破天の剣

著者 : 天野純希
  • 角川春樹事務所 (2012年12月3日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412063

破天の剣の感想・レビュー・書評

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  • 気になる作家さんを発見!天野純希さん。2008年デビューの35歳!この人はいずれ時代小説のジャンルの一翼を担う方になるんじゃないかと思う。

    手にとった本は「破天の剣」中身をサラサラとめくると知将と呼ばれた安土桃山時代末期の島津家の四男、島津家久を取り上げたものだった。前々から読んでみたい武将だったのでこれはと思い瞬間で読破。

    普段は昼行灯のような家久が戦場に立ち軍配を握ると人が変わる。一番有名な龍造寺を叩きのめした沖田畷の合戦は奢った龍造寺に助けられた感はあるもののやはり強いイメージがわく。見たわけではないから何とも言えないが、やはり人の出し入れの能力がずば抜けている。

    合戦前に初陣である嫡男の豊久にかけた

    「あっぱれな武者振り、ただ上帯の結び方はこうするのだ」と結び直して脇差でその帯端を切った。そして「よく聞け。もし軍に勝って討死しなければ、この上帯は我が解こう。だが今日の軍で屍を戦場に晒す時は、切った上帯を見て、島津が家に生まれた者の思い切ったる所作と敵も知り、我もその死を喜ぼう」と言ったそうだが、すごい父親でもあった。

    その後この豊久は関ヶ原において脱出する軍の殿を引受、家久の兄である主君義弘を脱出させ、徳川四天王の井伊直政に後に致命傷となる傷を与え討ち死にをする親子ともどもに勇敢であった。

    今後の期待もあるので、辛めだが。脇を支える人たちがどこか中途半端。それぞれに要所要所で登場させるのならもう少しドラマが欲しいなぁ~と思う。脇の人たちにドラマがあると全体を含めてワクワク感が止まらなくなるんですよね~。

    久しぶりに面白い作家さんを発掘できました!

  • 九州の島津家4兄弟の、九州統一を目指した物語。
    末っ子で、戦の天才の島津家久が主人公。
    戦国時代で4兄弟ときたなら、裏切りや陰謀が渦巻くかと思いきや。
    多少揉める事もありながら、家族愛があるのが良かった。
    島津家久の最後は、ちょっと悲しかったな。

  • 島津四兄弟。義久、義弘、歳久、家久。
    薩摩一国から九州制覇まで。
    信長の野望では優秀な武将たち。
    生まれながらの天才はいない。
    出自や育ちに苦悩しながら、大切なものを守るため知勇を振り絞る。
    隆盛を誇った大名も一度の敗戦で高転びする。
    国人衆は、味方でも形勢が悪くなるとすぐに裏切る。
    心休まるときはなかっただろうなぁと。
    何ものにも囚われることなく、外洋に乗り出す家久を見てみたいと思った。

  • 善し悪しがありますが軽いタッチで戦国時代末期の島津家、義久、義弘、歳久、家久の四兄弟を描く。家久だけが異母兄弟で、破天荒な行動で何を考えているか解らずうつけ者と呼ばれ兄たちに劣等感を抱くが、後に天才的な軍略家となる。四兄弟はいずれも統率力、武力、智力、戦術に秀で、仲違いしそうなものだが、強い絆で結束して生き馬の目を抜くが如き戦国の世で島津家を守っていく。兄弟それぞれの個性を出し、なぜ島津家が生き残れたのかが伺える。足利、織田、豊臣、徳川、島津家は勝ちはせず負けもせず、耐えに耐えて力を付け、幕末に爆発する。

  • 戦国末期の島津四兄弟の家久の物語。丹念な下調べ、シミュレーションに基づいた戦術、鬼神と崇められた、闘いの数々。そして最後は毒殺?黒田の謀略?
    すざましい島津の闘いが非常によい

  • とにかく視点が定まらない。戦闘と作戦が淡々、延々と描かれるだけ。一見昼行灯なスーパースター島津家久は、何でもこなしてしまう。戦国の世とはいえ、戦をゲーム感覚としてしか描けていないように思えてならない。家久を描くために、あえて本人ではなく周囲の人たち、周囲の状況を描き、そこから家久を浮き彫りにする狙いだったのだろうか?乱世とはいえ、登場人物はコロコロと意見と態度を変え、まったく一貫性と信頼性がない。家久本人の心情はついに語られず、まったく思い入れが湧いてこない。「桃山・・」「信長・・」とはまるでかけ離れて、作品中に「情熱」の欠片も感じることができなかった。史実の辻褄あわせに走るとこうなってしまうのだろうか?
    天野さんは本当にこんな作品を書きたかったのか?
    失望した。

  • 戦の天才ながら空気読めない美形弟という、ヤマトタケルや源義経の系譜上の人物として描かれた、島津四兄弟末弟のお話。周囲が家久に時に振り回され、時に疎んじ、それでもなんだかんだで仲良くやっていく様は笑ったし泣いた。文章も読みやすくてつるつる進みました。
    戦国島津家の流れをがっつり追えるだけでなく、島津オタによれば逸話がこれでもかと盛り込まれてるらしく、戦国島津家の入門書としてもありがたい……か?

  • 努力こそが天賦の才なんだと思います。

  • 戦時に異能を発揮する人が多数発するということが歴史ものとして多々、語られることが多いが、そもそも平時には異能を発揮しようもないので、戦時の人の名が残ることになるのは自明の理である。薩摩の島津は、戦国時代というよりも幕末の斉彬の時代にスポットライトが当たることが多く、また、最近でも大河ドラマなどにも取り上げられ、記憶に残っているが、戦国時代は正直、良く分かっていなかった。取り上げられたとしても、信長、秀吉側の立身出世もの側の、敵役としての端役が多く、本作の主人公の様な軍神とあがめられるような人物がいたことは、全く知らなかった。毛利さん兄弟は三本の矢という逸話があるが、島津兄弟もなかなか、主人公もさることながら、謀略の兄が九州征伐の秀吉に最後に見せた意地等、結構なネタが残っている様で、また、この時代の他の話を読みたくなった。

  • 笑って泣いた。
    もっと日本史を勉強したいと思わせる一冊です。

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