ヒーローインタビュー

著者 :
  • 角川春樹事務所
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412247

作品紹介・あらすじ

仁藤全。高校では42本塁打を放ち、2000年に阪神タイガースの8位指名を受け入団。強打の外野手として期待されたものの伸び悩み、2010年までの10年間で171試合に出場、通算打率2割6分7厘で8本の本塁打に終わる。もとより、ヒーローインタビューのお立ち台に上ったことはない。しかし、彼について語るところのある者にとって、仁藤はまぎれもなく英雄だった-。彼の担当スカウト、好意を寄せる女性、タイガースで後輩にあたるドラ1投手、因縁浅からぬドラゴンズのベテラン左腕、高校時代に野球部でバッテリーを組んでいた男、それぞれが語る、ひたむきなプロ野球選手が輝いた一瞬。

感想・レビュー・書評

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  • 仁藤全という冴えない野球選手の話を知り合いへのインタビュー形式で進む。
    後半までは今まで読んできた中でも有数の面白さ。
    ただ、甲子園球場での最終戦で史上初の場外ホームランを打ち2割8分の打率を残した28歳の選手が解雇されるなど後半現実味がなくなってしまったのが残念。
    最終章の仁藤さんを取材している「私」と呼ばれる人物と仁藤さんとの絡みも弱く、果たしてどうしても場外ホームランにする必要あったのだろうか?
    これが場外ホームランでなければ解雇されたという話も一応の筋は通るのだが。
    最後以外はとても面白かっただけに残念。

  • 終盤に向けて、コツコツと積み上げたエピソードを、締めで使い切れてなく残念。

  • 阪神タイガースに所属していたという架空の設定、プロ野球選手として天性の才能を持ち合わせるもチャンスに恵まれない選手生活。人として、選手として周囲の人々に愛された仁藤全の物語。阪神という身近な球団を舞台にして登場する人物も聞いたことのある名前が多数。試合の場面では、甲子園に一度でもいったことがあれば、仁藤がネクストバッターズサークルに進み、素振りをする姿、スタンドに巻き起こる大歓声、舞い上がるジェット風船、自分がライトスタンドからまるで試合を観ているかのような感覚に。クライマックスは前代未聞、実際の試合で起こったら阪神間は驚天動地!?

  • ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」が流れる。背番号55の仁藤全がバッターボックスへ向かう。中日のピッチャーはベテラン山村。仁藤が一瞬ニヤリとする。甲子園が揺れる。ホントに面白い一冊だった。暖かくて、かっこ良くて。最高だった。

  • 傑作に出会ってしまった!
    阪神ファンに、そして尼崎と西宮にゆかりのある人は絶対読んでほしい。かくいう俺、親父が尼工卒業生、おかんが今津の育ち。俺自身尼育ちの西宮担当数年経験あり、阪神ファン歴もある(今はちゃう)、もうこれは「お前読めや」と出会ったのが必然かというくらいの…。

    オムニバスがどんどんつながっていく出来も見事なら、キャラクターも生き生きとしていて、小説としての出来も実に良い。オーラスがちょっと蛇足な気もするが、大きな瑕疵とは感じられず。読み進むにつれてのめりこめて、ドンドン幸せになれる。こんだけ引き込まれる小説もなかなかないぞ。

    登場人物どいつもこいつも素晴らしいが、脇役とも言えない脇役で良かったのが、某過去の阪神監督。ファン目線でも選手目線でもよー描けてる、「あの人ならそらこういう采配やろな、ファンにそう思われるやろな、だから虎キチは憤るし、俺はファンを辞めたんやな…」と出てくるたびに笑えてきた。

    坂井さんの作品は初めて読んだが、こんな作品を書ける人なら他の作品もおっかける価値ありと思う。未読作品も非常に楽しみである。

  • タイトルもなし、お立ち台の経験もない、一軍と二軍を行ったり来たりの10年間を、阪神タイガースの野手として過ごした仁藤全。5人の人物が語るゼンとのあれこれ。読んでいくと、ゼンが…というより、この5人のストーリーが際立っていたりする。ちょっと気弱で真面目なゼンは5人の影に隠れてしまったかな、と思っているとラストで…!!イキイキと描かれる人間ドラマ、坂井希久子さんの作品がもっと読みたくなりました。

  • プロ野球選手になって活躍するのは大変なんだなぁ。

  • 阪神の2軍に10年も在席した有る選手を周りの人々が順番に語る。
    題名のヒーローインタビューは周りの人にとっては、その選手は間違いなくヒーローで有ったという事。
    抜群のバッティングセンスを持ちながら1軍の緊張感にからきし弱い仁藤選手。
    1軍と2軍を行ったり来たりする彼を、野球部のチームメイトが、スカウトが、薄幸の美人が、中日の最年長投手が、阪神の若きエースが熱く語る。
    微妙に実在の人物と被らせているので一層面白い。真弓監督の描写なんてもう最高です。
    負けても負けても阪神を愛する大阪人気質が全開です。大阪に生まれて良かった!と感じる一瞬です。
    甲子園場外ホームランでは涙が出てしまいます。甲子園の歴史の中で場外ホームランを打った人はいないと言うのは本当なんでしょうか。
    本当なら死ぬまでに一度観たいですね。
    最後は薄幸の美人さんも幸せになるみたいですし、目出度し目出度し。
    但し、最終章だけ取って付けたような話ですね。直前までの章と流れが変わってしまったのが残念です。

  • 架空のプロ野球選手を主人公に、周りの人物がインタビューに答える形式で書いた小説。
    権利関係の問題かもしれないが、実在と仮名の人物が混じっていてちょっと読みづらい。

    ところで、インタビューしていた本人(偽スポーツライター)って何者?

  • 仁藤全という人に関して、その周りの人へのインタビューという形式である。

    とにかく野球が大好きで、下位指名で阪神に入るものの
    1軍ではぱっとした成績が残せない。
    でも、見る人が見れば「天才」というキャラ。

    大阪の下町の人情味あふれ、泣き笑いを織り交ぜて
    仁藤全という人が浮かび上がってくる。

    インタビューを受けるメンバーには、
    多分、いや、絶対、中日の山本昌選手も入っている。
    あ。。。。元選手になっちゃったね。
    山本さん、歌もうまいのよ。仁藤さんたちのバンドともセッションできるかも。

    何しろ、野球バカというか、天然というか、
    仁藤全は、周りの人を幸せにする力がある。

    最後の章「私」はあまり評判がよくないようだが
    仁藤さん、こんなところでも人を幸せにしよった~~!
    って、笑ってしまいました。
    私はよかったと思います。

    気分よく泣いて、笑って、心が温まりました。

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