辛くても、食べなければ生きていけないから
    何かを食べるために動き出さなくてはならないから
    料理ができてよかった。食べることが好きでよかった。生きものでよかった!と実感する江子
    当たり前のことだけれど、食べることの大切さも再確認!

  • 同世代のおばちゃんたちのお話、面白かった❤️❤️
    わたしも、女友達と過ごすのが大好きすぎて、時間が足りなさすぎます。
    今のわたしの環境は、この小説と少しだけ似ていて、高校時代の同級生が社長で、わたしが唯一の従業員なので、恋バナしたり、子供の話をしたり、来週は、韓国弾丸一泊旅行に行くなど、しっちゃかめっちゃかな生活ですが、とても楽しく過ごせています。(ちゃんと仕事もしています。)
    現実は小説ではないので、わたしは平凡なおばあちゃんだけど、社長は二バツで、現実は小説よりすごいです‼️
    何が言いたいかというと、わたしはこういう現実的な自分と近い小説が大好きってことです❤️

  • おばちゃんたち、パワーあるし、楽しそうです。
    巻き込まれた若い子たち、まだそんなに人をあしらう方法にたけてないから、大変だったかな。
    おいしいもの食べて、しゃべって、どこか行って。。。
    こういうほのぼのとした暮しがあってもいいかもしれないですね。幸せだな~

  • 60歳近くの女性たちの恋愛模様という、珍しい設定だが、いつまで経っても乙女なんだなぁと。

  • 結婚してから毎日、食べる物のことばかり考えている。
    冷蔵庫のあれは早く食べなきゃだ困ったなとか、
    スーパーでお買い得だったからこれにしようとか。
    でもいつかは、この本のココ家の人たちみたいに
    アサリが美味しそうだから
    これはこう料理して食べたら美味しかろうというふうに
    天ぷらにしようか
    それともニンニクと炒めてこうしようかとか
    そんな風に円熟したアイデアが
    次々と描ける人になりたいな。

    歳を重ねて酸いも甘いも経験して
    それでもまだほろ苦い人生は続いていく。
    10代の頃のように悲しみに振り回されるだけでなく
    なんとなく享受したり観察してみたり。
    女が歳を重ねることも
    存外悪いことじゃないなと思わせてくれる
    素敵な一冊。

  • なんて愛すべきおばちゃんたち!惣菜屋で働く郁子、江子、麻津子の3人。それぞれ全く違うキャラクターではあるが『行く・来る・待つ』の三拍子揃った不思議な連帯感で、見ているこちらを幸せな気持ちにさせてくれる。

    60歳前後の彼女たち、それぞれ紆余曲折な人生を歩んではいるが、笑い合って、憎まれ口たたき合って、おばちゃんパワーでなんとか人生乗り切っていけてるんじゃないの?女って強いんだ!ってとても元気になれるお話しでした。

    それに、彼女たちが作るお惣菜がとても美味しそう。男の人の、胃袋を捕まえられるという気待ちが分かるような気がしますね。あ〜、お腹空いた☆

    • 円軌道の外さん

      はじめまして!
      関西から東京に引っ越したばかりの
      猫と映画と音楽好きで
      活字中毒のプロボクサーです。

      遅くなりましたが、お気...

      はじめまして!
      関西から東京に引っ越したばかりの
      猫と映画と音楽好きで
      活字中毒のプロボクサーです。

      遅くなりましたが、お気に入りと
      フォローありがとうございました!

      奇遇にも、今自分も
      コレ読み始めたところです!(笑)

      ボクサーなのに食べることが大好きなので(笑)
      タイトルに惹かれて手に取ったけど、
      詳細な料理描写に毎話ニヤケながら
      ゆっくりゆっくりと
      幸せな読書時間に浸ってます。

      コメントやお気に入りポチ頂ければ
      必ずお返しに参りますので
      これからも末永くよろしくお願いします(^^)

      2014/09/29
    • フーミンさん
      円軌道の外さん、はじめまして。
      たくさんの花丸&フォローありがとうございます!
      なんだか恐縮しちゃいます(*^o^*)

      私も食べる...
      円軌道の外さん、はじめまして。
      たくさんの花丸&フォローありがとうございます!
      なんだか恐縮しちゃいます(*^o^*)

      私も食べる事大好きですよ。美味しいものを食べると幸せな気持ちになります☆
      ボクサーさんか…、食事制限等さぞかし大変でしょう。凄いです!尊敬しますよ。

      フォローさせて頂いてる皆さんのレビューは大いに参考させてもらってますので、お勧めなどありましたらお知らせしてもらえると嬉しいです。
      こちらこそどうぞ宜しくお願いします!

      2014/09/29
  • 60代に入ったばかりの女性3人が営む惣菜屋「ここ家」。
    それぞれがいろんな人生を歩み、今は独り身。
    でも明るく元気に日々を楽しんでる(ように見える)。
    読んでいると、60代って事を忘れてしまう。
    それほど、嬉々として若々しい雰囲気をかもし出してる。
    お米屋さんの配達人、本当に若い20代の進君をからかいながらの、
    3人の日常が、そして美味しそうな食べ物達が読んでいて心地良かったです。

  • 思い出したように書評家・藤田さんオススメを。
    なにしろ2011年12月を参考だったので、
    図書館で無競争で借りることができた1冊。

    借りてから気づいたのだが、
    この方「つやのよる」の著者?
    (しかしながら2013年2月13日現在wikiの作品一覧には本作品はなく・・・)
    しかも、つやのよるのほうが旧作なんだ。なるほど。

    わたしにとっては初・井上荒野作品となるが、
    読み始めて、登場人物が60代だと知り、はて、この先うまいこと読み進められるかと心配だったが、そこは心配無用。むしろ、3人の登場人物それぞれに共感できる部分も多かったし、感情移入できるとは、意外だった。

    明らかに、自分の、これから歩んでいくだろう人生を、先に歩んでいる彼女たちの生き方。人生の断片の物語だったので。

    加えて「かもめ食堂」や「かたつむり食堂」、「しあわせのパン」とまではいかないまでも、「お惣菜」として「料理」や「食材」が物語の中にエッセンスとして登用される。
    この組み合わせが案外新鮮だった。
    設定も私たち世代に限らず、むしろもっと上の年代の女性にはもっと楽しめるのでは。
    でも不思議なことに、出てくる3人ともに、なんとなく「おばさん」の匂いが感じられないのは、著者自身が若いから?謎。

    「つやのよる」は映画で観てみようと思っていたけど、
    こうなってくると原作も読んでみたくなった。

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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