ゾンビ日記

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 161
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411981

作品紹介・あらすじ

運命の日から数年後、生きている人間を探し求めて東京を彷徨ってきた男は、静かな絶望のなかにいた。男と共存するのは、犬や猫の動物ではなく、徘徊するゾンビのみ。人を襲わず、なにも食らわず、何にも関心がない。男の他には、“生きている”人間はいなかった。残された食料で生き続ける男は、無偽な生活から逃れるように、やがて銃を手にする――。

ゾンビたちが出現した理由は?
運命の日には何が起こったのか?

アニメ・映画監督の押井守が描く、新しい小説世界!

感想・レビュー・書評

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  • ゾンビの話かと思って読んだら、スナイパーの銃の知識自慢と独り言だった。

  • 小説の体をとっているが、いつもの。
    ほのかに自伝的であり、短編の文量を長編化するための間を埋めつくすウンチクの書である。
    2012/06刊行。2008年公開の映画『スカイ・クロラ』で明らかになった子殺しあるいは唯我独尊的自我の発露は本作品にもあり、クライマックスに至る主人公の決断を理解することは文脈上困難である。俺はいいけどお前はダメ、俺以外はみんな死ね。ある種のクリエイターはそんなふうに考えているフシがある。恩返しと称して後輩を育成するようなことをやってみせながら、表裏念入りにキルドレを銃撃してみせたように、二律背反的であったとしても。

    きっかけは『身体のリアル』、実姉である最上和子氏との対談から。文字情報から得られる最上和子氏の活動はスピリチュアルな印象で、本分たる舞踏を見ても理解できまいと感じさせられた。実姉の言動からインスピレーションを得たという本書が手がかりになるのではないかと思ったのかもしれない。
    なんだかんだいいつつもフォロワーなので、なにかしら理由をつけて成果物に触れたいのだろう。だが、評価はたいてい星3に落ち着いてしまう。

  • 文学

  • この人がゾンビだったのか
    我々もルーチンと言う名のゾンビなのか 永劫の修羅を生きねばならない罪人か

  • 押井守って小説も書けるんだ。というか、これは小説なのだろうか?
    死と殺人(戦争行為含む)、そして二足歩行に関する考察と独白。人間が如何に人を殺しつつも、殺人を忌避してきたか。
    特殊状況による独白劇で何を押井守は言いたかったのだろうか?

  • 押井さんの薀蓄日記。死にたいする考察・人間の動きに関する考察もあり。

  • ながいボヤキをこぼしながら同じ事の毎日を過ごす主人公が住む押井世界にゾンビがいたら、、、
    そんな、夢みたいな設定で映像化もしないだろう小説
    ゾンビ設定も今回限りな感じ
    ゾンビ好きか押井好きしか読まないだろう一作
    ゾンビ好きにはもの足りない一作

  • ゾンビ映画のような内容を想像して読むと肩透かし。
    押井節に浸りたい人向け。

  • 語りと思考と緊張感。最後まで興味深く読めた。

  • タイトルに騙された。ゾンビ日記であるので、主人公がゾンビだと思っていたが、全く違う話であり、ゾンビは登場するものの、あくまでも人間の一形態として、しかも何も理由も背景も語られることなく、自然に人間がゾンビに変わる世界に、生きている人としての主人公のモノローグとして話が綴られているのが、日記に相当する。ただし、その日記も、そういった非現実的な世界での話ではなく、ただ只管に人間と戦争と銃器と狼と護犬の話が語れらており、ある意味、戦争と銃器のオタク的な話であるとともに、何も進展も発展もしないので、好かない人には全く向かない話となっている。死人の世界となった世界がどうなるのか、また何故、そうなったとか、物語の根幹をなす設定には一切、なんも頓着も無く説明もなく、ただただ単に、作者の語りたいことの背景として位置付けられている、ある種の潔さが楽しい。個人的には十分に面白かった。

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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