- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758411929
感想・レビュー・書評
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最後まで夢中で読み切った!面白かった。ここまで長いと途中飽きて来ること多いが、色々な個性のある人物が登場し、それぞれの立場でその時代を生ききっているという感があり、ワクワクしながら圧倒された。淡々とした文章に好感を持て読みやすかった!
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終わってしまった。蘇武の北での生活に憧れる。
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前漢第7代の皇帝武帝の生涯を司馬遷の史記より小説に仕立てた筆者渾身の話題作。短気で独断的だといわれ前漢の国力を最も充実させた武帝。前半は天才戦術家衛青と霍去病の抜擢。そして繊細かつ慎重に中央集権体制を強化、外征にて成功を納め領域を拡大し東西交渉を盛んにしていく。繁栄が絶頂を迎えると今度は退廃への一歩。治世後半では絶大な権力に溺れ、体の衰えとともに絶対的な権力が侵される不安に晒されていく。時を経て揺れ動く心の様を匈奴の反攻と司馬遷による本紀完成とともに見事に描ききる。そしてなんといっても、水滸伝、楊家将でおなじみ迫力満点の騎兵戦。唸る歴史書!
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北方版史記の完結編となります。史記・武帝紀というタイトルの割には司馬遷や武帝は登場人物の1人に過ぎず、多くの主人公たちがそれぞれの人生を精一杯生きる姿を描いています。個人的には、北に流され極寒の地で1人生き抜いた蘇武の生きざまに心揺さぶられました。史記について詳しくないので、史実とフィクションの境目がよく分かりませんが、北方節全開の一級エンターテインメント小説だと思います。
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☆は堂々の5つ!
北方謙三:武帝紀その最終巻。正直この物語ってこんなに面白かったっけ!?って思えるほど良い最終話でした。
考えてみれば、のっけの1巻目を読み始めたのが何時だったかすっかり忘れてしまいましたが、もし機会があればもう一度最初から読み返してみたいと思う、数少ない作品になりました。
とってもすごく歴史の勉強にもなるし、もちろん物語としてもかなり面白い。こういう本をどしどし読むと、わたしのバカ空気頭も、少しは賢くなったのではないかと気分のよい勘違いをします。
ああ、よかったよかった。
さて年末年始は一体何を読んで過ごそうか・・・。
すまんこってす。すごすご[m:237]。 -
最終巻で傑作に昇華させた北方先生の手腕は見事。
もう一度最初から読み返したい。
前半の衛青、霍去病より後半の李陵、蘇武の方がキャラがぐいぐい立ってきて好き。
最晩年の劉徹と桑弘羊のやり取りも涙ものです。 -
漢の武帝(諡名)のまさに「紀伝」である武帝紀を、武帝自身が腐刑(宮刑)を命じた司馬遷が書いた「史記」を通じて小説化する、という…
前漢の時代の逼塞した政治状況と、北の民である匈奴(これは中華からみた蔑称で自分たちは別の呼び方をしたと思うが)のおおらかな制度の違いも描かれていた。本編はその大団円。
司馬遷は「黄帝」の時代からの歴史を書いたのだから、次は、有名な「項羽」と「劉邦」の時代の北方・史記を読めるのだろうか… -
漢の7代皇帝、武帝こと劉徹が死ぬ7巻で終わり。武帝死ぬ間際に聡明さを取り戻すのは北方謙三さんの希望なんだろうか。司馬遷など登場人物にも愛情を感じ始めていたので、ハッピーエンドでよかったかな。