群青のタンデム

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.01
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本棚登録 : 247
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412438

作品紹介・あらすじ

警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくが-。なぜ二人は張り合い続けるのか?異色の連作短篇警察小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「教場」に続く警察小説。
    あの時もちょっと思ったけど‥

    今回は、二人の警察官の人生を追いつつ、連作短編でひとつひとつ事件が語られます。
    警察学校で同点の主席だった戸柏耕史と陶山史香。
    卒業後も成績を競い合い、気にかけ合うのです。
    職場は違い、相棒というわけでもないのに。
    二人は順調に出世していくのですが。
    事件の関係者だった中学生の薫が史香を慕って警察学校に入り、警官となり、30年の歳月が流れます。

    意外な展開で、これも愛情の形?という‥
    長い間の気持ちを思うとズシンと来るものがあります。
    「教場」はすごく面白かったんです!が、しまいに怖さが勝ちすぎて、警察学校は悪の巣窟か?!と思えてきたのと似たような~
    えぇと、こんなヒドイ話でいいのか‥?っていう。
    酷いと言っていいのかは、読み方もあるかも知れませんが、書き方もあると思うのです。
    長い年月の挙げ句が‥
    これで深く感動するというより‥後味悪くなってません?

    ラストの印象を除けば、全体は、言葉を選び抜いて、すっきりと仕上がっています。
    「傍聞き」の頃から変わらないスタイルですね。

  • 連作短編で、長い時間の流れを描いた作品である。
    しかし、時の流れを実感するというよりも、あまりにも駆け足で語られたような感じがしてしまった。
    新人警官だと思っていたら次は警察学校の教官、片や外国へ派遣など、戸柏と陶山の立場はめまぐるしく変わる。
    この、不親切なまでのぶっきらぼうな語り口は、読者に高度な想像力を要求する。作者が想定している事柄を読者も精密に読み取らないと、話の流れも意味合いもつかみそこねてしまうのだ。ふだん、丁寧かつ親切な語り口に慣れてしまっている私には、とても困難な作業だった。
    そしてあのラスト。なぜあの時点なのだろう。そして結局わからなかった。なぜそこまで二人が張り合うのか。きっとたくさん読み落としているんだろうなあと思うが、無口な人と対応しているようなもどかしさで疲労困憊である。何度も何度も読み返すことでしか読み取れないんだろうなあ……。

  •  長岡弘樹さんの新刊は警察小説である。警察学校での成績が同点1位だった2人、戸柏耕史と陶山史香を中心に展開する連作短編集になっている。

     この2人、交番巡査時代から手柄を競い合い、順調に出世の階段を上っていく。彼らの立場はどんどん変わり、最後には定年退職後を描くという、警察小説としては異例の大変長いスパンの物語になっている。なぜそこまで張り合うのか?

     これが男性警察官同士のライバル関係なら、さほど珍しくはあるまい。現在では多くの女性警察官が活躍しているし、女性警察官が登場する作品も多いが、男性社会での孤軍奮闘という描き方が多かったと思われる。

     互いの点数を探りつつ、利用できる局面では利用する。そんな2人だが、対等な関係とは言い難いことがすぐわかるだろう。どちらかといえば、耕史が史香に助け舟を出している。巡査時代の史香は、捜査手法といいあまりにも未熟に映る。

     2人の出世スピードの早さに戸惑うが、各編はミステリーとしての意外性に満ち、短編としての完成度も高いのはさすが長岡さんである。2人が年齢を重ねると同時に、かつての関係者が立場を変えて絡んでくる。連作としてもツボを心得ている。

     後半に入り、段々突っ込みを入れたくなる場面も増える。特に…おいおいおいおい、高い志はどうしたんだ…。しかし、経歴に傷がつくのを巧みに避け、出世街道を驀進する2人。もっとも、その陰にはゴニョゴニョ…だったわけであるが。

     最後の「残心」は前篇・後篇に分かれている。2人とも警察官を勤め上げ、もはや張り合う必要もないのだが、奇妙な関係に終わりはないらしい。警察OB・OGとして、鋭い観察眼はいささかも衰えていない。そして見抜いてしまった。

     何を見抜いたかは読んでみてください。こんなに駆け足で2人の警察人生を描き、最後の最後に何だよそれはっ!!!!! 元々後始末をきっちり描かず、読者の想像力に委ねる長岡作品ではあるが、こんな結末で読者にどうしろというのだ。やられました。


  • 新米警官の戸柏耕史が、章を重ねる毎に交番勤務から刑事、教官を経て、最終話には元警視正という地位にいるまでの連続短編集。

    一字一句、アンテナを立てて読むことをオススメします。伏線だらけです。
    あちこちでリンクしてます。

    最終話の一番大きな真実にポカーン、、、
    わたしは、読み終えた直後から読み直すことになってしまいました。

    そういう訳で二度楽しめます。

  • とても面白かった。

    捕り物劇中心ではなくある警察官と周囲の人々の成長を、警察官の人生を描く。各話ごと、年代が進んで行く。

    各話、顛末を細かく語らず、読者に想像させる。最終話で見せた大岡裁きは、「仲間を売らない」で最後まで残った事件を解決に導いた。

  • 教場が面白かったのでこちらもチェック。
    2人の同期の出世争いを長年にわたって描いた内容。

    にしても、時間軸がものすごく早いし、
    視点が今誰なんだ?と思うことが結構ある。
    教場の時はそんなことなかったので敢えてやっているのかな??

    最後のどんでん返しは
    突っ込みどころ満載。
    罪を認めさせる為に人生使いすぎじゃないですかw

  • 連作短編集。会話中心、改行多くて読み易い。話毎にひねりが効いてる。ウィットが効いている。小ネタの散りばめ方も絶妙で、傍聞きもそうだったが、うーむと唸ることしきり。ただ、やはりラストが哀しく、このラストを描きたい為に書いた作品と思うと、一冊が別の印象に変わってしまった。

  • 説明足りずもやもや

  • 私の読解力の無さにはほとほと呆れるが、表現や言い回しが分かり難い所も多々あり、情景を思い描くのが困難。この話は必要だったか?というものもあったりして、あまり私好みの作品ではなかった。最終的な結末は、そこに行きつくまでの伏線を回収していて見事とは思ったが、無理矢理感が否めなかったのも事実。

  • (収録作品)声色/符丁/伏線/同房/投薬/予兆/残心(前篇/後篇)/エピローグ

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プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年『真夏の車輪』で第25回小説推理新人賞を受賞。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。11年に発売された『傍聞き』文庫版がロングセラーとなる。『教場』がベストセラーとなり『週刊文春ミステリーベスト102013年』にて第1位に、『このミステリーがすごい!2014年版』にて第2位に現在もっとも期待されているミステリ作家である。

「2017年 『波形の声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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