人質

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.31
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本棚登録 : 371
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412070

感想・レビュー・書評

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  • 道警シリーズ6冊め。
    重たい雰囲気の話が多い佐々木譲氏の作品の中で
    この道警シリーズは比較的エンタテインメント性が高く
    緊迫感漂うストーリー展開の割に、いい意味でキャラクターが軽い。
    ボリュームがないわけじゃないのに一気読みしてしまうのは
    その辺に原因があるのかな。

    リミットが決まってる設定が多い道警シリーズの中でも
    今作はとりわけ事案発生から解決までの時間が短い。
    メインとなるのは小島巡査部長(巡査から昇進した)だが
    なんだかんだでいつものメンバーが活躍する安定感。
    短い時間の中で解決するスピード感もさることながら
    小島巡査部長と佐伯警部補とが違う角度から同じ結論を導く洞察力、
    更に導かれた結論があちこちから絡んでいく醍醐味、といった
    このシリーズの魅力をめいっぱい堪能できる話だったと思う。
    前作の『密売人』から原点に還った感じがしてたんだけど
    今作もその流れを踏襲していたことが嬉しかった。

    本筋とはあまり関係のないところだが、合コンのくだりは興味深かった。
    新宮巡査のチャラい部分と職務に忠実な部分の両面が見えたことで
    彼の株がちょっと上がるんじゃないかと。
    冒頭のスマートフォンのくだりで登場した秋山晴香巡査は
    今後のシリーズで重要な部分を担いそうな気がするのは深読みしすぎか。

    個人的には警察庁刑事部長とその娘婿に対して非常にムカついた(笑)。
    事件解決のあと、娘夫婦は間違いなく離婚したと思うのだが
    その辺は果たしてどうなったのだろう。気になる(爆)。

    • hs19501112さん
      道警シリーズ、好きです。
      文庫化を待って購入するようにしているため、「人質」を読むのはまだ先ですが・・・。

      文庫化をますます楽しみに...
      道警シリーズ、好きです。
      文庫化を待って購入するようにしているため、「人質」を読むのはまだ先ですが・・・。

      文庫化をますます楽しみにさせてくれたレビューに、ポチッと押させていただきます。

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      2013/12/25
  •  映画も、連ドラ化されると薄味となる。それでも月9(ゲツク)くらいならいいが、火サスの二時間ドラマあたりになると、使い回しの役者に頼った高齢者狙いの場当たり的視聴率狙いが見え見えで、なおのこと興が削がれる。小説もシリーズ化してゆく中で、肝に命じねばならぬ注意点はそうした馴れ合いに陥らぬことだと思う。その意味で、危うく奈落に落ちそうになり、ぎりぎり土俵際で「残った」と言わせているのが、この道警シリーズの現在の姿なのかな。

     『歌う警官』で好評を博した本シリーズの刑事たちは、その後道警シリーズと呼ばれることで、飛躍を繰り返し、読者たちにはシリーズ続編が待たれるようになった。そもそもが本当にあった道警裏金疑惑の内部告発事件を題材とした硬派の警察小説シリーズである。そのまま87分署の後釜を標榜してもいいくらいの刑事たちの存在感だってあったのだ。

     しかし、ここのところ目先を変え、犯罪者の側にポイントを当てたシリーズとして、大きくツイストしたもので、エンターテインメントの土俵にとにかく載せてしまおうという作者の意図が、そろそろ鼻についてきてはいないだろうか。本作も、立てこもり事件という、最初から最後まで緊迫感の伝わる舞台装置を用意し、そこに前作同様、またもプライベート・タイムを活用しようとした小島百合刑事が居合わせてしまい、これでは最近は、彼女はほぼ独立系の主人公ではないいのかと思えてくるほど重用視されている。

     横山秀夫であれば短編で書いてしまいそうな内容を、少し薄味にして、無理やり長くした印象のあるのが本書である。少なくとも中編小説(100ページくらい?)の長さに収めれば、より締まりがあったかなと思える。本書では犯人側の要求の反復がやたら多い上に、登場人物をあちこちにバラ撒き、同時制を示しながらのフラッシュバックを多用することで一種のリズムを与えながらも全体としては語りすぎてスピード感を失っている印象を否めない感覚が、どうしても残る。

     エキセントリックでツイストされたよいプロットだし、籠城小説としては、新機軸のアイディアとなろうかと思われる。舞台装置としての札幌伏見<N43><ハイグロウンカフェ>あたりをモデルにした夜景の美しいカフェという設定も、小説設定としてはあまり前例が思い当たらず、面白いところだと思う。

     だからこそ、この作品こそは、薄めず、エッセンスの部分だけで、よりスピーディ&スリリングに語ってしまうコンパクトな形が生きたかな? と思われてならない。

     この作品程度の厚さというものは、読む側にとってはとても楽だし取っつききやすいのだけれども、その弊害としてのあっさり感は作品にとって、必ずしも得とばかりは言い切れない。多少の引っかかりがあっても、無駄なきプロットは、より高みを目指す読者を獲得するためのいい武器になるのではないかと、ぼくは思うのだが。

     批判的に見えるレビューと思われるかもしれないが、それほどこの物語で取り上げられたものは面白い題材であり、良いプロットであると感じたゆえ、敢えて言わせてもらったものである。ぼくとしては、佐々木譲と道警シリーズの果て無き継続を、ただただ祈るばかりである。

  • 北海道警シリーズ。冤罪事件の被害者がワインバーに立てこもり、当時の本部長の謝罪を要求するが、真の目的は。。。。前作はアレだったけど、面白かった。

  • 好きな道警シリーズ.外れなく安心し,リラックスして読める.

  • 冤罪被害者が警察の謝罪を求めて、人質立てこもり事件を起こす。犯人の協力者には別の目的があった。立てこもったレストランオーナーが政治家の娘。政治家には外国からの不正資金があった。表向き謝罪を要求しながら、裏では恐喝をする。
    交渉ものとして面白く読んだ。事件解決はギリギリのタイミングだった。現金を運び出すときに犯人が強盗の狂言をして、そこに刑事がたまたま押し掛けた。
    冤罪被害者がいいように使われ、男の人質は頼りなく、女の人質が媚びを売るのが分かりやすかった。

  • 前作読んでから4,5年経っていて、キャラ設定を思い出せなかった。内容はあまりたいしたことないというか、たいした情報もないのに都合よく推理がズバズバ当たりすぎてリアリティにかけ過ぎる。

  • 道警シリーズ第6弾。
    前作よりおもしろかった。
    今回は心理戦が主で会話の内容からその裏を読む展開がいつもと違って良かった。
    でも、、中島喜美夫さんの謝罪については、なんとかしてあげて欲しかった!!
    その後、楠木の政治生命、来見田夫妻、山科の対応がどうなったのか、気になるー。

  • 道警シリーズ。

  • 2015/09/24
    移動中

  • ちょっと内容は普通。
    レストランに閉じ込められた人質。
    佐伯はかっこよさげ

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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