点をつなぐ

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.46
  • (13)
  • (42)
  • (58)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 464
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412537

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 主人公はコンビニスイーツの商品開発の仕事をしているみのり28歳

    テレビで食品の開発担当者の特集を見ることがあるけれど、
    本当に大変なお仕事だな~と…
    そしてどんな味か気になって買ってしまう(まんまとね・笑)

    この年齢の頃を振り返ってみると、
    みのりと同じように悩んで揺れてたなぁって思います。
    人生ってほんとに選択の連続ですよね~

    「点つなぎ」って名称は知らなかったけど子供のころよく遊びました。
    線がまっすぐに引けなくて、できた絵がいびつなのが嫌で消したら他の線も消えちゃったりしてね。

    生きていくなかで選び続けた点をつないだら、
    いつか自分の信じた形になってくれたらいい。
    選んだものが間違ってなかったと信じたい。
    すごくよくわかります。

    こうして物語の世界に入り込むと、すぐその頃の自分に戻れるのが楽しい。
    選ばなかった、選べなかった道に立つ自分を想像することもできる。
    だから読書はやめられない。

    そして本を閉じ”現実”を精一杯生きるのです♪

  • カトチエさんの長編初読み。長編になることで、カトチエさんの持ち味である小気味よい文章のリズム感が崩れてしまわないかと心配したのだが…瑞々しい世界観はそのままで、夢中で一気読みしてしまいました。
    30歳手前の、「人生、これでいいのか」という焦燥感。誰もが通る道だからこそ、描き方によっては陳腐になってしまいそうなところだが…一つ一つのエピソードがリアルで、「あるある、あるある!」と共感しまくりでした。大学進学を機に上京し、そのまま東京のコンビニチェーンに就職したみのりが、地方に帰省するたび感じる、親や友人との価値観の相違。どう説明したところで伝わらないだろうという諦念。描写が本当にきめ細やかで、個人的には一番の共感ポイントであった。
    物足りなさがないと言えば嘘になるけど、カトチエさんらしいセミスイートさが存分に味わえたかなと思う。彼女の作品でも好きな方かも。コンビニスイーツ開発のお仕事の場面は興味深く読みました。「点をつなぐ」というタイトルの意味に思いを馳せ…今の自分は28歳のみのりより、取捨選択を繰り返して点をつなぎ続けている。どんな形が出来るのか、わかりそうでまだわからない。まだまだ人生途上だな、なんて感じることのできた一冊だった。

  • 28歳の滝口みのり。大学進学と同時に上京、そのまま東京で就職。慌ただしくここまで歩んできたけれど、時々にあった選択は果たして正しかったのか。

    「あの時こうしていれば違う今があったのではないか」人は誰しも自分の選択を思い返す時があるかと思います。過去に戻ることは出来ないけれど、その先にあったかもしれない違う人生を空想する。それは果たして無意味なことでしょうか。
    大きな事件は起こりません。しかし読み終わると、私自身も自分の過去と今を静かに振り替えりたくなりました。今ある自分を丸ごと認める。背中をぽんと押してもらえたような、静かに寄り添ってもらったような、不思議な心地よさが残りました。

  • 29歳になる年、みのりは焦っていた。
    仕事に夢中になっているが、果たして今の仕事を続けていて満足なのか?
    周りの同級生が結婚、出産する中で、何も変わらない自分に不安を感じている。

    私は結婚、出産もしたけれど、「今のままで満足なのか?」という問いに即答できないみのりの気持ちがよくわかる。

    正解はないけれど、自分の選んだ点をつないで、浮かび上がってくる形が正しいのだと信じて、選び続けていくしかない。
    そう結論付けたみのりは強いと思うし、私も選び続けていきたい、と思う。

  • 結婚とは、人生とは…みたいな本ばっかり最近読んでる気がするw
    いちいち、分かるわーって思いながら読んでた。周りと比べての不安や焦燥感。いやいや主人公は三十路やけど私はまだ…とも言ってられんのですよ!!←
    共感出来るところが多すぎる。って事でこの評価。

  • ananで紹介されてて読んでみようと思った本。すっごいさらっとすぐに読めた。29歳のコンビニの商品開発に携わってるみのり。
    本の中でなされてる会話はすごく身近で。一生懸命働いてることよりも、結婚や子どもや家を買ったことなんかが話題の中心になる世代。親とか親戚の期待めいた質問に戸惑ったり、友達が転職したり海外に行ったり。自分はその期間なにをしてたんやろうって考えたり・・共感できるとこがいろいろあった。
    終わりまでさらっとしてて少し物足りなかったけど、みのりがいい方向に進めるといいな。

    私はあんまり選ばなかった方のことを考えないタイプやけど、本当に人生って選択の連続やなあって。小さいことから大きいことまで、すべては自分の選択次第。

  • 誰にも言えないけど、常に心の奥底でどんより居座るわたしの悩みがぎゅっと詰まっている。

    悩んでるのは自分だけじゃないんだ、みんな同じことを心の底で思ってるんだと、気持ちが楽になれた。

    今まで自分が選んできた点、これから選ぶ点をつないだらどんな形になるかわからないけど、自分らしく生きようと改めて思う。

  • 流れる空気や展開が自然でさらさらと心地好く読めた。開発されるコンビニスイーツや参考にするベーカリーのコンフィチュールもお洒落で楽しかった。

  • 主人公と年代が近いので、共感できるところもあり羨ましく感じるところもあり...。
    終わり方は加藤千恵さんらしいな、と思った。

  • 二十九歳になるみのりは、仕事、恋愛、結婚、のまさに第二思春期で揺れていた。周りの友達はみんな結婚して子供がいる。それでも、自分で選択し続ける。
    あの時ああしていれば、あの時こっちにしていたら…。選ばなかった方の道がとても気になることがあるけれど、想像しても無駄。「選ばなかった」んだから。今の道を「選ぶ運命」だったんだから。だって、現にいま、ここにいるんだから。
    …と、私は思う。そう思ってからだいぶ楽になりました。私の周りもほんと既婚者だらけだけど(笑)。
    七の始まり方は冒頭の、「いつのまにか眠っていたらしい」だとかなりこの小説のテーマに合うんじゃないだろうか、と勝手に校閲したくなった。

著者プロフィール

1983年、旭川市生まれ。2001年、歌集『ハッピーアイスクリーム』で、高校生の時にデビュー。現在、小説・短歌・漫画原作ほか、幅広い分野で活躍。著書に『ハニー ビター ハニー』『あかねさす』など。

「2019年 『ラジオラジオラジオ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加藤千恵の作品

ツイートする